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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第2章 多種族国家シェリル

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閑話 クリスタ 許せない現実

物凄い殺気を感じる。

ハイエルフの森の近くだ。


凄い訓練をしているね。

やっと真面目に国を守る気になってくれた。


国防隊が目障りで仕方なかった。

訓練はろくにしていない。

弱くて未熟。


教え子たちとの鬼ごっこでボロ負けした後に言い訳をさんざん言い触らした。

あれだけ言い触らせば子供にもシャーロット様の耳にも入る。


シャーロット様が企画した国防隊の為の鬼ごっこで言い訳をする意味が分からなかった。

反省する事がたくさんあると思うし子供たちの魔力の動きを見ていたら違いも分かる。

何故自分たちを強く見せようとするのか。


弱いから訓練しているんでしょ?


長老と訓練しているのかな。

ボコボコにされて泣きながら訓練すればいい。

内心でそう思いながら授業をしていた。


授業終了後、ディアナが私の所に来た。

「街長からの通達です。シャーロット様の考えた魔力操作は、ご自身の体を壊して私達の為に考えて下さったものである事を子供たちに教えて欲しいと」


何言ってるの?

当たり前の事じゃない?

あれだけの魔力を持っているのに、同じ操作をしている訳がないじゃない。


そんな事、教えなくても子供たちも理解していると思うけど…。


「何それ?当たり前の事じゃない。大魔力を持つシャーロット様が、人と同じように魔力を動かしている訳がないじゃない。訓練はかなりの代償を必要としたと思うわよ。そんな事は魔法を使う人には当たり前に分かっている事よ?マリアンネさんは魔法を使えないから分からないのかな?そんな常識を教えろなんてどういう意味があるの?」

「シャーロット様の献身を子供たちにも知って欲しいそうです」


「子供たちが一番知っているに決まっているじゃない。どれだけの孤児や奴隷を助けて来たと思っているのよ。皆、孤児院の子供たちと話して外の世界の怖さも現実も知っているのよ。孤児院にも学校にも偶に様子を見い来ては盛り上げてくれている。分かってないのは大人じゃないの?子供たちに教えるより大人に教えた方がいいわよ」

「クリスタ。もう、街の大人達は見放されているわ。区長に任されているのは運営と子供たちの教育を充実させる事だけなの」


なんで?

選別は何の為にあったの?

縋る大人たちを外に出す為じゃなかったの?


「意味が分からない。何でそうなるのよ?」

「ヴィーネ様が来て、シャーロット様は兵器だと思われている事を悩まれていると釘を刺しに来た。区長たちも街長も皆、当たり前に兵器だと思っていたのよ。大勢で攻められたら守ってくれる便利な兵器だってね」


「何よそれ?兵器だと思わせたくないから討伐隊や国防隊を作ったんじゃないの?今の国防隊は何の為に作ったのよ?ただ、シャーロット様の秘儀を知りたいだけの集まりで、結局戦うのはシャーロット様だって言いたいの?」

「ええ、そう思っていたみたいよ。だから、釘を刺された後に長老と訓練をする事にしたのよ」


どれだけのクズを集めたのよ。

区長の目も曇ってるんじゃないの?


「じゃあ、間に合ったんじゃないの?戦えるならいいじゃない。弱いなら鍛えればいいじゃない。どうして、街の大人たちが見放される結果になったのよ?」

「長老が国防隊を解散させたのよ。理由は誰も戦う気が無いから。長老が新しく組織するらしいわ」


意味が分からない。

何があったら長老が国防隊を解散させるのよ。

訓練をお願いしに行って解散させられるって滅茶苦茶じゃない。


「クリスタ。シャーロット様はね国防隊が目障りだったのよ。訓練もしない、いい訳ばかりする、戦う気も無いから」

「そりゃ目障りだと思うわよ。私だって目障りだったもん。弱い癖に自分達は選ばれたと勘違いしている。討伐隊と同じ事を繰り返している。だから、区長が隊長になって少しずつ変えて行こうとしていたんじゃないの?だから、シャーロット様も我慢していたんじゃないの?あれだけ色々手を尽くして教えていたのよ」


