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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第5章 聖地シャーロット

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閑話 ドリュアス フェニックスと精霊女王

洗脳の問題を当日中に解決させるのは流石シャーロットだね。

だけど、実際に何が起きたのかは隠しているように感じる。


どのような洗脳なのかは見回りをしていたヴィーネに聞いたけど不自然過ぎる。

奴隷として働いた過去があれば無感情で絶対服従になるの?


それは、余りにも酷い状態だよ…。

何か裏があるのではないかと考えてしまう。


あの女の作った世界は最低だよ。


まあ、シャーロットが解決するから別にいいやと考えるのを止めた。

私の楽しみが奪われなくて本当に良かったよ。


孤児院の子がいないと楽しみが激減するからね。

本当に人間と獣人は何をしているのやら…。


この国の国民以外の人間と獣人はおかしいよ。


世界が作られて生命として誕生してから殺し合いを続けている気がする。

精霊が関与しているから少し後ろめたいけど、途中で止めたみたいだしどうかしているね。


・・・・。


翌日にシャーロットに声を掛けられた。

フェニックスと精霊全員だよ。


流石に特別な話があるのだと分かる。

絶対にあの女が関係しているよ…。


今回は何が見付かったのかな?

情報が出る度に不愉快な思いしかしていない。


偶には女王らしく世界の為に仕事するべきだよ。

私はあの女が大嫌いだから消えてくれてもいいと思っているけどね。


フェニックスを呼んだのは直感で答えて欲しい情報があるのだと思う。

成長していない状態では全ての能力が使えないみたいだから。


いつも通り私のお店で話し合いだよ。

皆が少し緊張しているのが分かる。


誰も口を開かないね…。


この国に呼ばれた時にシャーロットに脅されたからかな?

それで、苦手意識があるのかもしれない。


自分がした事だから仕方ないのに。

本当に素直じゃないよね…。


世界を不幸にしたのを認めて素直になればいいのに。

少しでも無関係でありたいと考えていそうだよ。


3人で来たね。


「やあ、皆ごめんね。今日の話し合いは極秘でお願いだよ。本気で世界を変えてしまうから。1重(シングル)結界、会話の内容が漏れるのを防ぐ為の結界だから心配しなくてもいいよ。早速話していこうと思う。今から話す情報を皆は悪用しないと信じているよ。脅しているつもりではないからね。ヴィーネ、今回の洗脳について皆に説明しなさい」


これは、かなりまずい話だね…。

シャーロットの雰囲気がいつもと明らかに違う。


問題を解決した顔にはとても見えない。

今から問題を解決するから協力して欲しいという事だと思う。


世界を変えてしまう。

情報だけで世界を変えてしまうとは一体何だろう?


世界の理を曲げたいのかな?

いや、シャーロットはそんな事をしようとはしない。


もしそうなら、精霊に説明する理由がない。


「説明するね。試験もした事実だから予想ではないと始めに言っておくよ。この世界には人間と獣人という種族がいる。これら種族は世界の奴隷として存在している。理由は明白で上位種族からの命令には絶対服従だから。種族により身分制度がある事は知っていると思う。シルフィードは人間と獣人の権力者に神に選ばれた王族だと伝えたね。その時に奴隷を支配できると伝えていないかな?正直に話して欲しい。別に何かするつもりはないからさ」


出だしからとんでもない内容だよ。

世界の奴隷として存在するとは?


そして、上位種族の命令には絶対服従とは?

シルフィードが神に選ばれた王族だと伝えたのは知っているけど、それ以外の話は知らない。


聞かれなくて隠していたのかな?

シルフィードは幼い感じがするし怒られると思っているのかもしれない。


「怒らないでよ?筆談で伝えたとは言ったけど、ヴィーネが言った奴隷を支配できるとも伝えたよ。そして、奴隷は王族以外の全てだとね。神に選ばれた王族と選ばれなかった奴隷に人間と獣人は分かれているんだよ」


その使命は何なの?

人間と獣人を王族と奴隷だけにしたの?


しかし、今の身分制度は複雑になっている。

シルフィードの使命には王族が権力を持ち世界を不幸にさせる以外の何かがあるの?


