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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第2章 多種族国家シェリル

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ハイエルフの国

この国に食糧は足りてきている。

あとは信頼できる人か…。


そればかりは時間をかけて見極めるしかない。

難しい問題だよ。


今できる事は何があるだろうか?

「ヴィーネ、この国に足りない物って何かな?」

「んー。戦力だよ!」


「鍛えてるけど大人は時間がかかるの」

「甘えだよ!母さんに甘えているの」


それは分かっているよ…。

だけど、少しずつでも成長してくれているから、()()()()()


「少しずつ成長しているからいいの」

「意地っ張りなんだから。母さんが鍛えればいいんじゃないの?」


「魔力の使い方をもっと教えろって事?」

「そうだよ。国防軍の体にね!」


何でそんなに凶暴なの?

私の魔力ってそんなに暴れん坊?


「教えてあげてもいいけど痛いだけで身に付かないよ」

「いいんだよ。母さんが痛い思いをして来たんだから。やり返しなよ!」


それ訓練じゃないから。

ただの復讐だから。


私の事を知り過ぎていない?


「何で私の知識も入っているの?」

「一生懸命に温めてくれたからだよ。全部入ってるよ」


「何ですと?じゃあ、この国を守っている理由も分かってるの?」

「途中で投げ出さないようにしているだけでしょ?」


完全に頭に入っているよ。

隠し事はできないね。


「とりあえずハイエルフの国を作っちゃおうか?無理やり召喚してもいいよね?」

「それは最高だよ。長老も大喜びかも。聞いてみようよ」


転移魔法(テレポート)

ハイエルフの集落に移動。


「長老。ハイエルフの国を作る時、全員を強制的に召喚したらまずいかな?」

「そんな事が可能なのですか?どうせ国を作るのです。攫われた子も含めて集めて頂けるのなら、私が全員を()()()()して見せます!」

「母さん。本気出すしかないね。やっちゃいなよ!」


ヴィーネはジェラ姉ちゃんを出抜けるから喜んでいる気がする。

私と姉ちゃんの2人の性格が混じった感じだね。


「仕方が無いか…。本気を出そう。その前に森を囲って魔獣退治しないと。ヴィーネやっといてよ。この国の隣に同じ広さでいいからさ」

「娘遣いが荒いなー。いいよ。やっておくから本気出してよね!」


「長老。本当にやってもいいの?」

「勿論です。よろしくお願いします」


「では、防護壁を越えて隣の森の空中に行こう」

「分かりました」


ごめんね。


お母さんの血を使うの一旦、止めるね。

ゆっくりと心臓が止まる。

銀髪が足下まで伸びる。


真祖の力を解放する。

視界が灰色に染まっていく。

世界中の生物が手中に納まているような感覚。


これで、この星の生命は全て把握できる。

地上も地下も空も関係無い。

全てを支配している。


ハイエルフとエルフは把握できる。


シェリル国の集落を除いて5000人くらいだ。

召喚魔法(サモンマジック)

念力(サイコキネシス)


「長老。だいたい5000人くらいだよ。どうする?」

「素晴らしい。本当に素晴らしいです。ヴィーネ様が防護壁の作成と魔獣の討伐を終わらせてくれましたので下ろして下さい」


地面に下りて念力(サイコキネシス)解除。

ハイエルフの集落との間の防護壁を消しす

これで大国家だね。


力の解放を止める。

ふぅー。


「長老。あとはよろしくね」

「ええ、任せて下さい!」


「皆の衆、ハイエルフをここに集めたのは攫われたりする弱き者が多過ぎるから、ハイエルフの国を作る為だ。文句のある奴は出て行けばいい。ここには安全な防護壁もあり侵入者もいない。それでも文句があるなら出て行きなさい。どうしますか?」

「そこにいる奴は吸血鬼じゃないのか?」


今の私を見て分かる人もいるんだね。

流石長命種だね。


「黙れ!何を偉そうな事を言っている。このお方がお前達を集めて下さったのだぞ。未熟者は口を開くな。族長以外は黙っていなさい。私の年齢は2000歳以上だ。それでも文句があるなら出て行け」

「母さんを馬鹿にすると本気で皆殺しだよ?力の差も分からないなら黙ってて!」


2人とも本気で怒っているよ。

私の為だから黙って聞いているね。


「その通りです。力の差も分からないから攫われる。実に情けない。このお方に何人のハイエルフやエルフを助けてもらったと思っているんだ。恥を知れ。族長達よ、ここに国を作って安心した暮らしをする気はないか?」

「私は賛成だ。だが、木が少し細く無いか?それ以外は全面的に賛成だよ」

「私もだ。攫われたハイエルフも呼んでくれている事にすら気付かない愚か者は黙っていろ」

「私の部族も攫われた子の気配がある。助けて下さったんだ」


「今なら木も太くしてあげるよ。どれくらい太い木がいいの?」

「そうですね。世界樹と言われるくらいの大きさの木があると安心出来ます」


世界樹?

