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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第1章 シェリル

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閑話 フーゴ 譲れない思い

俺はしがない菓子屋の親父さ。

だが、最近の忙しさはちょっとばかし、きつい。


妖精が毎日のようにお菓子を買いに来る。

あれは、特注で作っているものだから手間と時間が掛かる。


まあ、喜ぶ笑顔が見れるし、すぐに売り切れだから嬉しいもんだぜ。


だが、お祭りのリンゴ飴はちょっと違う。

あれは、菓子屋として()()()なんだよ。


分かるか?

この国の()()()()と言われているシャーロット様。


基本的に何も食べないんだ。

しかし、誰もが知っている確実に食べる物がある。


それが、祭りの時の【リンゴ飴】なんだよ。


リンゴ飴が売り切れないようにりんごの木を大量に植えちゃったんだぜ?

絶対に売り切れにする訳にはいかねえだろ。


シャーロット様が買えずに下を向いた日には国中からボコボコだよ。

生きてられるか分からねえ。


だからって、シャーロット様用に1つ用意しておく訳にはいかないんだ。

そんな事をすればシャーロット様が確実に悲しむからだ。


妖精女王が1つで5人分あると言っていた。

それは、俺のプライドが許さない。

1人1個を買って食べてもらうのがリンゴ飴ってもんだろうが。


りんごを4等分にして1個50ギルで売る。

確定だ。


俺はやると決めたんだ。


だが、リンゴ飴。

いったいどれくらい売れるか予想がつかない。

妖精が全員買ったとして119個。(りんご30個分)


しかし、妖精が1つしか買わないとは限らない。

いつもお菓子の取り合いをしているんだ。

倍は用意しておく必要がある。

つまり、りんご60個分。


そして、街の子供たちがおよそ100人。

絶対に全員買うんだ。

絶対なんだ!


最低でも150個は用意しておきたい。

今回からハイエルフもいる。

更に大人も買うから油断できない。


倍の300個は用意するべきだろう。


まずは、りんご360個を優しく洗う。

もともと無農薬だ。

傷付かないように洗うだけでいい。


シャーロット様が植えたりんごは特別に美味いんだ。

何故か分からないが美味過ぎるんだよ。


俺の中でりんごの味が変わったよ。

他のりんごは食べられないね。


俺は食べながら仕事をするぜ。


そして、りんご60個を4等分に切る。

このりんごは種も綺麗に取る必要がある。

正直きつい。


小さいリンゴ飴240個。

大きいリンゴ飴300個。


計540個だ!


そして、飴を絡める所が最難関だ。

一度に全部の飴を火にかけると焦げ付く可能性が高い。


1回で20個の小さいリンゴ飴。

1回で10個の大きいリンゴ飴。


つまり12回と30回で42回だ。

失敗はできない。


これで行くしかない。

考えると頭がおかしくなりそうだぜ。


だが、俺はやる。

皆の笑顔の為に、シャーロット様の笑顔の為に、俺の腕はどうなってもいいんだ。

熱い心を持ったお菓子屋のおじさんです。

彼の腕は大丈夫でしょうか?

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