「ありがとう。そこだけは、予想だったからね。話を続けるね。王族は自分以外を奴隷だと認識していても絶対服従にするのは難しかった。命令しても言う事を聞かない人が多くいたから。その結果、奴隷に対して体罰や拷問する事が常識となった。そうする事で奴隷は王族に絶対服従するようになったから。ここで大切なのは身分。精霊により王族と奴隷という身分を教えた。色々な身分が現在はあるけれど、この世界が認識している身分は王族と奴隷だけ。何故世界が認識していると言えるのか?それは、精霊女王が人間と獣人を洗脳し続ける為の呪術を星の魔石に入れていると考えられるから。この星は人間と獣人を呪い続けているんだよ。王族はそれ以外の身分から従われやすくなる。まあ、魅力的に見えると思ってくれればいいよ。では、奴隷にはどのような呪いがかけられるのかだけど、自分の身分が奴隷だと思ってしまった瞬間に絶対服従になる。奴隷に命令するのは誰でも可能だよ。そして、絶対服従の奴隷だけど呪いは更に残酷な事をしている。自分の知識の中の奴隷に洗脳する。この国の孤児院の子がみんな無感情で無反応になった理由は学校で奴隷について勉強したから。人間と獣人が世界の奴隷だというのはこれだけではない。上位種族の命令には従わなければならないから。言葉だけでいい。但し、相手が身分についての知識があるのが前提にはなる。身分について知っている人間と獣人にお前の身分は奴隷だと言えば絶対服従の奴隷が生まれる。だけど、奴隷は命令を遂行していないと支配者の変更ができない。それも、上位種族なら簡単に解決できる。奴隷から身分を変更すればいい。お前の身分を平民にすると言えば命令は全て取り消される。そして、お前の身分は奴隷だと言えば自分が支配者の奴隷が生まれる。簡単に言うとこの国の人間と獣人以外の種族は好きな人間と獣人をいつでも奴隷にできる。しかも、この国の学校は世界中の悲惨な奴隷について教えているから世界で最も悲惨な奴隷が生まれる。何故このような話をしたのかは予想できると思う。本気で精霊女王を排除したくなったから。星の魔石に入れてある呪いを変更したい。呪術を消す為には魔力を全て抜くしかないから星が滅びてしまう。そこで、誰にも影響しない呪いを入れようと考えている。だから、フェニックスと精霊に聞きたいんだよ。精霊女王を排除しても何も問題はないのかな?世界の理に触れないのかな?私にはそれが分からないから皆の意見を聞きたい。今の国民が好きだし世界を滅ぼしたいとは思っていないからね。自由に意見を述べて欲しい」


少し頭が混乱しているね…。

えっと、人間と獣人は奴隷で上位種族には絶対服従。


その為の呪いを星の魔石に入れて呪いをかけ続けている。

つまり、星の魔力を寿命を延ばす以外にも使っていた訳だね。


あの女は本気で何を考えているのかが分からない。

フェニックスの拷問の為の使命で終わっていない。


この情報は余りにも危険過ぎる…。

言葉だけで身分を変更できるなんて誰も考えていない。


他種族の身分を気にしている種族はいないと思う。


そして、奴隷は絶対服従の呪いがかけられているとは考えない。

星の魔力を使って呪い続けているなんて想像もできない…。


問題を見付けてからここまで全て考えて試験まで済ませている。

やはりシャーロットは格が違うよ。


ヴィーネに話をさせたのは彼女が強く排除したいと望んだからだと思う。

子供を救出する事に力を入れているからね。


簡単に殺せると思う…。

シャーロットだけで過剰戦力だよ。


しかも、桁違いに強い娘が2人もいる。

絶対に負けないし瞬殺できると思う。


でも、精霊であり星の魔力を扱えるフェニックス以外の存在。

本当に何もしていないのか確認するべきだと考えたのも理解できる。


「流石に引くわ…。誰か何か知らねーのか?俺はあいつが何をしているのか知らねーからよ。精霊を生み出せるのは間違いねーな。精霊の持つ力も全て使えると考えておいた方がいいだろう。まともな女じゃねーと思っていたけど狂ってるじゃねーか。世界の理を壊し過ぎだろ。ふざけてんのか?」

