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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
番外編

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シャーロット 団欒

今日も賑やかだね…。

お母さん、社は温かくて楽しい場所に変わったよ。


ヴィーネが産まれてから少しずつ変わって、今では部屋が狭く感じる程だよ。

でも、部屋を広くしたいとは思わないんだ。


個別の部屋を用意してもいいと思うのだけれど、特に誰も望んでいない。

みんな同じ部屋でいつものように話しているのが好きなのだと思う。


愚痴が多いけどね…。


「もー!また負けました。どうして点を取られるのですか?私が点を取っても意味がないです!」

「今日も負けたの?フェニックスが悪いよ。そろそろ考え方を変えるべきだね」

「フェニックスが何点取っても、それ以上に点を取られたら負けるのだから作戦を考えないと。負けたのを人のせいにしたら駄目だよ。フェニックスが中心となって作戦を考えるべきだからね。皆フェニックスに遠慮して普段のように動けていないだけじゃないの?」


いつもと一緒で球蹴りの愚痴だね。

フェニックスがヴィーネとウィーノに窘められるのもいつも通りだよ。


「シャーロット、聞いて下さいよ。ヴィーネとウィーノが私の責任にするのですよ?おかしいですよね?」

「うーん…。皆がフェニックスに遠慮しているのは間違いないよ。フェニックスが中心となって作戦を考えるようにしないと誰も何もフェニックスには言えない。フェニックスが意固地に点を取る事ばかりに囚われていたら勝てないままだよ?フェニックスは上位種だから皆の事を考えてあげるのも大切だよ。皆を楽しませてあげたり勝利に導いてあげたりしないとね。できるでしょ?」


「私だって頑張っているんです!でも、皆が私に遠慮してしまうのを止められないのですよ。何故か私と同じ組になると緊張しているみたいなのです」

「フェニックスが負けたら怒るからだよ。余り続けていると球蹴りする人がいなくなっちゃうよ」

「悔しいのは分かるけど我慢も大切だよ。フェニックスが怒ったら皆が怖がるのは当然だからね。感情制御も訓練しないと駄目だよ」


フェニックスは感情を素直に表に出すからね。

子供たちは遠慮しちゃうよ…。


「勝ったら嬉しいですし、負けたら悔しいのは当然ではありませんか。もー!私ばかり我慢するのですか?酷いですよ!」

「それは違うよ。フェニックスより皆の方が我慢しているんだよ。私たちに言いたい事を言える人は少ないからね。だから、こちら側から寄り添ってあげないと駄目なんだよ。フェニックスは試合で負けて言いたい事を言っているけど、周りの子は何も言えないでしょ?ヴィーネは明日フェニックスと球蹴りで勝負してきなさい。ウィーノはフェニックスの組に入って状況確認ね。フェニックスが悪い事をしていたら説教だから。それでいいね?」


「「はーい」」

「私は悪い事をしていませんから問題ありません。皆と仲良く球蹴りしています」

「明日になれば分かるよ。八つ当たりとかしていないか確認しないとね。上位種として正しく行動しているのかしっかり2人に見てもらうからね」


「ふ、ふーん。何も問題ありませーん。どうぞ見て下さい!」

「母さんに説教されるフェニックスが楽しみだよ。明日は球蹴りでボコボコにするからね」

「私はフェニックスの動きを確認しているからね。同じ組としてフェニックスの作戦通りに行動するから心配しないで」


球蹴りの問題は何度目かな?


フェニックスに何か言える子がいないから解決が本当に難しいよ。

どうしても、ヴィーネかウィーノに頼らないとフェニックスを納得させられないからね。


「「ただいまー!」」


精霊たちが帰ってきたね。

この子たちは私が生んだ私の子。


いつも同じ時間に帰ってくるのは何か意味があるのかな?


「おかえりー。さあ、みんな帰ってきたしお風呂に入ろうか。フェニックスも機嫌を直しなさい」

「私は怒っていないです!全く怒っていませんからね!本当にもう…」

「話は終わったみたいだね。毎日懲りないよね」

「早くお風呂に入りましょう。お酒が飲みたいわ」

「お風呂入って早く寝ようよ」

「お風呂、お風呂、皆でお風呂!」


お風呂も賑やかなんだよね…。


「ドリアード邪魔だよ。昨日座っていたの忘れたの?」

「何の話でしょう?私は昨日の事を覚えていません」

「シルフも邪魔です。昨日座っていたでしょ?」

「ドリアードをどかせばいいでしょ?僕に文句を言わないでよね」


お風呂以外でも精霊たちは私の肩に座りたがるんだよね。

お風呂の時には必ず全員が揃うからいつも喧嘩だよ。


今、私の肩にはドリアードとシルフが座っている。

私が口を出すと余計にこじれるから放置する事にしているよ。


「本当にシャルの周りは毎日煩いわね。偶には静かにお酒を飲ませなさいよ」

「叔母さんが出ていけば解決だよ。何で社にいるの?」

「本当だよね。いつの間にか社に住み着いているし」

「竜の国とは違っていつも賑やかでいいね。組手でいつでも遊べるし最高だよ」


シィーナ姉ちゃんとディーン姉ちゃんは普通に社で暮らし始めたからね。

本当に賑やかな場所になったよ…。


布団は大きくしてあるから、みんな一緒に眠れるよ。

フェニックスと精霊たちを乾かしてあげるのは私の仕事。


布団を敷くとヴィーネとウィーノがいつもの場所にすぐに入る。

私が2人を抱きしめると隙間に精霊たちが入ってくる。

最後にフェニックスが私の背中で丸まって完成だよ。


密集し過ぎだよね…。

この形が当たり前になっているから何も言わないけどさ。


「じゃあ、おやすみー」

「「うん、おやすみー」」

「「おやすみなさい」」


この日常がいつまで続くか分からないけど大切にしないと…。

土地神として1人ぼっちだった社に家族みんなで住めるのはとても幸せだね。

賑やかで楽しい毎日が続いています。

フェニックスは末っ子扱いです。

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