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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第2章 多種族国家シェリル

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ハイオークの住居と畑の準備

「族長は何て名前なの?」

「私たちに名前はありません。私は一番年齢が上ですので族長となっております」


それでは、学校に行った時に子供たちが困るよ。

友達に名前がなかったら呼べないからね。


「じゃあ、子供たちが学校に行く前に全員名前を付けておいて。友達が出来た時に名前が無いと大変でしょ?必ず付けてね」

「友達ですか…。分かりました。子供たちの名前を優先して決めます」


友達は出来ないと思っているのかな?

半月もすれば一緒に遊んでいると思うけどな。


「それと、お風呂に入ったりはしているかな?」

「お風呂とは何でしょうか?」


「温かい水で体を温めたり体を洗う場所だよ」

「いえ、基本は水浴びだけです」


じゃあ、お風呂は作ってあげよう。


「トイレはどうしているのかな?」

「川でしていましたがここでは難しそうですね」


なるほど。

川でしてお尻を洗ったりもしていたのかな?


じゃあ、トイレも用意してあげよう。


マリアンネが来たね。

「お待たせしました」

「この人が族長さんだよ。名前は無いんだって。子供たちが学校に通う前に決めてもらうようにしたから。あと、稲という作物を作るのに川の水が必要みたい。ついでだから国を拡張するけどいいかな?500m先に川があるから、川まで寄せて水を引き込めるようにするつもりだけど」


「シャーロット様の好きなようになさって下さい」

「分かったよ。族長、稲はどれくらいで育つのかな?」

「魔法の力を使わなければ半年程かかりますが、魔法の力を使って一月で収穫しています」


「素晴らしいね。食糧がいっぱいだよ。マリアンネは稲を買い取ってあげられる準備をしてあげて。妖精の時と同じ流れでいいと思うからさ」

「分かりました。ところで、稲はどうやって食べるのですか?」

「それは、お米という粒がとれるんだ。温めるとそのまま食べれるよ。塩をかけたりすると美味しい。何度か食べる為に必要な準備と、食べ方を実演した方が良さそうですね」


「そうして頂けると助かります。お米の値段も決められませんからね。税金はハイエルフと同じですか?」

「そうだね。もし、街に住みたいと思ったら税金を払ってもらう事にするよ。私が準備した家に住んでいる間はお金を払う必要は無いよ。今後も招待して来た人たちは同じ扱いにしてね」


「分かりました。そのように手配します」

「私たちはただで住んでいいのですか?お米を売って好きな物を買ってもいいのにですか?」

「そうだよ。私が招待したしここは街の中じゃないからね。街は色々と便利だから住みたくなったら住めばいいよ。ただ、働いたお金の中から街にお金を払う必要があるけどね。そのお金を使って色々と整備したりしているからさ」


さて、やりますか!


「じゃあ、今から準備するから。少し待っててね」

「分かりました」

「ああ、始まるのですか…」


なんで1人残念そうなのかな?

ここは、喜ぶところだよ。


念話(テレパシー)

「今から国の範囲を西に500m広げます。西の防護壁の近くにいる人はすぐに移動してね」


探知範囲拡大。

んー、500m国に入れると魔獣が入ちゃうね。


「ちょっと待っててね。魔獣が3匹入っちゃうから狩ってくるよ」

「シャーロット様。それは、国防隊に任せて下さい」


マリアンネに考えがあるのかな?

国防隊の訓練もかねているのかも。


「分かったよ。じゃあ、住民に被害が出そうになったら手を出すからね」

「はい。お願いします」


念話(テレパシー)

「西に国を広げると魔獣が3匹入るよ。国防隊は討伐をお願いね」


今ある防護壁を消して。

土魔法(ストーンウォール)

防護壁を500m先の西にある川にぎりぎりまで寄せる。


魔獣討伐の確認をしてから次の作業をしよう。

国防隊の動きを見ると魔獣の場所は把握しているみたいだね。

これなら問題なさそうだ。


「族長、畑の広さを教えて。どれだけあればいいのかな?」

「この森の中に畑を作るのですか…。本当に桁違いですね。縦200m、横300mでお願いします」

「桁違い過ぎるんですよ。ああ、辞めたい」


魔獣も無事に討伐したね。

住居と畑の範囲にも入ってなさそうだ。


範囲の木を全て消してもいいけど勿体無いね。

木材として利用してもらおう。


念力(サイコキネシス)

範囲にある木を全て抜き取る。


風魔法(エアスラッシュ)

葉が生い茂っている場所や枝や根を切断する。


闇魔法(ブラックホール)

切断した枝や葉や根を吸収する。


森の中に並べておこう。

「マリアンネ、あの木材は自由に使っていいからね」

「はわわわ…」

「ええ。本当に自由ですね」


何か意味が違う様に聞こえるよ。

私の事を変人だと思っているのかな?