「そんな…。とんでもない事に加担していたよ。そんなの知らなかったよ。不幸な世界が続くに決まっているよね。だって、絶対服従の奴隷が簡単に生み出せるもん。酷いよ…」

「精霊女王としてあるまじき行為です。真面目に努力した者ほど酷い奴隷にされる。種族格差として片付けて良い話ではありません。奴隷は絶対服従だったので、奴隷が王族になると同じ事を繰り返すのでしょう。仮にですが、真実に気付いた者がいて精霊女王を排除できる力を持っていたとしても、簡単には決断できないように情報を隠しているのかもしれません。私もお力になれません。非常に残念です…」


まあ、そうだよね…。

誰にも何も教えていないし、あえて隠している可能性がある。


星の維持には魔力を使っていないと断言はできない。

あの女は害悪だよ…。


他の精霊も何も知らなくて沈黙だね。

それに、内容が余りにも酷過ぎる。


フェニックスに頼るしかないね…。

皆がフェニックスを見ているのを感じたみたい。


「私の勘をお話しましょう。星の魔力が扱えない精霊ではできない役割があります。世界樹を使い星の魔力をドリュアスがこの国に流しています。寿命が延び病気になりにくくなります。では、長命種は何故長命なのでしょう?魔力から糧を得ているのであればどこでも元気ですよね?ですが、食事は趣味の範囲です。精霊女王は星の魔力を溶かして世界に流しているのです。世界を溶けた星の魔力で満たしています。そして、長命種は種族の特性にあった場所で糧として得る事ができるのです。ドリュアスが世界樹の魔力を世界に流しても長命種にとっては誤差です。世界樹の本来の目的は星の魔石に魔力を溜める事ですからね。星を生命と考えた場合に必要な精霊はドリュアスです。残りの精霊は他の生命の生活環境を整えるのが役割になります」


余りにも自然に長命種がいるから違和感がなかったよ。

糧を得ずに長生きするのは生命だとは言えないね…。


でも、シャーロットなら分かっている気がする。

別の事が気になっているのではないのかな?


「流石友達のフェニックスだね。私の予想と一緒だよ。世界を見ても長命種だけがおかしいからね。何も糧を得ずに長生きして成長までするのはあり得ないと思っていたんだよ。それと、精霊女王は自分の記憶保持を気にしているように感じる。サラマンダーは見た記憶を他人に移す事ができるのに、精霊女王が世界に放しているのには違和感があった。そもそもサラマンダーの役割と記憶を移す能力は無関係でしょ?そこで、気になる事があるんだ。恐らくフェニックスと精霊女王が一緒に仲良く行動していた時があったと思う。フェニックスは優しいし成長すれば何でもできると私は確信している。私はフェニックスが大切な能力を精霊女王に与えている気がする。精霊女王がフェニックスの記憶を全部覚えておいてあげると言ったら嬉しくて記憶を移す能力を与えちゃうよ。星が滅びてもずっと一緒にいようと言われたらフェニックスはどんな能力を与えちゃうのかな?フェニックスが最も成長する時は星が滅びる直前だと思っている。何でもできるから星の寿命を延ばすか他の星に命を吹き込めると考えているよ。私の予想を言うよ。例え精霊女王が死んだとしても同じ記憶を持ったまま生まれる。フェニックスも簡単には信用しないと思う。だから、3回くらいは星が崩壊した後に精霊女王から記憶を移されている気がする。でも、フェニックスが成長した時に精霊女王が死んでいたら約束が無意味になる。楽しい思い出が消える。だから、精霊女王が死んだ時に成長すればいい。だけど、フェニックスの記憶を持っていない精霊女王を生み出しても意味がないし、フェニックスが同じ精霊女王を生み出さないといけない。フェニックスが同じ記憶を持った精霊女王を生み出そうと思ったら星の魔石の中に精霊女王が記憶を移せるようにしておけばいいだけだね。フェニックスが精霊女王を生み出す時には星の魔力が必要だと思う。星の魔力を全て吸収した時に精霊女王の記憶だと分かるようにするだけでいい。記憶を移す能力があるのだから、保持する能力もあるはず。フェニックスなら誰の記憶かすぐに分かるから、精霊女王を生み出して自分の中にある記憶を移せばいい。簡単でしょ?」


