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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第2章 多種族国家シェリル

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少しの救助

私は世界を知らなかったみたい。

そして、いつの間にか世界は変わっていた様だよ。


昔は奴隷という制度なんて無かったんだ。

みんな魔獣から身を守るのに必死だったんだよ。


魔獣から身を守る壁を作ったから奴隷が生まれたのかな?

自分の身の安全が保障されたらから他者を見下すのかな?

分からない事だらけだ。


それは、もう考えないようにすると決めた。

シェリル国に奴隷はいないから。

それで十分だと思う事にした。


これから少しずつでも奴隷や孤児となった子供たちを助けていく。

やっと私の願いが叶う。


ずっと人を見て来た。

大人になってから変われる人は少ない。


子供の頃の教育が大切なんだ。

だから、子供を一番大切にするべきだ。


この国の人たちはそれを良く分かっている。

それだけで、この国の未来は安心だ。


他国による不安が残るなら周りの国を全て滅ぼせばいい。

シェリル国を守る為なら平気で皆殺しに出来るよ。


さて、まずは攻めてきた国だ。

国の名前を覚える気も無いし知らない。


シェリル国だけ知っていれば十分だから。


転移魔法(テレポート)

街長室に移動する。


「マリアンネ、一緒に攻めて来た国に行く?」

「そうですね。今の現状を見てみたいので連れて行って下さい」


王族と貴族が死んだ後どのような事になっているのか気になるのかな?


「よし、行こう。転移魔法(テレポート)


城壁を壊したりはしていなのだがかなり荒れているようだね。

暴動でも起きたのかな?


「マリアンネ、暴動が起きたような感じだね」

「奴隷たちが暴れ出したのかもしれませんね」


まずは長命種を探す。

やはりいるよ。


人間は見た目と珍しさで人を攫うと良く分かった。

必ずいると思っていた。


騒がしいのは嫌だな。

念力(サイコキネシス)


召喚魔法(サモンマジック)

長命種と悲しんでいる人を集める。

ハイエルフに獣人に鳥人?


「マリアンネ、鳥の人がいるけど知っているかな?」

「恐らく、ハーピィという種族です。温かい地方に住んでいると聞いた事があります」


私はハーピィの記憶を覗く。

親の記憶はないね。


最低だよ。

積み荷の様に運ばれてきている。


それ以上深くは探れないな。

誰が攫ったか知りたかったが仕方が無いか。


皆の記憶を覗く。

やはり獣人は親を殺されている。

冒険者組合が関連しているのかな?


次は冒険者組合の事を検討しよう。

状況次第では皆殺しだよ。


ハイエルフも親の記憶はない。

皆を話せるようにしよう。


「突然呼び出してごめんね。君たちを救いに来たんだよ。この国から出て飢えの無い楽しい国で暮らさない?君たちの記憶を見たら親の元に帰してあげられないんだ。どうかな?」

「お願いします。私たちを匿ってくれたお姉ちゃんを救って下さい」

「お願いします。一緒に生活をさせて下さい」


獣人の子たちが言うお姉ちゃんか。

誰だろうか。


「ちょっと記憶を覗かせてもらうよ。君たちを匿っている人だよね」


獣人の子に手を置いて記憶を探る。

懐かしい気配な気がする。

人間の女性だ。


召喚魔法(サモンマジック)

呼び出した女性も話せるようにしよう。


「ごめんね。皆を助けに来たんだけど君もどうしても助けたいってこの子たちが言うんだよ。どうかな?一緒に私達の国に来る?」

「はい。お願いします。この国は奴隷だった人と平民だった人が勢力争いをしていて、とても危険な状態なんです。私は弟を亡くしました。ですから、子供たちだけはなんとか助けてあげようと隠して生活していました。他の子もいるんです。その子たちも助けてあげて下さい」


「分かった。記憶を見せてもらうね」


なるほど。

この女性は子供たちの保護を一生懸命にしていたんだ。

種族も関係ないようだ。

こんな国にもこういう人がいるんだね。

残っているのは人間の子供が5人だね。


召喚魔法(サモンマジック)

