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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第2章 多種族国家シェリル

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閑話 アルビーナ ハーピィの特別授業

ハイディが飛ぶ姿を見て決意した。

確実に私たちの知らない秘密がある。


高台の湖から歩いて社まで行き、賽銭箱の前でお願いする。

「シャーロット様、お願いがあります。ハーピィに授業をして頂けませんか?」


シャーロット様が笑顔で社の扉から飛び出してきた。

「どんな授業をして欲しいのかな?」

「魔力についてと、飛行についてです。子供たちが遊んでいる姿を見たのですが、ハイディの飛行能力だけ高過ぎるのです。本人に聞いても、シャーロット様に教えてもらった、としか言いません。他の子供たちも授業内容は秘密だから話せないと言っています。ですから、お願いに来ました」


ハイディはシャーロット様に直接教えてもらっている。

極秘の授業なので、口を開かないのかもしれない。

他の子供たちも話さないのは理由があるのかも。


「私の授業については他言無用だよ。ハーピィの中でなら話す事は良しとするけど、いいかな?」

「構いません。よろしくお願いします」


何か知らない事実があるに違いないよ。

私がそう思っていると、一瞬で湖に移動した。

転移(テレポート)したみたいだね。


「皆はどこにいるのかな?」


ハーピィは夜、眠る時は木の上にいる。

洞窟の中にいた時は本当に寝付きが悪かったよ。

今は世界樹がある為、皆が安心な高い木の上で眠れるようになったのさ。


贅沢になったもんだよ。

高台に防護壁まであるから地上で寝ても安全なのにさ。


「シャーロット様が来たよ!全員、下りてきな」

「「分かりました!」」


飛べない子も親が抱えて下りて来たね。

飛べない子は親が抱えて上まで運んでいるんだよ。


「揃いました。お願いします!」

「まず、皆に言っておくよ。今から行う授業はハーピィでのみ話をしてね。他種族に話してはいけないよ。守れるかな?」


他種族に話をしてはいけないと言う事は何かあるね。

これは、絶対に秘密にするべきだ。


「絶対に守りな!いいね?」

「「はい!」」


シャーロット様は、私たちの返事を聞いて話し始めた。

「まず、大切な事を教えるよ。魔法が使えても使えなくても、体の中にある魔力は無属性なんだ。魔法が使える人は、放つ際に魔法情報を記載した核を、無属性魔力が通る事により魔法になるんだよ。これを前提に授業を進めるよ」


前提が理解不能だよ。

やはり、知識の差が凄い。


子供たちの授業は羨ましいね。


「意味不明ですが、そういうものとして納得します」

「ハーピィが飛べる理由を知っているかな?」


ハーピィが飛べる理由を、シャーロット様が知っているのがおかしいよ。

ハイディを見て分かったと思うのだけど、他種族の特性を簡単に理解出来るものなのかね。


「子供の頃から飛ぶ練習をします。ある程度練習すれば、飛べるようにはなるのですが、ハイディの飛行能力は大人顔負けですので驚きました」


ハイディは飛び過ぎていた。

上手く飛べるだけの子供の飛行能力じゃなかった。


「今の話しで良く分かったよ。まず、ハーピィで魔法を使えない人はいる?」

「使える人はいますが、使えないかは分かりません。どの魔法を練習すればいいのか知る事が難しいからです」


「では、魔石を2つ渡すね。1つは魔力を見る魔石。もう1つは魔力を吸う魔石だよ」

「はい。どのように使えばいいのでしょか?」


魔石って貴重品じゃないのかね?

簡単に出てきたけど…。


「アルビーナは魔法が使えるのかな?」

「はい。風魔法が使えます」


「では、透明な魔石に、魔法を使うのではなく、魔力を出す事だけを意識してみて」


魔力を出すだけなら簡単さ。

「分かりました」


透明な魔石に薄緑の火が点った。


「これで使える魔法を知る事が出来るんだ。アルビーナは風と水が使えるよ」


ええーー?

