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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第2章 多種族国家シェリル

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閑話 ダニエル 酒屋として

お祭りで全体に広がってしまいました。

仕方が無い事です。


土地神りんごは余りにも特別ですから。

シャーロット様が植えたりんごだと、意識させる必要があるのは当然でしょう。


何も知らずに美味しいから、また欲しいなんて有り得ない。

そんな奴らには、食べる資格も、飲む資格も無い。


そして、街の住民の気持ちは分かる。

痛いほど分かるんだよ。


俺だって飲めないなら同じ気持ちになる。

しかし、安易に大量生産してはいけないんだよ。


これは、子供が食べる菓子ではない。

大人が飲む酒だ。


しかも、ヴィーネ様が命名された土地神りんごを使ったお酒。

大量生産して皆が飲めるようにしたい?

笑わせるんじゃねえよ。


神様のお酒が簡単に飲める訳がないのは当然だろ?


他の酒ならいくらでも増産してやるよ。

だが、このお酒は増産出来ない。

いや、したくない。


そもそも、この国内だけ季節に関係なく常にりんごがある事が神の奇跡。

その奇跡を少し利用させてもらいお酒を造っているんだ。

これ以上は贅沢だ。


一度贅沢を味わうと、同じものを求め続ける。


偶にしか飲めないから、より味わう事が出来る。

それを分かっていない奴らが多い。


「そういう訳です。シャーロット様、ヴィーネ様。このお酒は大量生産したくないんです。分かって頂けないでしょうか?」

「その気持ちは分かったよ。国長として種族差だけは無いようにしたいんだ。週に何本造れるのかな?」

「そうだね。ドワーフだけが飲み続けるのは駄目だね」


やはり分かって頂けた。

恐らく、種族別に分配するのでしょう。


それなら問題ないです。


「今の体制で週に100本造れます。国内で砂糖が大量生産出来て400本が限界ですね」

「砂糖は妖精に頼んでテンサイを栽培し砂糖生産場を作ろう。週に300本。各種族長に60本。勿論お金を払えばの話しだよ。店頭で販売するのは週60本、ハイエルフ、ハイオーク、ハーピィ、ドワーフの種族長に週60本でどうかな?種族が増えれば、また平等に分配すればいいからね?その代わり、余った土地神りんごや砂糖で、妖精や子供の為に土地神りんごジュースを造って欲しい。それならできそうかな?値段はお酒が1万ギル、ジュースが500ギルだよ」

「流石私の娘だよ。完璧だよ。それなら、各種族もお金を稼ごうとする。特にハーピィやハイエルフは余りお金を稼ごうとしていないから。街が賑やかになり発展するよ。ダニエル、どうかな?」


素晴らしい提案です。

ジュースは造ってフーゴに卸せばいい。

各種族はお金を稼ぐ為に街で働く必要がありますね。


「お任せ下さい。それならできます。土地神りんごジュースはお菓子屋のフーゴに卸します」

「ありがとう。今から全ての種族に声を届けるからね」


頭の中にヴィーネ様の声が届く。

「国長からの連絡だよ。土地神りんご酒の店頭販売は週60本。週60本を各種族長に売る事にするよ。勿論お金が払えればだよ。砂糖工場を来週までに整えるから、その時からね。各種族は基本的に族長から買うように。買えない族長がいる場合は店頭販売に回すよ。そして、来週から土地神りんごジュースも販売するよ。これは、お菓子屋で購入できるよ。妖精や子供の限定商品だよ。飲みたいなら妖精か子供にお願いしてね。土地神りんご酒は1万ギル、土地神りんごジュースは500ギル、土地神りんごは200ギルで売って欲しい。よろくね」


「ありがとうございます。これで仕事に励む事ができます」

「毎日騒がしかったもんね。この国の名産品だからよろしくね」

「母さん、妖精女王と話をしてこよう。テンサイから砂糖を作る工程は分かってるから大丈夫だよ。5000年の知識は叔母さんに頼ってるみたいで嫌だけど仕方ないね」


「じゃあ、ダニエル。よろしくねー」

シャーロット様がそう言うと、お2人は去って行きました。

妖精女王と話をするのでしょう。


これで他のお酒にも力を入れれるし神酒としての地位も安泰。

ヴィーネ様から声を掛けてもらったので誰も文句は言えない。


完璧です。

完璧な国長です。

流石土地神様のご令嬢でございます。

フーゴは妖精の為に、小分けにして売るかもしれませんね。

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