最悪の予想だよ…。

でも、サラマンダーが記憶を移す能力を持っているのは確かに不自然。


あの女はフェニックスと仲良く一緒に暮らした事で能力を与えてもらっている気がする。

その能力があるからこそフェニックスとあの女が一緒に旅していたとも思えてしまう。


フェニックスは仲良く一緒に暮らしていたあの女が死んだらどうするのだろうか?

覚醒するとしか思えないよ…。


記憶を移せるのだから残せる能力もあるはず。

仮に星の魔石に記憶を移す事ができるのであれば最悪だ。


覚醒中のフェニックスに意識はあるのだろうか?

生命を司る神として本能で行動する気がする。


あの女は別に死んでも問題ないんだ…。

世界崩壊までフェニックスを拷問する世界を作って待っているだけ。


そうじゃなければ、サラマンダーに記憶を移す能力を与えているのはおかしい。

あの女が危険だと判断されれば別の存在として生み出されるはずだから。


それなのに、何度も同じ事を繰り返しているような気がする…。

あの女の目的は分からないけど自身の存在は確実に保証されていそうだよ。


「母さん、それで永遠の拷問だったの?いつでも殺せるのに殺さない。自分の寿命が尽きる時に拷問しに行くのはその予想があったから?」

「そうだね。この世界に魔石があるという事は既に崩壊した星は必ず存在する証明になる。それなのに、精霊女王はフェニックスに対して拷問するように仕向けた。確信がなければできない。サラマンダーに記憶を移す能力は与えたけど保持する能力を与えるのは危険だと判断したのかもしれない。移す能力と合わせれば自分の記憶を上書される可能性があるからね。仮に星の魔石に記憶を移せるとして、それは世界に拡散されるのかな?魔石には向きがある。魔石の底に記憶を入れておけばいい。底まで魔力が減る前にフェニックスは成長する可能性が高いから。そして、フェニックスはとても優しい。友達が殺される事を許すとは思わない。予想できる範囲としては精霊女王が死んだら星の魔石が砕ける。不死はフェニックスの固有能力だから与えられない。でも、人に能力が与えられるのだからフェニックスは全ての能力を精霊女王に与えていると思う。精霊女王が次元結界を扱えるのが不自然。星の為に存在するのだから必要のない能力。記憶を移す能力も同じだね。本来であれば使い道がない。創造魔法も精霊女王が初代竜王に与えていると思う。世界樹を生み出せるのは精霊しか許されないはずだから。能力を悪用されないと信じたフェニックスは精霊女王に全てを与えた。フェニックスの子供だからね。でも、昔のフェニックスの子供。今のフェニックスの子供ではない。フェニックスは新しい生命として生まれているのだから。そして、奴隷の世界でこう考えた。成長したフェニックスは全種族を絶対服従させる事ができるのではないのかとね。精霊女王がフェニックスの子供だとすると、世界の様々な種族はフェニックスの孫になる。支配権を持っていても不思議ではない。そして、娘を助けたいフェニックスは感覚共有している可能性がある。殺さずに拷問しようとしたらフェニックスを拷問しているのと一緒だよ。精霊女王は痛覚無効にしておけば何も問題がない。そして、私だったら痛覚無効にして体の中に魔石を埋め込んで魔法を入れておく。解除されないようにね。色々と予想したけど問題は1つだけだよ。何をしていようが精霊女王は殺せるし長命種の為の対策は考えてある。だけど、成長したフェニックスと敵対する可能性がある。フェニックスは何が起きても無関係を貫ける自信があるのかな?」