私は水も使えたの?

全く知らなかった事実を一瞬で知れたよ。


この時点で授業をお願いして良かったよ。


「私は水も使えたのですか?」

「今度は魔力を吸収する魔石を使って、魔力を入れた魔石を透明に戻してから、初期の風魔法を入れるつもりで魔力を出してみて」


なるほど。

魔力を吸収する魔石を使って、透明な魔石を元に戻すんだね。


その後に、風の初期魔法を放てばいいんだね。


「分かりました。では、行きます」


緑色になった。

さっきと色が違うじゃないか。


歓声が上がっているよ。

こんな簡単に使える魔法の属性が分かるんだ。


「これで分かったと思うけど、属性には色があるんだ。火は赤、水は青、風は緑、土は茶、雷は黄、みたいな感じね。魔法の属性はいっぱいあるから他にも色はあるよ。そして、最初は魔法を使う事無く魔力を魔石に流したでしょ。その場合、核は持ってる全ての属性を無属性の魔力に付与しちゃうんだよ。色が薄緑だったから、水魔法と風魔法が使えると思った訳なんだ」


凄い知識の量じゃないか。

学校はとんでもない場所だね。


「さて、ハーピィは何故飛べるかだね。翼があるのは勿論なんだけど、大切なのは魔力なんだ。つまり、翼に魔力を集めて飛んでいるんだよ。そして、魔法が使える人は、使えない人の魔力を操る事ができる。普段、自分の魔力を放っているからね。だから、飛べない子供の魔力を操って翼に集めてあげればいいんだよ」


自分の魔力を操る要領で子供の魔力を操る。

そんな事が出来るんだ。


試した事もないよ。


「誰か飛べない子。こっちにおいでー」

「一番下手な子がお願いしなよ!」


「じゃあ、私かな…」

「魔力を翼に集めるからね」


シャーロット様はそう言って、子供の頭に手を乗せた。


「翼が温かくなったの分かる?」

「はい。じんわり温かくなりました」


「じゃあ、羽ばたいてみよう」

「分かりました。あ、あれ、あれれ…」


いきなり飛べるようになっているよ。

一番下手な子だったのに、並の子供のようだ。


念力(サイコキネシス)で連れ戻してあげたみたいだね。


「最初は変な方向に飛んじゃうから練習が必要だけど、温かくなった感じは覚えているでしょ?」

「はい。覚えています!」


「それを意識する事が大切なんだよ。翼がじんわりと温かくなったのは、魔力を集めたから。これは、魔法を使える人なら誰でも出来るから、皆で練習すればすぐに飛べるようになるよ。ただし、今みたいに最初は変な方向に飛んじゃうから、少しだけ飛ぶように子供は意識する事と、飛べる大人が付き添う事が絶対だよ。一度翼まで延ばした魔力は延びやすくなっているんだ。今度は自分で翼を温めてみよう」


「分かりました。んー・・・・」

「うん、上手く出来てるよ。もう少し、もう少し、出来た!じゃあ、気をつけて飛んでみて」


「はい。あ、ああー。飛べるよー!」


何て事だい!

こんなに簡単に子供を飛ばすの?

古くから伝わる練習方法なんて無意味だね。


「ずっと飛んでると疲れて学校に行けなくなるよー」

「あっ!すぐ下ります」


初めて飛べた子供が素直にすぐ下りた。

それほどの魅力が学校にあるんだ。


「まず、ハイディや子供たちが話さなかった理由。学校で教えている事は街の人にも話す事を禁止にしてるんだよ。勿論、親にもね。魔力の操作が他国に漏れると戦争が激化するんだよ。身体能力を魔力で底上げ出来てしまうからね。だから、教えるのを禁止にしているよ。あとは、魔力の量が違うから、気をつけて扱わないと死んでしまうんだよ。同じ事をすれば同じ結果になるとは限らないんだ。最後に種族特性が分かってしまうと、簡単に敵に捕まったり殺されたりしてしまう。ハーピィを捕まえる方法は、魔力を無くせばいいと広まったら大変な事になるでしょ。そういう理由もあるんだよ」


