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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第5章 聖地シャーロット

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シャーロット 孤児院の把握

対策が必要かと思ったけどクリスティーネが受け皿になってくれた。

子供たちがクリスティーネを頼ってくれたのも良かった。


子供たちは厳しい鍛錬をしているとは思わない。

初歩で習った事を繰り返すだけだから。


頭で考えるのではなく体で覚える。

秘儀を鍛える為には効果的な方法だよ。


気を付けなければならないのが、あの子たちが延ばす魔力量を増やし始めた時だね。

クリスティーネは私に頼っていないから、それも大丈夫そうだよ。


その時が来たら間違いなく練習方法を変えるだろうからね。


初等科にいながらも秘儀と魔法は高等科を超える。

計算などは難しいかもしれないけれど、体で覚える秘儀と魔法は可能かもしれない。


クリスティーネは感じていないけど、クリスタの影響を受け過ぎだよ。

皆がクリスタの関与を疑う程だから。


自分の派閥だから贔屓すると宣言しているのが特に笑えるね。

教師ではなく休日は自由だからという言い訳まで用意している。


何もできなかったあの子を知っているから皆が驚いている。

自分を超えているのかもしれないと焦る程に…。


カーリンには特に刺激になったはずだよ。


みんな気付くのが遅いよ!

クリスタとレナーテは分かっていたのだから。


クリスタがあれ程まで贔屓するのだから何かあると思わないと。


誰よりも努力しているから助言したくなる。

絶対に諦めないから支えてあげたくなる。


資料室に通い続けるのはクリスタでも驚いたのだから…。

クリスタがお願いしてくれたのだから全ての資料を読むのは当然だと考えている。


本当に素晴らしいよ…。


クリスティーネの努力量は極めている3人と同等。

魔法の努力量が多いから秘儀の成長が少し遅く感じるだけ。


「母さん、何かあったの?凄く機嫌がいいね」

「孤児院の問題をクリスティーネが解決してくれたからね。あの子とシルキーが幼い子の受け皿になってくれたよ。2人とも孤児院だけを見ているのだから何か考えないと駄目じゃない。カーリン軍から抜けた子は孤児院に来て日が浅い6歳から7歳の子ばかり。学校に通っているとはいえ、まだ幼い子だからね。13歳以上の子から秘儀は見て努力しろと言われてもついていけない。突き放されたように感じてしまう。言った子も悪気は全くなくて、そのようにしか説明できなかったというのが実情だよ。まあ、軽く制裁されたね…。カーリン軍でも秘儀を使って幼い子と上手に遊ぶ事はできなかった。一緒に笑い楽しんでいたけど平等に遊んでいたとは言えない。心の傷の具合が分からないから様子を見ていたみたいだけど慎重になり過ぎたね。幼い子が秘儀の練習方法を聞いた事で、カーリン軍を抜けてクリスティーネの派閥を作った。それで、クリスティーネがどうするのか見ていたけど最高の対応をしてくれたからだよ」

「クリスティーネだから優しい対応をしただけじゃないの?子供たちもそれを期待してクリスティーネを頼ったと思っていたけど。アレクシアの時も優しかったからね」


子供たちはそのように思ってクリスティーネの派閥を作ったのは間違いない。

だけど、クリスティーネは優しいだけでは終わらないよ。


子供たちの状況をしっかり把握できていた。

そして、楽しみながら秘儀と魔法を鍛える派閥になっている。


「観察が甘いよ。クリスティーネが優しい対応をしたのは間違っていないけど、秘儀と魔法で高等科を超えるつもりだからね。子供たちを楽しませながら厳しい練習をさせているよ。厳しいと感じさせないようにしているのが上手いね。クリスティーネの派閥は相当強くなるよ。秘儀と魔法については孤児院最強になるのかもしれないからね」

「そうなの?魔力を使って遊び続けただけだと思っていたよ。子供たちも喜んでいたから秘儀の練習をしているとは思わなかった」

「孤児院しか把握していないから何をしたのかまで把握するのは難しいよー。孤児院から出る子も把握した方がいいのかな?」


本当に甘えん坊だね…。

すぐに楽をしようとしたら駄目だよ。


「甘えない。孤児院を把握しているだけで子供たちを鍛えていると分かるようにならないと駄目だよ。大人たちがクリスティーネに驚いたのだから何かあったと考えるべき。クリスタとレナーテが納得していて、カーリンが一番驚いているのだから、クリスティーネの考える力が想像以上に上がっていると分かるでしょ?カーリンは最近考える努力を始めたばかりだからね。だけど、何もできないクリスティーネを知っているから驚いたんだよ。自分よりも考える力がかなりあるとね。他の大人はクリスティーネの意見を聞いて抜かれるかもしれないと考えた。実際は既に抜かれているんだよ。ビアンカとチェルシーはクリスティーネに勝てない。努力量が違い過ぎる。クリスタとレナーテが認める程の努力をしているからね」

