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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第2章 多種族国家シェリル

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閑話 ジェラルディーン 家族

本当にもう。

腹が立って仕方が無いわね。

何で私の尻尾を燻製にしているのよ。


今回は偶然ね。

来た時間も悪かったわ。

私を見てから焼き始めたら、流石に怒るわ。

わざわざヴィーネまで隣に来て、私を笑って。


本当にどんな子よ。

シャルにそっくりの性格じゃない。

見た目は真祖のシャルにだけどさ。


魔力をあげすぎなのよ。

魔石を使って温めると思っていたけど、まさか、孵化するまで魔力をあげ続けるなんてね。


どんだけ暇なのよ。


孤児を助けて周っているのかと思ったけど、止めたみたいね。

友好的な種族を助ける方向に変わった。

世界を見るようになった。


本当にいい傾向よ。


この国に滞在するのは仕方が無いわね。

母親のお墓があるから。


でも、ドラゴンの国にも行こうか、みたいな話をしていた。

以前に比べたら、かなり変わったわ。


シャルは自由に好きに動けばいいのよ。

100年に1度の戦いは続けてもいいけど、あの様子だと2対1になるわね。


本気で戦っても勝てない可能性が高いわ。

ヴィーネは間違いなく世界最強。

経験を積んだら無敵でしょう。


産まれたばかりなのに、あの魔力は強過ぎるわよ。

私と姉に加えて、シャルの力まで入っているから仕方が無いか。


それにしても、ヴィーネが土地神りんごとか言うから、りんご酒買ってみたけど、美味し過ぎるわ。

普通のりんごの味じゃないし、魔力も回復しているようね。

シャルが植えたんでしょうけど、何か意味があるわね。


「長老も飲んでみなさいよ。お酒飲めるでしょ?」

「飲めますが、また固まりますよ?」


「いいから飲んでみなさいよ。美味し過ぎて止まらなくなるわよ」

「では、お言葉に甘えて。ゴク、ゴク。これは美味し過ぎます。体に力が湧いてくる様です」


あれれ?

長老…、固まったわね。


ああ、来た来た。

シャルが私に気を使って名前を付けたんでしょうね。


ジェラルヴィーネなんて、完全に寄せてるじゃない。

そういう所が、本当に可愛いのよね。


「ヴィーネ。お母様に言う事があるのじゃないかしら?」

「何かある?卵を投げ捨てた叔母さんに言う事なんてないけど?」


「私を見て叔母さんなんて言う人この世界に1人もいないわよ」

「目の前にいるよ。私が言ってるじゃない。母さんの魔力の温かさを知ってるの?」


「母親が凄いから知ってるわ。あなたにも私の知識があるでしょ?何か分かったの?」

「分かったよ。母さんの真祖の状態は2人の血を使った状態だよ。だから異常に強い。あの言葉は、体の中にある血を活性化させる為のものよ。だから、お婆ちゃんと、叔母さんの姉の血が活性化したのよ」


完全にシャルの娘になってるわね。

シャルの母親がお婆ちゃんだもん。


「どんな教育したらそうなるのよ?真祖なのに2人の血を使ってる時点でおかしいわ。弱い人間の血を使おうとする訳が無い。本能で拒絶するはずよ」

「そうだと思うよ。だから、お婆ちゃんは母さんが姉の血を使って殺戮を繰り返す度に説教をしているよ。私の血を使いなさい無暗な殺しは止めなさいって。そして、お婆ちゃんは殺戮する理由が、別の血であると考えて、自分の血で薄める事を思いついたのよ。だから、真祖の状態は2人の血が混ざりあっている状態だよ」


殺戮を繰り返す真祖を説教した?

自分の血を使うように説教した?

姉の血を薄めるように教育した?


「とんでもない事してるじゃない。つまり、20年近く繰り返している可能性がある訳ね。人間として凄すぎるわよ。周りにいる人間とは比べ物にならないじゃない」

「ならないよ!母さんはずっと勘違いしていたんだ。魔獣を殺しているお婆ちゃんを見て、街を守ってるってね。実際は自分が食べて血を増やす必要があったからだよ。その為だけに魔獣を殺し続けて自分の血を与え続けているんだよ。私の中にもお婆ちゃんの血が入っているからね」


シャルが街を守る事にこだわっていたのは、そういう事だったのね。

それで、勘違いと分かったから世界を見ようと思った訳だ。


「じゃあ、このりんごが異常なのも理由があるんでしょ?」

「お婆ちゃんへの思いだよ。母さんは、お婆ちゃんの血と、リンゴ飴しか食べていない。お婆ちゃんとの思い出はリンゴ飴にたくさんあるんだよ」


幼いシャルはリンゴ飴が血に見えたのでしょうね。

母親がリンゴ飴を食べる事を許したのは、血とは関係無いから。


怖ろしい程に徹底しているわ。

どうして、そこまで出来たのかしら。


もしかしたら…。

本当の親子になろうとしたのかもね。

人間の子供は親の血しか入っていない。


シャルを本当の娘にしたかったのかもしれない。

シャルを自分の血だけで満たしたかった。

母親になる為に努力したのでしょう。


それでも凄いと思うわ。


私の娘にまで血を残すなんてやるじゃない。

普通の人間に出来る事じゃないわ。


きっと、面白い人ね。

会って話したかったわ。


やっと、シャルも来たわね。

ああー、2人揃うと更にうるさいわ。

私から見たら双子にしか見えないわよ。


それにしても、シェリル。

あなた、本当に好かれすぎよ。

シャルにヴィーネまであなたが大好きじゃない。


もう…、嫉妬しちゃうわね。


シャルに私の子を育てて欲しいと思ったのは私なんだし、しょうがない。

どっちにしても、2人とも私の娘の様なものよ。

結局、何も変わらないわ。


勢いでお風呂に誘ってみたけど…。

シャルもヴィーネも、私と一緒にお風呂に入るのを嫌がらないのね。

やっぱり、可愛い所があるじゃない。


一緒の布団で寝る事も嫌がらないの?

言っている事と行動が合ってないわよ。

私は大きいからはみ出しちゃうけど、まあいいわ。


今日は最高に楽しめた。

この姿を見たら3人家族にしか見えないわね。


私はそれで十分なの。


それにしても、この国にドワーフいたわね。

国にしてないから別にいいけどさ。


私の暇つぶしを奪っていないから、許しましょう。

お姉様は優しいのよ。


「ドワーフの国が出来たら招待してあげるわ」

「無理な事は口にしない方がいいよ。火吹きドラゴンさん」

「そうだよ叔母さん。不可能な事をやろうとすると怪我人が増えるよ」


本当に可愛くないわね。

でも…、私に似てる気がする。

シャルと初めて会った時にも思ったからね。


つまり、3人ともそっくりじゃない。


2人とも私の娘で決定!

シェリルに悪いから、シャルは姪でいいわ。


「生意気な娘たちね。楽しみに待ってなさい。最高の国が出来るその日をね」

「大陸消し飛ばさないでよ!」

「本当だよ。頭悪過ぎだよ!」


「黙りなさいな、小娘ちゃん。私の様な、()()()()になってから口答えするのね」

「むぅー!500年待ってなさいよ」

「そうだよ!1000年後は私が勝つわ」


「つまり、今は私の勝ち!また会いましょう小娘ちゃん。まったねー。転移(テレポート)


シャルと話してると楽しいわね。

ヴィーネもいるし次の祭りも参加決定ね!

家族ですね。

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