「今いる皆と新しく来たこの子たちで全員かな?」

「はい。私が匿っていた子は皆揃っています。その鳥の子は分かりませんが…」


その子はずっと籠にいれられていた。

隠されていたから気が付かなかったのだろう。


全部で30人だ。

孤児院で保護できる人数だ。


「あなたの名前を教えて欲しい。私はシャーロットだよ。もし良かったら孤児院で働かない?」

「私はチェルシーです。この子たちと生活できるなら働きます」


チェルシーか…。

お母さんに似てる気がするんだよな。

まあ、気にしても仕方が無いよね。


国の皆を動けるようにして転移魔法(テレポート)


「ここが孤児院だよ。みんな今日からここで生活をしてもらうね。勿論お腹いっぱいご飯が食べられるから心配しないで。チェルシーはここで働いてもらうけどいいかな?」

「勿論です!」


「みんな中に入って。綺麗になってお腹いっぱいご飯を食べよう」


孤児院の扉を開けて中に入る。

「カーリン、今日から新しく仲間になる子たちと一緒に働いてくれるチェルシーだよ。服と靴は足りないよね。どれくらい欲しいかな?」

「服は10人分あれば十分です。靴は後から買いに行った方が手間がなくていいので服だけお願いしてもいいでしょうか?新しく働いてくれる仲間は助かります。早速ですが皆をお風呂にいれて綺麗にしてあげましょう。お風呂はこちらにありますので手伝って下さいね」

「分かりました。よろしくお願いします」


カーリンは本当に手馴れているね。

結婚しないのかな?

結婚してもここで働いて欲しいけど口にはできないね。


私が口に出すと命令になっちゃうから。


「マリアンネ。手続きの方をよろしくね。私は服を買いに行ってくるよ」

「分かりました。子供30人追加ですね。そのように手配をしておきます」


マリアンネはそう言って街長室に戻って行った。


転移魔法(テレポート)

「おばちゃん。子供服上下と下着3セットを10人分お願い。靴は後から30人買いにくるから金額に入れて」

「また、大量ですね。事前に聞いていたので仕入れておいて良かったですよ。25万ギルでどうでしょうか?」


安くしてくれている気がする。

いつも安い値段を言うんだよね。


「駄目だよ。おばちゃんには元気に働いて欲しいから。これからもよろしくね」

おばちゃんに30万ギル手渡した。


「甘えさせて頂きます。頑張って仕事を続けますね」

「お願いね。子供は国の宝だから」


服を持って孤児院に転移魔法(テレポート)する。

「カーリン、服はここに置いておくよ。あと、ハイエルフの人たちは選べるから長老に声を掛けておくね」

「よろしくお願いします。あー、動かないで。こらー!」


念話(テレパシー)

「長老。ハイエルフの子を5人保護したよ。孤児院に来てくれない?」

「分かりました。ありがとうございます」


洗い終わって立ち尽くしている鳥の子がどうしても気になったので声を掛けた。

「君の名前は何て言うのかな?」

「名前って何かな?」


「何て呼ばれていたの?」

「鳥って呼ばれていたよ」


殺そうかな。

殺しておくべきだ。

運搬に関わった人までは見えたはず。


「ちょっと記憶を覗かせてね。闇魔法(デス)。じゃあ、私が名前を付けてあげるよ。今日から君の名前はハイディだよ。私はシャーロットよろしくね」

「私はハイディ?覚えるよ。シャーロット。よろしくね」


「こらーー!シャーロット様を呼び捨てにするなーー!」

「ハイディだよ。シャーロットに名前を付けてもらった」


カーリンは怒っても優しいんだよね。

なんだろうか、優しく怒っていると言えばいいのかな?


不思議な女性。

いや、天使だから当然だったよ。


「ハイディ。シャーロット様はとても偉いんだから様を付けないといけないんだよ」

「分かった。シャーロット様だね。私はハイディだよ」


ハイディは名前を気に入ってくれたみたいだね。

ずっと呼んでるから良かったよ。


「シャーロット様、服をありがとうございます。みんな服を着替えるよ。綺麗な服を着てね」

「「うん…」」


まだ元気がないね。

大人たちから隠れて過ごしていたんだ。

すぐに慣れると思うから休ませてあげよう。


「ほら、元気出しなさい!こんな環境は他には無いと思うわよ。早く着替えなさい!」

「分かったよ。怒らないでよチェルシー姉ちゃん」


怒られちゃったよ。

チェルシーも天使かな?