「族長。水を引き入れるという事は深さが必要だよね。どれくらいの深さがあればいいのかな?」

「50cmあれば大丈夫です」


防護壁に沿って畑を作った方が便利そう。

範囲土魔法(エリアストーンホール)


「族長、こんな感じでいいかな?」

「はあ、大丈夫です。あとは、水の引き入れを自由に出来る状況にして頂けたら畑が出来ます」


自由に引き入れか。

川と畑を繋ぐことは簡単だけど、水の流れを止めるのが大変だよね。

防護壁から少し離した所に鉄の柱を2本立てて、鉄板で水を止めれるようにしよう。


「ここは、私のイメージで…。鉄の柱2本に鉄板、出てこーい!」

「えっと…。今のは何でしょうか?」

「族長、気にしたらいけません。相手は土地神様です」


「族長、この鉄板を上げれるかな?」

「1人では少しきついですが2人なら大丈夫ですね」


「じゃあ、鉄板を放してね。土魔法(ストーンホール)


これで、川の底から鉄板まで穴でつないだ。

大きな穴じゃないから、密偵は侵入出来ないし気付かない。

防護壁は水では欠けないから広がる心配も無い。


「族長。もう一度、鉄板を上げてみて」

「はい。ああ、これはまさか…。川の水ですか?」

「本当に土地神様ですね…。その力で国長を決めて下さいよ」


全く関係ない事を言ってるよ。

国長を決めるのは街長の仕事だよ。


「水の量は鉄板の下に木を置いたりして調節出来るよね?畑に必要なものはこれで全部かな?」

「はい。すぐに仕事を始められます」


そうか。

あとは住居とお風呂だね。


「じゃあ皆の家を作るよ。何軒欲しいの?」

「家は二十軒ほしいです」


木魔法(ウッドハウス)・・・・。

トイレも作って直接下水管と繋いだ。

水も飲めるように北西区の上水道の補助管と繋いだ。

台所も作って火の魔石を2個置いておいた。


お風呂を各家庭に作ると水の供給が足りなくなる可能性が高い。

共用のお風呂で我慢してもらおう。


「さっき言った体を洗うお風呂だけど、ハイオークは男女で裸を見せ合うのを気にするのかな?」

「特に気にしません」


じゃあ、家と畑の間にお風呂を作ろう。

ハイエルフと同じ様にすれば大丈夫かな。

流石に大きさは半分にするけどね。


イメージは完璧に頭にある。

「よーし、5mのお風呂設置。あと着替える為に木魔法(ウッドハウス)


完璧だよ。

お風呂の排水は下水道に繋いだ。

各種魔石も用意したし、温度調整もできるように余分に置いてある。


「完璧に準備したつもりだけど、どうかな?お風呂に入る時は今作った家の中で着替えてね」

「気にするところがそこですか?流石です。何故土地神様なんですか?神様でいいじゃないですか」

「はあ…。家も以前住んでいたものより綺麗になりましたし、畑にお風呂で、頭がついていけません」


また、関係無い事言ってるよ。

土地神でもちょっと嫌なのに…。

神って更に格上になってるじゃない。


「ちゃんと家の中で水も飲めるようにしておいたし、トイレも用意したよ。マリアンネ。ハイオークは全員、講習を受けた方が良さそうだね。たぶん、何も分からないと思うんだ」

「そうですね。講習の準備をしておきます」


「そういう訳だから。1回は皆で街の決まり事や家の使い方を聞いてね」

「分かりました。その通りにします」


私は子供達の格好を見て、これでは駄目だと思った。

草で作った服では学校で浮いてしまう。


「ちょっと子供は全員ここに集まって」

「おい!子供たち全員集まれ」


10人だね。

「今から君たちの服を買いに行きます。その前にお風呂に入って体を綺麗にしてね。病気を防ぐ為には毎日、体を綺麗にする事は大切なんだよ」

「子供たち。言われた通りにお風呂に入って体を洗ってこい」

「「分かりました!」」


20分くらい待ったかな。

子供たちがお風呂ではしゃいでいる声が聞こえるよ。


「お前たち!遊んでないで早く出てこい。いつまで待たせるんだ!」

「「分かりましたー!」」


族長に怒られちゃった。

子供たちが喜んでいる分には特に何とも思わないんだけどね。


「綺麗になったね。じゃあ、服を買いに行くから子供たちは付いて来て」

「分かりました」

「失礼の無いようにしろ!」


族長が厳しい事を言っているけど気にしなくていいのに。

中央区の近くにある、おばちゃんの服屋に来た。


「おばちゃん。この子達10人の服上下と下着を3セットに靴をお願い」

「また、大量のお買い物ですね。皆、靴は自分の足に合ったのを履いて確かめて頂戴ね」

「「はい。分かりました」」


子供たちが緊張しながら靴を履いたり服を着たりしている。

そんなに緊張しなくても誰も差別なんてしないから大丈夫だよ。


「おばちゃん、いくら?」

「こんなに買ってくれましたから、10万ギルでいいですよ」


15万ギルを手渡した。

「ハイオークの親達が来た時には少し安くしてあげてね」

「分かりました。毎度多めに払って頂きありがとうございます」


「気にしなくていいよ。私にお金の使い道はほとんど無いからさ。皆、着替えたね。じゃあ、帰るよー」

「「分かりました!」」


私たちは歩いてハイオークの集落まで来た。

これで、子供たちも服屋を覚えたよね。


「族長、子供たちに服を買ってきたよ。学校に行くと今の格好では浮いてしまうんだよ。だから、先に買っておいたんだ。大人たちはお金を稼いで服を買ってね」

「分かりました。綺麗な服に靴まで…。ありがとうございます」


「あとは、マリアンネに任せても大丈夫かな?」

「はい。講習の予定日を決めるだけです。子供たちはすぐに学校に通えそうですので、問題はありません」


「じゃあ、あとはお願いね。作物が取れるまでのご飯は面倒見てあげてね」

「分かりました」

「何から何までありがとうございます」


族長が物凄く丁寧に頭を下げているよ。


「気にしなくていいよ。君たちの作物がたくさん取れるようになれば、子供たちが多く救えるよ」

「分かりました。精一杯働きます!」


たくさんの作物で、たくさんの子供達が救えたら、それだけで幸せだよ。

子供達はすぐに友達になれますが、格好が浮いていたら可哀想ですからね。

シャーロットはその辺は敏感です。

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