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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第2章 多種族国家シェリル

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閑話 ハイモ 温かさ

俺はシェリル国に移住したハイオークの族長だ。

シャーロット様に名前を決めて欲しいと頼まれたのでハイモと付けた。

分かりやすいだろ?


それにしても、この国は凄いと思う。

他国と比較出来ないが別の世界に迷い込んだようだ。


シャーロット様が凄すぎる。

ご本人も言っていたができない事はほとんど無いと思う。

間近で見ていたが信じられない事ばかりだった。


魔法でここまでの事が出来る事を今まで知らなかった。

できる人もほとんどいないと思うが…。


稲が育つまでの一月の間、本当に食糧を用意してもらった。

俺たちは基本的に肉は喰わない。

飢えていたら別だがハイエルフに近い食事だ。


面倒な相手だと思われないか心配だった。

しかし、果物や野菜と言った食糧をどんどん提供してくれる。


驚きだった。

俺たちはハイオークだ。

嫌われ者のハイオークなんだよ!


誰も嫌な視線を向けない。

偶に子供たちが見に来るが嫌な視線じゃない。

新しい住民を珍しそうに確認しに来ただけのようだ。


大人たちからも嫌な視線を感じない。


獣人も多くいる国だ。

犬や猫の獣人が多い。

なのに、避けられないんだ。


俺が今まで出会ってきた奴らは何だったんだろうか?

代々と受け継がれている話の通り俺たちを見下す奴ばかりだった。


米を売りに行っても買うどころか、村の中に入れてさえもらえない状態だったんだ。

この国はこの時点で明らかに違うと分かった。


でも、育てた米を食べてもらうまでは不安だった。

どれだけ綺麗な家を用意してもらっても。

畑を整えてもらっても。


育てた米を食べてもらえなければ不安だったんだ。

本当にただの杞憂だったようだ。

普通なんだ。


みんな普通に食べるんだ。


味の感想も言うし米を擦る作業を人力ではなく水力でやろうとしている。

積極的に米を国の食糧として受け入れてくれたんだ。

俺はとても嬉しかった。


普通に皆が食べてくれただけで嬉しかったんだ。

俺たちが握った握り飯も食べてくれた。

本当にこの国に差別は無いんだと思えた。


やっと安心出来たんだ。


それからは米を一生懸命に育てるだけだ。

難しい事じゃない。


仕事終わりのお風呂はたまらんよ。

体の汚れを落としゆっくりお湯に浸かる。

本当に1日の疲れが取れるようだ。


とても気持ちがいい。


子供たちも学校に通い始めた。

心配していたがすぐに馴染んだ様だ。

帰って来た時の顔も問題があるようには見えない。


泥だらけで帰って来た時は一緒に遊んで来ただけのようだ。

病気で諦めていた時に現れたシャーロット様で世界が変わった。

本当に別世界に連れて来てもらったんだ。


俺たちが頑張れば多くの子供を救えるらしい。

とても凄い事だと思う。


頑張るしかないだろ?

俺は毎日一生懸命に働くぜ。

皆も一生懸命に働いている。


米も適正な値段で買い取ってくれている。

俺達たち生活できるように、色々な買い物ができるように、考えてくれている。


今まで差別に遭ってきた。

それは間違いない。


差別が無くなったとは思わない。


でも、この国では差別がない。

少なくともシャーロット様がいる限り絶対に無い。


それだけで十分だ。

それだけは絶対に信じれるんだ。


俺たち大人は子供のように簡単に過去を忘れられない。

でも、シャーロット様を信じる事ができればそれでいい。


簡単に信じすぎていると思われるかもしれない。

だが、そう思わせてくれる温かさがあの方にはあるんだ。


人を疑い続けるのは疲れる。

俺は疲れていたのかもしれない。

簡単に信じてしまったのかもしれない。


しかし、俺の判断は間違っているとは思わない。

一月の生活だけで実感した。


この国は違う。

住んでいる人も違う。


何故なら神様がいる国だから。

シャーロット様は俺たちの神様なんだ!

ビアンカの思惑通り?

シャーロットがいる限り差別はありません。

殆どの住民が差別とは無縁の生活をしていたので生まれにくい環境です。


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