これ程の能力が与えられていると予想しているのにも関わらず問題ないと考えている。

やはりシャーロットはフェニックスと同格だろうね…。


何故そんな事が起きたのかは分からないけど別にいいや。

問題はフェニックスとの敵対…。


被害が予想できないね。

それに、生命の絶滅が視野に入る。


体に魔石を埋め込んでおくとか想定しているのが怖い。

自分の急所に近ければ好都合だよ…。


「全ての能力を精霊女王に与えているですか…。否定できないのが辛いですね。今の状況が本来あってはならないですからね。何故シャーロットは私と敵対すると思うのですか?」

「完全に成長したフェニックスに意識はないと思うからだよ。そうじゃなければ、精霊女王を許すはずがないでしょ?世界の理を乱しているだけでも失格なのに堂々と隠れている。それに、親であるフェニックスに危害を加える世界を作り出している。成長したフェニックスに意識があれば防げる問題だから。フェニックスが本能で無視する事を選択しているのにも必ず意味がある。同じ事の繰り返しになりそうだと。フェニックスは今の世界の状況を知っても排除が選択肢に出てきていない。本来なら考えられない。何か引っかかりがあるはず。違和感が何もなければ排除を推奨するはずだと思うからね。精霊女王が恨だけで今のような世界を作り続けているのであればフェニックスの状況を知りたいはず。この国に来て平和に暮らしているのに動きが見られない。精霊女王は神になりたいのだと思う。フェニックスに逆らえない恨みなのか、過去に何かあったのかは分からないけど、今の精霊女王は神を目指しているよ。奴隷から王族になった人間と一緒。フェニックスから能力を与えられた事で万能感に浸っている。私も昔は何でもできると言っていたんだ。精霊女王は必要な能力以外を全て私に与えていないかな?フェニックスを殺す為に私を生み出したのかもしれない。計算外なのは私とフェニックスが友達になっている事。地下世界で生まれた私が悪意に染まっていないからね。私はフェニックスが自然に成長してくれれば何とかなる問題なのかもしれないと思っているよ。でも、精霊女王に危害を加える事で強制的に成長させられると分からない。だから、フェニックスの直感で答えて欲しいんだよ。今の状況で精霊女王に攻めるのはどう思うのかな?」


真祖は世界に初めて生まれた存在ではない。

伝説の吸血鬼ではあるけれど過去に存在が確認されている。


では、過去に悪意に染まったシャーロットがいたらどうなるのか?

確実に世界は滅んでいる。


シャーロットは強さの次元が違う気がする…。

その理由があの女から能力を与えられたからだとは思わない。


だけど、何でもできると考えているという事は事実なのかもしれない。

フェニックスと同様で何でもできる存在なのかもしれない。


納得だよ…。

但し、あの女も保険をかけている。


勝てない事を想定して与える能力を制限している。

星を崩壊させる度に同じような実験をしているとしたら予想通りだよね。


復讐の可能性もある…。

だけど、フェニックスの能力を与えられて神を望んだ可能性もある。


あの女には制御できない過ぎた力だった。

それでも、万能感に酔っているあの女は止まらない。


非常にあり得る話じゃないか…。

精霊が星を滅ぼし続け世界を不幸にしている。


精霊として言葉もないよ…。

それが、フェニックスに守られているとしたら厄介なんてものではない。


シャーロットとフェニックスの激突なんて世界の終焉だよ。

神々の戦いになりそうじゃないか…。


「なるほど。私が強制的に成長させられる事で意識がなくなる可能性を考えているのですね。そして、その切っ掛けが精霊女王を攻める事で起きるのではないのかと…。私は以前も話しましたが放置が最善だと思ってしまうのです。理由は分かりません。確かに私はこの国に来てから成長する事を望まなくなりました。自然に成長するのが一番だと考えています。私は何故か色々な事が分かってしまいます。精霊に正しく能力が与えられていないと思っています。そして、私の直感ではシャーロットと敵対した場合は無になる気がします。私はそれを回避したいのかもしれません。真面目に努力した人を言葉だけで支配できる世界は非常に不愉快に感じます。この国の皆はとても努力していて好ましく感じていますからね。それが、上位種族の気紛れで台無しになる。私がそれを許す理由はないはずなのです。怒るべき状況なのです。しかし、放置が最善だと考えています」


