表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第2章 多種族国家シェリル

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/425

精米設計図と土地神様

ついにダミアンが設計図を持って街長室に来たみたい。

精米の設計図だよ。


これで、お米を擦る作業が軽減されれば食糧がさらに効率よく増える。

設計図を見るのが楽しみで仕方が無い。


ディアナに呼ばれたので走って向かう。

「ダミアン、設計図はどう?」

「シャーロット様、できましたが…。大きさと動かす為の力が大変なのです」


珍しくダミアンの歯切れが悪い。

どうしたのだろうか?


「動かす為の力が魔石の水力では無理だという事かな?」

「はい。本格的な川が必用になると思われます。大きさも3mほどの水車が必要です」


なるほど。

結構大きいね。


「気にせず設計図を見せてよ」

「はい。こちらになります」


ふむふむ。

川の力が必要な点と、置く場所を考慮する点が問題だけど、それ以外は問題ない。

水車を木で作り歯車とお米を擦る為のすり鉢の容器は鉄だね。

中心に穴が空いているから風の魔石で食べるお米以外を飛ばすんだね。


すり鉢の容器は50cmしかない。

お米を擦った後で取り外すようだ。


「マリアンネ、この国に川があっても問題は無いよね?」

「問題はありませんが川です。水を全て奪ってしまえば南の集落は全滅してしまいす」

「このような設計図ですみません」


「心配しなくても大丈夫。地下水を使う。地下水脈を私が探って川にするよ。そして井戸として使っていないかを確認する。最後は下水道に流してあげれば問題無いでしょ?」

「土地神様にしか出来ない荒業ですが…。水力が足りればいいのですが…」

「土地神様でしたね…」


心配性だな。

足りなければ魔石でも何でも追加すればいいんだよ。

いつも神様扱いするくせに心配性だよ。

私にできない事は()()()()()()


「よーし!ハイオークの集落に川を作りに行ってくるよ」

「私も見に行きます」

「設計した私も見に行きます」


歩いて集落まで向かい畑で仕事中のハイオに挨拶する。

「やあ、ハイオ。精米する為に川を作る事になったんだ。ハイオークの集落に川を引かせてもらうよ」

「はあ、言っている内容が大き過ぎて、私にはお願いしますとしか言えません」


皆こういう時だけ謙虚なんだよね。

普段も結構無茶なお願いされていると思うよ?


さーて、探知。

んー、やっぱり水が豊富だから水脈はたくさんあるね。

井戸として利用していない水脈も発見!


水脈の出口は海かな?

水脈の水を全て川に流すと土地が沈むかも。

でも、集落も何も無い場所だ。

沈んだらごめんなさい。



設計図を見ると、川幅1m、深さ50cmは必要みたいだね。

当然だけどハイオークの集落の近くにあった方がいい。

だけど街に近過ぎてもいけないね。


つまり、ハイオークの畑から川を作り森を通して下水道に繋げればいい訳だ。

子供が落ちても問題ないように鉄の網は必須だね。


地下水脈まで掘り、そのまま水を吹き上げさせたら大変だから、ドーム状のコンクリートで水を受けてから川に通そう。


土魔法(ウォータロード)

完全に水魔法の名前だよ。

口に出してないから誰も気付かないけど。

名前を考えた私は少し恥ずかしい…。


よし、コンクリートの川の道が出来た。


土魔法(ストーンドーム)

川の入り口にコンクリートで作る。

ここに地下水脈から吹き上げた水を当てる。

絶対に壊れないように強度はかなりあるよ。


まずは川に水を流そう。

水脈まで穴を掘る。

土魔法(ストーンホール)


当然コンクリートで作る。

よし、あとは地下水脈を止めよう。


どれ程の勢いがあるか分からないけど、強過ぎれば緩めればいい。

土魔法(ストーンブロック)


よし、川に水が流れた。

完璧じゃないの?


「ダミアン?流れの勢いはどうかな?」

「え、えっと大丈夫そうです。シャーロット様を甘く見ていました」

「私もまだ認識が甘かった様です。地下水脈を止めるとか意味が分かりません…」


あとは、設計図の水車を完璧にイメージする。

「よし、この場所でいいでしょう。いでよ、水車!」


召喚魔法のように言ってみたけど…。

みんな静かだね。


カタカタカタ。


水車は回っているんだよ?

