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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第2章 多種族国家シェリル

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偽物

上空から急速に街に接近してくる人がいる。

こんな事をする人はいない。


ジェラ姉ちゃんも同じように接近するが、結界を破るような事は絶対にしない。

ぶつかる直前で速度を落とし、わざと痛がっているのは知っている。


本当に優しいからね。


この速度なら2重(ダブル)結界。

安全を考えて全ての国を結界で覆う。


苛立って転移しようとしたら、ヴィーネに手を引かれた。

「母さん、国長の仕事を奪わないでよ」

「そうね。一緒に行きましょう。どんな人か見てみたいのよ。転移魔法(テレポート)


速度を落とす気配もない。

このままでは結界に当たる。


問題ないけど…。

結界が見えていないか破るつもりか、どちらかだろうね。


結界に触れる直前にその人は停止した。

正確にはヴィーネが停止させたんだけどね。


「私の国に何をするつもりかな。ワイバーン君」


そう、私は始めて見た。

青色をした空飛ぶ蜥蜴だよ。


翼が付いているだけしか違いが分からない。

ああ、翼を除いても2mはあるから大きさは違うね。


「小娘どもが。厄災のドラゴンを知らないのか?俺に手を出してただで済むと思っているのか?」

「ジェラルディーンなら私の産みの親だよ。知ってるけど、どうかしたの?」


「し、知ってるのか?俺はジェラルディーン様の一番弟子だぞ。俺に手を出したらこの国は終わるが、いいのか?」


なーんだ。

ただの馬鹿だったよ。


ジェラ姉ちゃんの偽物になって脅そうとしたんだね。

でも、ヴィーネが予想外の事を言ったから慌てているみたい。


ジェラ姉ちゃんに関係がない被害者も多そうだね。

有名になるとこういう馬鹿も湧くんだ。


馬鹿がいる事は把握していると思うし連絡する必要もないか。

ジェラ姉ちゃんは賢いからね。


「もしかして、君を殺したら叔母さんが怒って攻めて来るの?それは楽しみだよ。目の前で尻尾焼きがまた見れるね」

「あなた本当に馬鹿よ。ジェラ姉ちゃんが弟子なんて育てる訳が無い。そんな事も知らないって事は会った事も無いんだね。細いから食べるところも無いね。君は無価値だよ」


「俺を殺すと全てのワイバーンを敵に回すぞ。それでもいいなら好きにするがいい」

「じゃあ殺そう。敵対種族の殲滅が楽になるよ」

「そうだね。滅ぼす事になるのか…。残念だけど、敵対する相手には手加減しない事にしてるんだ」


何を慌てているんだろう?

街の人を殺すつもりで来たなら、自分も殺される覚悟くらいしないと。


「分かった。降参だ!お前たちの配下になる。好きに使ってくれ」

「いらないよ。弱いし馬鹿だもん。今まで何してきたか記憶を覗くよ…」


ヴィーネが記憶を覗いたって事は、(子供)を食べる種族の可能性があるね。

すぐに私の為に行動しちゃうんだから。


母親想いで嬉しいね。


「母さん、こいつは駄目だよ。ワイバーンの中でも相当のクズ。言葉を話すから高年齢だけど知能は幼稚だよ。空中で解体して魚か魔獣の餌にしよう」

「じゃあ、苦痛を与えてから殺しましょう。それが、あなたが今までしてきた事への償いよ」


上空を見ている子が何人かいるね。

子供は感覚が鋭いから。


「ヴィーネ。海の上空に転移するよ。転移魔法(テレポート)

「母さんらしいね。罰は私が与えていいの?」


何だこの人?

震えているよ。


駄目だ。

討伐隊や国防隊を思い出しちゃう。


「ヴィーネに任せるね。私だとやり過ぎちゃいそうだよ」

「最後に言い残す事はある?ワイバーンの分際でドラゴンを名乗った事が、ドラゴンの族長に知られたら滅ぼされるけど、どう思う?」

「知った事か。俺は今まで好きに生きて好きな物を食べてきた。他の奴の事なんて考えた事もない。勝手に滅ぼせばいい」


「ワイバーンを君で判断しないようにしよう。ちゃんと見定めてから必要なら滅ぼすよ。ヴィーネお願い」

「そうだね。こいつを基準にされたら可哀想だよ。どの種族にもクズはいるからね。じゃあ、やるね」


翼が千切りにされていくね。

魚が食べやすいようにしている見たい。

手足の先からゆっくりと凍らせるなんて、手間の掛かる事をしているなー。


なんか喚いてるけど聞こえないから、沈黙(サイレンス)の魔法がかけられているね。

最後に氷を細かく砕いて終わりだね。


海で溶けて小魚も食べやすい大きさになるね。

好きに食べてきたんだから、好きに食べられるといいよ。


「ヴィーネお疲れ様。今日は嫌な気分だよ。帰って寝よう」

「はーい。私はそれが一番好きだから」


転移魔法(テレポート)

社に帰って布団を敷いて、2人一緒に布団に入る。

暫くするとヴィーネが抱き着いてくるから、その後に私も眠る。


ヴィーネが歳を取って抱き着かなくなったら寂しくなりそう。

お母さんも、そう思ってくれていたのかな?


そうだと嬉しいな。

私はずっとお母さんに抱き着いていたからね。

どの種族にも駄目な人はいます。

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