2人も天使がいたら孤児院は安泰だね。


「お待たせしました。シャーロット様」

「待ってないよ。ちょうどお風呂から皆が出たから話そう」


「ハイエルフの子はここに集まって。ここにいるのがハイエルフの長老で2000年も生きているんだよ。皆はハイエルフの集落で過ごす事も出来るけど、どうしたいかな?」

「私たちは人とは寿命が違います。ハイエルフの集落でお世話になってもいいでしょうか?」


この人は攫われたんだろう。

自分の子もいるし一緒に過ごしたいよね。

ハイエルフの集落の方が安心できるのも分かるよ。


「勿論構いませんよ。シャーロット様。家を二軒だけお願いします」

「分かったよ。すぐに行こう。転移魔法(テレポート)


ここは、りんごの木がある場所じゃなくて、りんご林になっているよ。

みんな喜んでいるからいいけど、お祭りでリンゴ飴を買えなかった人がいたのか…。


おじさん頑張って540本も用意したらしいのに…。


もう1人じゃ絶対に無理だよ。

次のお祭りは最低1000本用意するらしいよ。


リンゴ飴の本数を区長会議で決めるとかおかしいよね。

絶対に人を出してもらわないと。


「ここのりんごは好きに食べていいよ。とても美味しいよ。さて、どこの木に家を作ろうか?」

「あちらと、あちらの木にお願いします。3人は親子ですね。残る2人も一緒に生活させた方がいいでしょう」


長老も分かるようになったんだ。

流石長老だよ。


「分かったよ。木魔法(ウッドハウス)木魔法(ウッドブリッジ)・・・・」

「ありがとうございます。これで十分です」


「5人を後から服屋に連れて行ってあげて。お金は払ってあるから靴を選んであげて欲しい」

「分かりました。丁寧に対応して頂きありがとうございます」


「じゃあ、孤児院に戻るね。またねー。転移魔法(テレポート)


孤児院に戻ってカーリンに尋ねる。

「カーリン、まだ1階だけで生活できるかな?」

「前もって2階建てにした方がいい気がしてきました。今のうちにお願いします」


「みんな外に出てー。孤児院を2階建てにして学校と同じくらいの大きさにするから」


お風呂の蒸気と台所の蒸気は煙突で外に出そう。

石の煙突がいいね。


設計図は頭の中に出来た。


「カーリン、準備はいい?」

「はい。問題ありません」


「孤児院。私のイメージ通りに、なれー!」


完璧だよ。

台所の蒸気とお風呂の蒸気を煙突に流す様に出来ている。

煙突から雨が入らない様に屋根も付けてある。

階段も2階にちゃんと行けるようになっている。


全部イメージ通りだ。


「何ですかそれは?まさか…、魔法ですか?」

「神の奇跡です!」(拝んでいる)

「シャーロット様は土地神様です。家を大きくするくらい簡単なんです」


恥ずかしいからやめて。

いつの間にレナーテが帰って来たの?

いつも通り拝んでいるけど病院に行っていたのかな?


どちらにしろ恥ずかしいから…。

本当に恥ずかしいから気にしないでよね。


「カーリン、果物とお肉はあるかな?」

「はい。最近、孤児院の食糧は充実しています。どんな人種が来ても問題ありません」


流石だよ。

マリアンネが手配したんだね。

もう、国長でいいんじゃないのかな?

でも、私が命名しようとすると悲しむから止めてるんだ。


昇格なのに不思議だよね。


皆が戻って来たね。

「物凄く大きくなってるよ。学校と同じくらいだ」

「とんでもない大きさだよ。何人仲間が増えるかな?」


私は皆に声をかける。

「今日新しい仲間が増えたよ。初めての人種ハーピィもいるから仲良くしてね」

「「はーい!」」


孤児を増やし続けるのは良くないと思うから様子見しよう。

まずは、皆が落ち着いてからだね。


そして、余裕があるようなら、また救いに行けばいい。

私が動き過ぎて、せっかく出来た仕組みを壊したくない。


ちゃんと皆の様子を見て、意見を聞いてから次の救助に向かおう。

これからも、国の負担にならないように少しずつ救って行けばいいと思う。

少しずつ動き出します。

孤児院に天使が増えました。

徐々に信者になります。


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