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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第2章 多種族国家シェリル

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閑話 ジェラルヴィーネ 切っ掛け

本当にどうなっているのだろうか?

私には理解ができないよ。


ハイエルフは、同族を集めて国まで作り、回復をしてあげて、世界樹まで植えた。

食糧も用意し、攫われていた人も全て救い出してあげた。


それなのに、誰も社までお礼を言いに来ない。

そもそも感謝している人が誰もいない。


私は感謝されたいと思っていた訳ではないけど…。

母さんに感謝するのは当然だと思う。


ハイエルフはそれだけの事を母さんにしてもらっているよ。

分かっていないのかな?


ハイエルフのお店は明らかに短命種を差別している。

シェリル国に住んでいるハイエルフがこれでは、ハイエルフの国に住んでいる人は短命種の事をどう考えているのか想像したくもないよ。


説得すると言った長老の言葉は何だったのだろうか?

何を説得するつもりだったのだろう?


無理やり集められたけど、我慢して生活して欲しいとでも説得しているのかな?


長老は、母さんにお願いに来たハイエルフの青年が人間たちの街を通った事を偉いと考えている。

ハイエルフは人間たちの街を通るだけで偉いの?

ハイエルフの戦士は人間の街を通る訓練でもするのかな?


ふざけているよ!


今まで、長老は高齢だから他者を見下す癖があるのかと思っていたけど、明らかに人間を見下している。

母さんも確実に気付いているよ。


人間という種族を見下したり馬鹿にしたりする意味を、長老が理解していないのかな?


私のお婆ちゃんは人間なんだよ!


本気で死にたいのかな?

切っ掛けさえあれば、いつでも殺すよ。


ああ、その時はクリスタに先に殺されるだろうね。

彼女も凄く我慢しているから。


長老の前では、いつでも瞬殺できるように魔力を巡らせているよ。

同じ秘儀を教えてもらったのに、凄い差だよ。

クリスタを見下す長老は頭が悪過ぎる。


クリスタの前で母さんを馬鹿にしたら終わりだね。


ドワーフはお酒を巡って同族で争っている。

毎週のように、母さんに回復魔法を使わせている事をなんとも思っていないようだ。


私が指示しても意味が無かったみたいだよ。

同じ部署内でも譲り合いや、分け合う事をしないみたい。


研究施設にもたくさんの人が入って盛り上がっているようだけど、今まで研究してきた人たちが我慢をしているように感じる。

研究結果の横取りや、自分勝手な行動をしている可能性が高い。


これでは、決まりを無視した大人で溢れていたお祭りと一緒だよ。

ハイエルフとドワーフの大人だけ街の決まりを無視した。


子供の時間と大人の時間すら守れない。

守る気がないのかもしれない。


母さんは我慢をする事に慣れてしまったのかもしれないね。


討伐隊、国防隊、住民の選別。

今まで散々我慢をして人の成長を促してきたから。


だから、ハイエルフやドワーフの行動も我慢してしまうのだと思う。


私は母さんと違うからね。

母さんを悲しませるような事になった場合は容赦しない。


古代種(エンシェント)ドラゴンとして、種族と個人を分けて考えるべきだと思っていた。

だけど、ハイエルフもドワーフも種族として目に余るよ。


無暗に殺す事はお婆ちゃんの教えに反するからできないけど、少しくらい苦しめてもいいよね。

善意に悪意で返すような種族には、少しだけ痛い思いをしてもらうよ。


私は母さんの娘であり、母さんの味方であり続ける。

だから、母さんの思いを無視する事は基本しないつもりだよ。


だけど、心配なんだ。

母さんの我慢にだって限度があるよ。


その時が来たら、私が代わりに制裁するからね。

母さんは社で横になってて。


私は母さんと一緒にいられるだけでいいんだ。

母さんと一緒に布団で眠れるだけで幸せなんだ。


私が竜から人型になった時、迷わずお婆ちゃんの手縫いの服を着させてくれたのは嬉しかった。

本当に私の事を娘だと思ってくれていると感じたんだ。


母さんが服をどれだけ大事にしているか知っているから。

ワイバーンとの一件の時、母さんの言葉は本当に嬉しかったんだ。


母さんは私との時間をとても大切にしてくれているんだよ。

いつも私の事を気にかけてくれる。

それが、とても嬉しい。


母さんはとても温かいんだよ。

それを、阻害するような存在はシェリル国にいらない。


母さんが少しでも行動で示した時、君たちには消えてもらうから。

シャーロットに我慢の限界がくるか、住民に我慢の限界がくるか。

どちらにしても、シャーロットを悲しませる事になるため娘が動きます…。


それまでに、自分たちの行動を見つめ直す事ができるでしょうか。

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