なるほど。

納得出来る話だよ。


ハーピィを捕まえたい敵に対して、魔法で応戦したら思う壺の可能性があるって事だね。


さらに、身体能力の強化。

翼での攻撃力が高いのも魔力のお陰って事だね。

広まれば、かなり危険な知識だよ。


「私は皆の魔力量が見えているからね。安全かどうか分かるから教えているんだよ。最後にアルビーナにとっておきの世界を見せてあげるよ」

「これ以上の何かがあるのですか?」


シャーロット様は私の頭の上に手を置いた。

頭が温かくなるような感じがする。

頭に魔力を集めているんだね。


「こ、これは。これが魔力が見える世界ですか!」


あまりにも別世界。

世界が魔力で満ちているのが分かる。


それに、皆の体に魔力があるのが分かる。

この状態なら翼に魔力を集めているか見る事もできるね。


あっ!

「疲れちゃうから戻すね。これで、魔力を操作して見たくなったでしょ?ハーピィは足に魔力を集めるのは止めた方がいいよ。足が破裂する可能性があるからね。痛い思いをしたくないでしょ?」

「なるほど。早く走りたいから足に魔力を集めても、限界以上を集めてしまうと破裂する訳ですね」


「それも種族特性だね。だから、教えるのは禁止にしているんだよ。私は結構痛い思いをしているからね。ちゃんと注意したからね。破裂しても治してあげるけど、ほんとに痛いからね!」


シャーロット様の魔力量なら身体強化なんて必要ないはず。

つまり、自分の体を破壊しながら、魔力の操作を試したんだ。

ただ、子供たちに教える為にだよ。


何て事をしてるんだい。


頭に集めたら破裂する可能性だってあったはず。

途轍もない程に危険な事をしている。

とんでもない知識の集大成だよ。


子供たちに教えているのが不思議だよ。

本当に子供が大切なんだね。


「皆の魔力量を見ると、翼に集める事と、頭に集める事に害はないよ。足は魔力の延びが悪いから、無理は絶対に駄目だよ。あとは、2つの魔石を使って魔法の属性を調べてみて。魔力が出せないと思っている人も、魔法を使っている人に魔力を操ってもらえば、出せるかもしれない。一番最初が難しいから、いっぱい練習してね。またねー」


シャーロット様は笑顔で手を振って去って行った。


あれ…?

2つの魔石は貰えるんだね。

魔石を使えば自分たちで魔力の属性が分かる。

魔力を見ながら操作すれば、どのように動いているのか理解出来る。


授業内容の密度が桁違いだ。


授業を聞いた後に思ったよ。

受け継いできた知識の集大成は無意味だね。


何故なら、感覚でしか説明出来ないから。


それを、誰でも理解できて納得できるように説明してくれた。

さらに、実現可能な状態にまでしてくれているよ。


子供たちは、シャーロット様が体を壊して得た知識だと、教えてもらっているかもね。

だから、誰も話さないし、話そうとも思わない。


話せるはずがないよ。


私だって黙る。

今日の授業内容も絶対に話せない。


本当に私たちは恵まれ過ぎているね。

何でもできると思っていたけど、自己犠牲までしていたのかい。


貴重な魔石まで簡単にくれちゃうし。

本当に神様だよ!


「今日の授業は絶対に他言無用だよ。ハーピィの秘儀にするからね!」

「「はい。分かりました!」」


簡単に飛べる。

使える魔法の属性が分かる。

そして、魔力が見れるようになる。


ハーピィとしては、これで十分だよ。


学校の授業はこれ以上の知識があるのかもね。

この先、子供たちが作る国がどうなるか楽しみだよ。

ハイディにも足に魔力を集めるのは危険だと教えています。

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