「違うのよ。国防隊全てが戦う気が無いの。シャーロット様の技術で力を付けて自慢をしたり、自分より弱い相手を甚振るつもりだったのよ。クリスタ、国防隊の全てよ。分かるでしょ!選別の時に私も色々考えさせられた。自分の仕事を頑張る事で残れた。私が見てもあれは酷かった。ヴィーネ様が殺そうとする程よ。シャーロット様が悲しむから全員の記憶を消したの。国防隊の全員をね」


じゃあ、さっきの殺気は選別で、結果は全員不合格。

戦う怖さもしらない勘違いが脱落した訳だ。


不合格を言い渡された隊員は呪いで他言無用にするはず。

それでは足りない程の酷い醜態。

そして、その中に区長も入っていたって事?


「あの犬、区長の分際で国を守る気も無いの?自分で集めて散々シャーロット様を振り回して、最後は自分すら不合格だっていうの?終わってるじゃない」

「そうよ、終わっているのよ。街長が区長を処分しようと考えていたのをヴィーネ様が種族対立になるからと止めたの。だから、その人は種族対立を生まない為に区長の椅子に座っているだけ。他の区長はそれを悟らせないようにする事になったの。だから、街長は子供たちに強調して教えて欲しいと思ったのだと思うわ。この国の大人は世代交代を待つだけの人で、現状維持以外は期待されていない。ヴィーネ様のお陰で敵前逃亡を防げただけ良かったという判断よ」


「分かったわ。レナーテには私から言っとく」

「ええ、よろしくね」


ディアナは忙しそうに去って行った。


これは怒りだろうか?


激怒する事はできない。

激怒すればシャーロット様が悲しむ。

理由もすぐに分かるに決まっている。

私が切っ掛けで孤児院だけを救う形になるかもしれない。


外から来た人程この国の有難さが身に染みる。

獣人は全員が外から来た人だ。

自慢したいだけの馬鹿しかいないのか?


確実に種族対立になる。

区長を含めた馬鹿たちが土地神様を侮辱し続けた。


何て意味のない伝達。

子供たちは既に知っているから強調して教える意味がない。

当たり前の事を強調すれば、それは不自然だから。


孤児院の子供を世話をしている大人には誰にも言えない。

確実に激怒するに決まっているから。

レナーテなんて本気で何をするか分からない。


討伐隊が壊滅したのは有名だけど国防隊の存在を知っている人は少ない。

形になっていなかったのが幸いしている。

ほぼ獣人しかいないのも幸いしている。


この気持ちのまま孤児院には帰れない。

中立派だと思っていたけどそれでも許せない。


何でもできる人がいたら神だと思う。

でも、シャーロット様はどう見ても陰で努力している。


だからこそ悩む。

土地神様と崇めている人たちが努力しないから。


ハイエルフの国を作ったのは意味があると思う。

人間同士で殺し合う。

獣人同士で殺し合う。

ハイエルフやエルフは被害者しかいない。


人間や獣人の大人を見放す気持ちが分かる気がする。

同族で殺し合いながら助けて下さいと喚く。


吸血鬼のシャーロット様からしたら馬鹿にしか見えないと思う。


子供は教育で変われるから助ける。

大人の奴隷は助けていない。

答えが出ているじゃん。


ずっと前から大人は見放されているんだよ。

人間と獣人の大人に限ってだけどね。


何で区長たちが偉そうにお願いしているんだろう。

願いを叶えてもらって侮辱するのか。

ほんと腐ってるね。


孤児院の子供たちと関われて良かったよ。

毒に汚染されずに済むから。

あそこだけは綺麗な空気だよ。


マリアンネさん教員室の意味があったよ。

このままでは帰れないから軽く寝てから帰る事にするよ。

まともな住民は誰でも怒る内容ですが、孤児院の大人だったら大激怒です。

クリスタも相当我慢しています。

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