聞いた事のない木だよ。


「長老。どれくらいの大きさ?」

「世界を見守ると言われる特殊な樹木で、ハイエルフにとっては神樹です。混沌期の大戦で失われてしまったのです」

「母さん。私の出番だね。創造(クリエイション)魔法(マジック)【世界樹】」


凄いよ。

失われた神樹すら創造できるんだ。


流石私の娘だよ!


「私は成長させるよ。魔力を上げれば成長しそうだ。世界一おっきくなーれ!」

「母さん。私は恥ずかしいよ…」


恥ずかしがられると私も恥ずかしいよ。

ヴィーネの顔が赤いのが本当に恥ずかしい。

ほんともう…。


100mまでは伸びたんじゃないかな?

それにしても大きくなったね。

凄い木だよ。


「これなら安心かな?」

「す、素晴らしい。これほどの事をして頂けるとは。感無量でございます」


長老が泣いているよ。

余程の事をしたんだ。

私の娘は。


自慢をしとこう。


「ヴィーネはジェラルディーンの知識を持った、()()()だよ!凄いんだからね!」

「母さん、本当にもう止めて。地面に埋まりたいよ…」


何を照れているのかな?

慣れが大事だよ。


「皆。私はこの姿があんまり好きじゃないから何かお願いがあったら言って。今なら大体出来るから」

「母さんは、お婆ちゃんの血を使いたいからね。その気持ちは凄い分かるよ」


本当に全部の知識が娘に入っている。

まぁ、可愛いからいいや。


「これ以上何かして頂けるのですか。ああ、シャーロット様。りんごの木を大量に植えて頂けませんか?それで十分です」


ヴィーネがりんごを取りに行ってくれた。

本当に優しい子だね。


「はい、母さん。りんご10個持ってきたよ。適当に散らばらせるね」

「ありがとう、ヴィーネ。よし、りんごの種よ、成長しろー!」


200本りんごの木を植えたよ。

もう、りんごの森だね。


「母さん、ちょっとは言葉を考えてよ。もう限界だよ…」

「何で?りんごも生ったし。ちょっと味見してみるよ…。うんうん、最高だよ!」


「長老。私達の役目はこの辺で終了かな?」

「ええ。十分にして頂きました。これでハイエルフは安泰です。ありがとうございます。私は引き続きシェリル国に住まわせて頂いてもよろしいですか?」


やっぱりお風呂かな?

お風呂を作ってあげた方が良かったかな?


「勿論いいよ。こっちに来たい人は、こっちに来たらいいし、好きな方で暮らせばいいよね。最後に魔法をかけておくね、範囲高位回復魔法(エリアハイヒール)。病気や怪我は全部治ったはずだよ。治ってなかったら、隣街の北にある社に来てね」

「最後まで、ありがとうございます」


同じ失敗は繰り返さないよ。


ハイエルフは戦ってるんだ。

怪我している人がたくさんいると思ったからね。


お母さん、皆をたくさん救えたよ。

また、お母さんの血を使うね。


心臓がゆっくりと動き出す。

やっと、私に戻った気分だよ。


「おお、腕が治った!」

「私の目も治ったわ!」

「素晴らしい。病気も怪我も部位欠損も治してしまうなど。本当に素晴らしいお方ですね」


「そうです。ここに住む皆は感謝しなさい」


流石に恥ずかしくなってきた。

私も限界だ。


「じゃあ、ヴィーネ帰ろうか」

「そうだね、恥ずかしいから帰ろう。転移魔法(テレポート)


社に帰って2人で寝転がる。

1人と違って少し温かい。


念話(テレパシー)

「隣にハイエルフの国が出来ました。皆、仲良く喧嘩しないでね」


念話(テレパシー)

「ジェラ姉ちゃん。ハイエルフの国は作ったから。もう、用済みだから」

「私の暇つぶしを何してるのよ!じゃあ、ハーピィの国を作るわ。見てなさい!」


実現したらハイディが喜ぶよ。


「ジェラ姉ちゃんが嫉妬してるよ。最高だね!」

「最高の結果だよ。母さんの勝ちだね!」


いい事をしたからとても気持ちいいや。

皆の笑顔が見れたからね。


「さて寝ようか…。布団1つしか無いよ」

「いいよ。一緒に寝ようよ」


昔もこうやって一緒に寝てたんだよね。


「そうだね。一緒に寝よう。おやすみー」

「おやすみー」

ジェラ姉ちゃんを嫉妬させるために親子で本気です!

長老はシェリル国に住みたいようです。

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