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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第1章 シェリル

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閑話 マリアンネ 鬼ごっこを終えて

あれほどの動きを見せる我が子は嬉しいものだった。

国防隊の事を考えると苦い思いだったが、母親として子の成長はとても嬉しいものだ。


息子のマリウスに少し話を聞いてみるか。

子供としてどう感じたのかは今後の役に立つかもしれない。


「マリウス、今日の鬼ごっこはどうして行われたんだ?」

「ん?クリスタ先生の授業中に当然シャーロット様が来てお菓子が欲しいかー!って聞くから皆が、欲しいー!って叫んだんだよ。そしたら、鬼ごっこで大人に勝ったら買ってあげるよって言うから皆やる気満々だよ」


流石に上手いな。

子供の扱いは慣れたものか。

授業中のクリスタが可愛そうだな。

恐らく、訳も分からなく今後の展開が予想出来なくて冷や冷やしていたのかもしれない。


「それで、大人の相手はどうだった?正直に思った事を言ってくれ」

「弱過ぎるよ。シャーロット様の言った通り最初の数人はこっちを舐めてたみたいだね。でも、こっちの人数が多いのに視界に入るように逃げる時点で素人だよ。逃げ方が分かってないんだ。隠れ方も分かってないみたいだね。確実に勝てると思ったよ。動きと授業内容の力を見ればすぐに分かる」


ちゃんと魔力という言葉は使わないんだな。

親でも秘密か。


子供はこんなにも秘密を守れるものだったか?

私としてはそれにも驚いているよ。


「ここに旦那はいないんだ。本当は駄目だが魔力と言っていい。どう違った?」

「魔力をちゃんと使えてないし使い方が悪すぎる。全体に延ばせばいいとしか考えていないでしょ?色々試してないんだよ。足に集中したり、手に集中したり、全部違う効果が出る。僕たちは鬼ごっこや、かくれんぼでいつも全力だし、偶にシャーロット様が参加されるからね。まだ、捕まえた事も見つけた事もないよ。強過ぎるんだよ魔力の扱い方が上手過ぎるよ。別に特別な事はしてないんだよ。だから、余計に考えるんだ。どうすればいいのか皆で相談もしてる。シャーロット様を鬼ごっこで捕まえたら1年間お菓子1個、毎日好きなの買っていいんだよ。もう、本気だよ」


1年間お菓子を毎日1個か。

子供の人数を考えたら結構な額になるが効果抜群だな。


やはり、シャーロット様は参加されていたか。

でも、子供たちには何も教えていない。

一緒に楽しんで遊んでいただけ。


教えてもらった大人たちがこれか…。


魔力の扱い方が下手過ぎるか。

それは、全ての大人に言える事だろう。

能力の差が大きすぎるし考え方が違いすぎる。


この子たちが大人になった時、それは、相当な差になっているだろう。

やはり、国の未来は子供たちが作っていくと考えるべきだな。

そして、それを実践しているのがシャーロット様か。


最後の疑問を聞いておくか。

「私としては疑問だが、何でみんな魔力の扱いに関して秘密に出来る?誰も漏らしていないんだろ?誰かに話したりしたくならないのか?」

「お母さんも子供を舐め過ぎだよ。使って体感してみれば分かるよ。自分が凄くなったみたいで嬉しかったけど、逆に絶対に秘密にしないといけないと思ったよ。だって、誰でも強くなれるなら悪い人も強くなれる訳だよ。僕たちは孤児院の子たちから色々話を聞いてるからね。この力でそういう事にならないように誰にも話さないと決めているんだよ」


孤児院の子供たちと話すか…。

大人たちの誰よりも外の現実を知っている訳だ。

全てシャーロット様の考えた仕組みで回っているな。


完璧すぎるよ。

500年以上も人を見て来た結果だろう。


シャーロット様は孤児を無くしたいと考えている。

そうしたら、別の仕組みを考えるのだろう。

良く分かったよ。


シャーロット様にとって大人はついでなんだ。

子供を育てるのに必要だから程度にしか考えていない。

親は別と考えているが、それ以外の大人には価値を見出していない。


鬼ごっこで遊んだだけでこれ程の結果を見せつけられたんだ。

嫌でも実感する。


やはり、私たちが考える事は子供を守る事が一番だ。

つまり、国を守る事は当然な訳だ。

討伐隊の失態は痛すぎた。


国防隊も今回の件で考えを変えるだろう。


シャーロット様は子供たちと遊びながら、成長していく様子を見ていたいだけなのかもしれない。

何でもできる土地神様だけどまだ子供だと言っていた。


この国に密偵が入り込もうとし始めた辺りで考えが変わったんだ。

今まで人の敵は魔獣だった。

それが、人の敵は人に変わったと。


その為、討伐隊を作って色々と手厚く教えたが失敗した。

国防隊の様子を見ていて失敗しそうだから口を出した。

悩んでいる様子だったから子供たちと遊ばせた。


土地神様じゃなくて女王様でいいじゃないですか。

この国はシャーロット様のものですよ。

誰も否定しません。


命令すれば従いますよ。


何故ご自分をおまけ扱いするのだろう。

やはり、強大過ぎる力を持っている影響だろうか?


お母様の影響だろうか?

どんな育て方をしたら500年以上経っても愛してもらえるのだろう?


母親としてはそっちの方が気になりますね。

できれば子を持つ母親として相談したかったですよ。

子供の成長を喜ぶ母としての一面と、街長としての一面ですね。

マリアンネはシャーロットに女王になって欲しいと思っていますが、誰にも話していません。

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