本気で神々の戦いじゃないか。

それも、終末の戦い…。


フェニックスが無になると考えている。

つまり、シャーロットは不死のフェニックスでも殺せる可能性がある。


不死を殺すという矛盾なのに何故かできそうな気がする。

それが、シャーロットだからね。


「母さんは私に諦めさせる為にこの場を設けたの?それに、精霊女王が竜王に与えた能力が創造魔法だと考えている。何か理由があるの?」

「諦めさせるというよりも時期尚早に思うだけだよ。現状を皆で共有しておいた方がいいとも考えた。それに、世界樹を生み出せる能力は精霊にしか許されたらいけない。忘れてはいけないのが私は吸血鬼。相手の血を飲めば能力が使えるようになる。私が地上に出る為の餌が初代竜王だったと考えているよ。フェニックスの血を飲んで欲しいと望んでいたのかもしれない。自分は隠れて人を使って実験しようなんて笑えるよ。精霊女王なんて塵芥はいつでも殺せるし無限の拷問もできる。操って世界の理に必要な役割をさせる事も、私の分身を使って同じような役割をする事もできると思う。だけど、フェニックスと戦闘する事は避けたい。完全に成長したフェニックスは本能で、星に生命が残っているのを許さない可能性がある。断言しないのだから戦闘する可能性が高い。精霊女王が生きている状態でフェニックスと戦闘した場合、フェニックスの魔力の行き場がない。フェニックスの本能に生命を残したまま別の星に命を与えるというものが存在しないとどうしようもない。そして、今の会話で存在しないと分かった。フェニックスは相手を見て直感で能力を把握できると思う。だから、生命が残っている状態で自分が完全に成長している可能性を感じている。その為、戦闘はないと断言できない。本来は完全に成長したフェニックスと生命の生存は両立したら駄目だからね。予想はしていたけど確信ではないから話し合いをした。結果、全てを想定できた。やはりフェニックスが自然に成長してから精霊女王を殺すのが最善。どうしようもない場合は私とフェニックスが一緒に消滅する事になるのかもしれない。今のヴィーネとウィーノでは弱過ぎる。自信を持って精霊女王に勝てるとは言えない。だから、時期尚早だと結論付けたよ」


「なるほど。フェニックスは見えない精霊女王の位置を断言した。繋がっているのは間違いないね。精霊女王に刺激を与えるとフェニックスが覚醒する可能性があるよ。フェニックスが覚醒した状態で生命を守る事は可能でも、それをフェニックスの本能が許さない訳だね。感情がないフェニックスとシャーロットが戦闘しても喜ぶのは精霊女王しかいない。精霊女王が喜ぶのは2人の同時消滅だろうね。その時この星の生命は精霊女王の言いなりだよ。支配はできないのかもしれないけど命を握られているし人間と獣人を全て奴隷にする可能性がある。精霊女王は許されるべきではないのに、会話を聞いているとフェニックスが守っているように感じたよ。拷問しておいて守ってもらうとがふざけている」

「許されないですね!フェニックスが覚醒する理由をフェニックスが知らない以上はどうしようもありません。精霊女王に手を出さないように促しているので確実に戦闘です。不愉快な世界を作って自分は寝て待つですか。唖然としますね」


「シャーロットは本当は何とかできるでしょ?私の予想だとそうなんだけど違うのかな?」

「ドリュアスらしいね。何とかできるよ。でも、友達を殺したくはないよ…。私は正義の味方じゃないし、人間と獣人の味方でもないからさ。友達と国民の方が大切だよ」


シャーロットらしいよ…。

だからこそ、この国で崇められているのだろうね。


この話し合いの一番の目的はフェニックスが敵対するのかどうか。

流石にそれだけは予想で行動できる話ではないからね。


フェニックスはこの国が好きで敵対を望んでいない。

だから、あの女との接触を避けようとしている…。


あの女を一瞬で始末しても必ずフェニックスの敵対が想像できたよ。

フェニックスを殺す事でしか解決できない問題であるならば避けるという事だね。


本当にあの女は害悪だよ…。

フェニックスの成長に期待ですね…。

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