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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第2章 多種族国家シェリル

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閑話 ディートヘルム ディルクの変化

私の部族は全滅でしたか。

私の存在が安心感を与えてしまっている。

しょうがないかもしれないが情けない事です。


この者たちは本当の恐怖を知った時に後悔する。

ですが、私には教える事が出来ません。


「長老。お願いがあって来ました」

「おや、ディルク。何かありましたか?」


「私を戦えるように鍛えて下さい」


ほう。

まだ、私にお願いをしますか。


「何と戦いたいのですか?」

「私は恐怖を知りました。ボアを1人で倒したいのです。協力して頂けないでしょうか?」


なんですと!

ボアを1人で倒したいから私に協力をお願いする。


これは尋常ではない。

確実に何かがあった。


他の者共は笑っている。

馬鹿者共が。

何故お前たちに彼を笑う資格がある?


「理由を話しなさい」

「シャーロット様にお願いをしてきました。戦えるようになりたいと。私の心の内を全て曝け出して下さいました。私は体を磨いてばかりいて心を磨けていません。1人ではボアに殺されてしまうのです。ですので、協力をしてくれませんか?家族がいますので死ぬ事はできません。私はボアを前にしても動けないと思いますがよろしくお願いします」


笑い声がここまで響いてくる。

実に不愉快だ。

「お前たち黙れ!笑い声が不愉快だ」


やっと静かになりましたね。

ハイエルフが()()()()()()を1人で歩き、シャーロット様にお願いをしに行った。

ヴィーネ様が横にいる事も当然知っているてしょう。


素晴らしい。

シャーロット様は心が折れた若者まで導く事が出来るのですか。

どうやって、彼にここまで教えたのか気になりますね。


「いいでしょう。しかし、何度恥を掻いてもいいのですか?今のように笑われ続けますよ?」

「恥を掻き続ける事は覚悟しました。最後に乗り越えます。誰にも笑われない戦士になります」


いい覚悟です。

戦士で恥を掻いた事のない人などいない。

当然の事なのに分かってない者共が笑っていた。


「シャーロット様とどんな訓練をしたのですか?」

「森で私が感じている殺気はただの観測でしかないと言われました。私はボアやグレートボアに勝てるつもりだったのです。それを見透かされたのだと思います。グレートボアの前に連れていかれて戦う事になりました。私は魔法すら放つ事ができませんでした。シャーロット様がこれが本当の訓練だと言いました。心を磨きなさいと言われました。何度も恥をかいて動けるようになる事から始めるべきだと言われました。それは1人ではできないが私が付き添っていては恥が足りない。長老にお願いするべきだと言われました」


なるほど。

そのようにして心を鍛えるのですね。

やはり森で隠れて生活していたのは失敗でしたね。


皆の前で恥を掻かせる。

何度も恥を掻き、それでも足掻き続けた先にこそ道は繋がっています。


鬼ごっこもそのつもりだったのかもしれません。

子供たちに負ける事を皆に見せつける事によって恥を掻かせる。

その恥を受け止めてもう一度鬼ごっこを国防隊からお願いする。


解散させて正解でした。


彼らは逃げた。

そして言い訳をし続けて正当化した。

技術を磨けば強くなれると言い訳をした。


討伐隊や国防隊は何度も機会をもらったのにまるで活かせなかった。

ディルクはヴィーネ様の殺気を感じた後でも頼みに行く勇気があった。

だからシャーロット様は丁寧に指導をしたのでしょう。

素晴らしい、本当に素晴らしいです。


「よろしい。魔法を使う事を禁止します。槍を使いなさい。それでも行く覚悟はありますか?」

「あります。遠距離で攻撃しても意味が無いと分かりました。よろしくお願いします。私は死ななければ構いません」


いい覚悟だ。

本当の訓練の意味を理解している。

回復魔法があるのが前提ですが、それでも十分でしょう。


「よろしい。今から行きますよ。ボアを1人で倒せるようになったらグレートボアです。どんどん魔獣を強くしていきます。体は槍で倒せるほど磨いたのです。次は心を磨く訓練です」

「よろしくお願いします」


戦士数人に初心者を入れた訓練を取り入れるべきですね。

動けない事を皆に笑われても、何度もボアを倒しに行ける者こそ戦士の素質がある。

隠れ住んでいた為、自己鍛錬しかしりませんでした。

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