「考える力がかなりあるクリスティーネが子供たちを遊ばせるだけで終わっている訳が無いと思わないと駄目だという事だね。そんなに凄い練習を子供たちにさせているの?」


「球当てしながら魔力を全身に延ばして止めるのを繰り返し続けるだけだよ。凄いでしょ?」

「クリスティーネは秘儀をそこまで理解しているんだね。魔法の練習をしていなければ既に秘儀を極めていたのかもしれないじゃない」

「えー!また私だけ分からないよ…。初歩で球当てしているだけじゃないの?」


何故繰り返すのか考えないと駄目じゃない。

本当にウィーノは…。


ヴィーネが教えてくれるだろうけどね。

但し、姉との差が開いていくよ…。


まあ、2人で楽しみながら成長してくれればいいかな。


「ウィーノは考えが足りないよ。幼い子だけなんだよ?球当ての時は動き回って逃げているよ。動きながら魔力を動かす練習を自然にしているんだよ。それに、魔力が少なくなって疲れてしまう子が確実にいる。その子たちは自然と動かす魔力量を調節し始める。魔力の移動速度も同時に鍛えられるから調節の幅もかなり広がる。安全に秘儀を鍛えるのであれば最も効率がいい方法だよ。もし止まって魔力消費を抑えるようになったら鬼ごっこに変えればいいだけ。そして、秘儀で一番難しいのは無意識に魔力を動かす事。それを、最初から覚えさせようとしている。全身に延ばして止める事が癖になるように仕向けていると思う。高等科の子が考えている魔力の配置を覚えたりする事なんて無駄だと切り捨て。魔力を溜めるのも後から覚えた方がいいと切り捨て。簡単な練習を誰よりも多くする事が一番大切だと理解している。という事でしょ?」

「ヴィーネ正解。魔力の配置を工夫したりする事も考える力を身につける為にはいい事だけどね。まだ幼い子だからこそ体で覚えるんだよ。中途半端な事は一切教えない。秘儀を鍛えるのに特化した球当てだよ。クリスティーネは派閥だけの秘密と子供たちに教えているからね。魔力を延ばして止める練習が特別なものに思えるでしょ?他の皆はそれが一番いい練習方法だと知らないだけだとね。子供たちは秘密が大好きだから大喜びだよ。それに、魔力を溜めるのを禁止にしているから完璧だよ。皆が楽しく遊び続ける事ができる。クリスティーネの派閥は楽しく遊ぶのを大切にしているからね。気付いたら秘儀も鍛えられているという事だよ。クリスティーネ自身も派閥ができた事を凄く喜んでいる。派閥を贔屓すると大人全員に宣言したからね。勿論休日だけだと言い訳も用意しているよ」

「完全にクリスタ2号だよ。魔獣を殴って腕を食べられるし王女様は何しているの?この国に来たら王女様はおかしくなっちゃうのかな?」


流石に魔獣を殴るのは見ていて怖いから魔法を教えてきたよ。

あの子なら確実にできるようになるまで努力するからね。


「クリスタを見て成長しているから少しくらい似ても仕方ないよ。次に秘儀を極めるとしたらクリスティーネだからね。あの子の努力量は3人と同等だよ。魔法で家を作る事も諦めていないからね。魔法の練習量も凄いよ。今なら魔法で魔獣も殺せる。クリスタとレナーテが世界最強の魔法使いになれると思っているくらいだからね。クリスタを見ているから遠距離で魔獣を殺すつもりはないけどさ。だから、剣と盾を魔法で作るように指導してきたよ。流石に魔獣に食べられる必要はないと思うからね。だけど、クリスティーネは殺気を当てて魔獣を撤退させる事が目標だから。あの子は努力し続けるよ」

「クリスティーネが殺気で魔獣を撤退させるまで魔獣見学は続くだろうね。クリスタができる事はできるようになりたいと思っているから。普通はクリスタの強さを見ると引いちゃう子が多いと思うのに、あの子は憧れるからね。憧れて終わらないのがクリスティーネだから。できるまで努力し続けるからね。殺気とかはそのうちクリスタが教えると思う」

「姉さんは反省してよね。勇者は力をつけ過ぎて魔王になってしまいましたってするの?クリスタは最強になりたい訳じゃないのに何で鍛え続けるのかな?現状維持でいいと思うけど」


「ウィーノは分かってないね。勇者が強くなるのに理由はいらないの。強くなれる限り強くなるよ。それが、勇者クリスタだからね」

「本当は何か理由があるでしょ?母さんは知っているの?」

「秘密。私も予想でしかないからね。今日はもう寝るよー」


「「はーい」」


返事を聞くと同時に私は布団を敷いた。

すると、2人はすぐに布団に入る。


私も入って2人を抱きしめる。


「じゃあ、おやすみー」

「「うん、おやすみー」」


ヴィーネは直接聞いていたから鮮明に覚えているはず。

クリスタはずっと私の為だけに秘儀を鍛えている。


休んでくれてもいいのに…。


ヴィーネの目標が増えたから私は見守るよ。

せめて私が死ぬまではクリスタの名前を残し続ける。


初めてできた人間の友達だから…。

私の為だけに命まで懸けてくれたのは絶対に忘れないよ。

漠然と鍛えている人と目標を持って鍛えている人の差ですね。

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