喜ぼうよー。


「あのさー?できたんだけど何で無反応なの?」

「そうでしたね。水車も別に作る必要は無いのですね。流石です!」

「はぁ。何でいきなり川ができて水車が回るのですか…。はぁー」


マリアンネが疲れているよ。

これは大変だよ。


「マリアンネ、元気になる魔法を考えるよ。ちょっと待ってて」

「わ、私は元気です!あまりの事に驚き過ぎていました。とっても元気です」


「それならいいけどね。早速だけど試してみようよ」

「そうですね。ハイオ、擦っていないお米はあるか?」

「ありますが、どれくらい入れれるのですか?」

「5Kgまでなら大丈夫です。ああ、シャーロット様。この場所に風の魔石を置いて下さい」


「そうだったね。時空魔法(ゲート)、風の魔石を置いて完成」

「じゃあ、ハイオ入れてみてくれ」

「分かりました」


おおー。

回ってるねー。

シャリシャリいってるよ。


「シャーロット様、これは時間によってどれだけ擦るか決めなければいけません。途中では止まりませんので時間を決めて、お米を入れた容器ごと水車から外して下さい。そして、お米を取り出して水車の軸に合わせて戻して下さい」

「一度やってみて流れをハイオに見てもらおう」

「その方がいいですね。ハイオ、中の米の擦り具合がいい時間に教えてくれ」

「はい。分かりました」


大体20分くらいかな。


「このくらいが丁度いいです」

「では、最初は私がやりますね。回っているすり鉢は金属の鍵爪で引っ掛けてあるだけです。それを3ヵ所外してあげれば簡単に取り外し可能です。あとは、中のお米を別の容器に移してあげて元に戻します。軸に合わせる様に上手く嵌め込んで下さい。難しくはありませんので大丈夫です。その後、鍵爪を引っ掛けるのを忘れないようにしないと、すり鉢が外れてしまいますが、それだけですので事故にはなりません」

「凄いじゃないか。綺麗にお米がこれだけの量擦れている。ハイオ出来そうか?」

「ええ、素晴らしい水車です。これなら誰でも出来ますよ。白米と玄米の2種類用意します。どちらもお客様がいますからね」

「完璧だよ。ダミアン、素晴らしい設計だよ。今後もお願いね」


「いえ、今回は完全にシャーロット様の力ありきでした。人力では不可能でしたので、まだまだです。もっと研究を重ねたいと思います」

「いや、お前は大概人力では厳しい設計図をお願いしている事を忘れているだろ?」

「私もそう思うけど結果的にいい物ができたし問題なしだよ」

「流石我らが神様です。水脈すら思いのままだとは。信仰心が高まりますよ」


な、何だって?

信仰心が高まる?

ハイオークに神様認定されてるよ。


「ハイオに講習したのは誰かなー?」

「私がビアンカにお願いしておきました」


ビアンカーー!

私の事を授業で教えてるって聞いてたけど神様だって教えてないよね?

教えてそうな気がするけど止められない。

だって土地神様って言われてるから…。


わ、忘れよう。

私は吸血鬼。

お母さんの娘の吸血鬼だよ!


さて、ちゃんと下水道に繋がる水路に鉄網を設置。


念話(テレパシー)

「ハイオークの集落に川が出来たよ。幅1m、深さ50cmだから小さい子供は気を付けてね。流されてもちゃんと止まるように鉄網を用意してあるから心配はしないでね。でも、流されないでね」


この水は綺麗だし森の中に湖を作ってもいいね。

作っちゃおうか?


「マリアンネ。森の中に湖を作っちゃう?魚の養殖とか出来るよ?」

「そうですね。今は人がいませんので養殖できる人が来たら連絡しますね」


食糧問題がどんどん解決していくよ。

あとは、人手不足だよね。


子供を救助すれば世話をする大人が必要になる。

難しい問題だよ。


最悪は私の眷属にやらせるか…。

いや、本当に最終手段にしよう。

できれば今の形を崩したくないんだ。


あと20人くらいなら5人で大丈夫だと思う。

チェルシーが手伝ってくれるのは凄く大きい。


いい結果に終わって未来が明るくなったね。

ほとんどできます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