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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第5章 聖地シャーロット

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閑話 クリスタ 球蹴り

はぁ…。

お馴染みの授業妨害ですよ。


何故いつも授業中に行動するのですか?

みんな集まっているから楽でいいとか考えていそうですね。


まあ、終わった事は忘れましょう!


さて、今日は何をして遊ぼうかな…。

フェニックス様たちは球蹴りしかできませんから、今日はフェニックス様たちと遊びましょう。


「私は50㎝になるよ。ビアンカとレナーテはどうするの?」

「私はいつも通り初等科と遊びます。球蹴りする子と遊びましょう」

「私は20㎝になります。精霊様と球当てをしてきたいと思います」


とんでもないものを簡単に用意してしまうので凄いですよね…。

皆で遊ぶ為に体の大きさを変えればいいだなんて、思い付いても普通はできません。


それに、今日で確信しました。

フェニックス様が最上位の存在ですね。


シャーロット様もそのように考えていると思われます。

そうでなければ、ヴィーネ様の対応は不自然ですから。


フェニックス様は精霊様の大きさにならないのでしょう。

最上位の存在である事を無意識に自覚しており、体の大きさを変えるのは周りの人たちだと自然に考えているのだと思います。


精霊様もフェニックス様と球蹴りがしたいから20㎝になって欲しいとは言えないのでしょう。

サラマンダー様は20㎝程の大きさですが球蹴りして遊んでいますから無理ではないと思われます。


本来なら20㎝になる扉を用意するだけで良かったはずです。

全員が同じ大きさになれば種族は然程関係ありませんから。


ですが、ヴィーネ様はフェニックス様と精霊様で扉を分けました。

体の大きさを変えないであろうフェニックス様と皆が楽しく遊べるようにしたのだと思います。


人が20㎝になってフェニックス様と球蹴りを楽しむのは難しいでしょう。

最低でも高等科くらいの実力がなければ何もできません。


ぶつかるだけで怪我をしてしまうかもしれません。


50㎝になって遊べば安全性は格段に上がります。

フェニックス様と頭の位置が同じですから危険な怪我は激減するでしょう。


ですが、サラマンダー様の頭を全力で蹴ってしまうと大変な事になります。


フェニックス様ですからその辺も考えているはずです。

シャーロット様と同じくらいに頭が良いと思われますからね。


「フェニックス様、球蹴りに来たのですが規則はありますか?」

「おー、クリスタ先生!遊びに来て下さいましたね。勿論ありますよ!サラマンダーは頭の位置が低いのでとても危険です。ですから、点を取られないように箱を守る人になってもらいました。エルダードワーフが器から箱に変えてくれたのです。ですので、ヴィーネに頼んで箱から5m先に線を掘ってもらいました。線の内側で箱を守れるのは1人だけです。そして、内側なら手も使えます。点を取る為に蹴る人は線を越えてはいけません。これで、サラマンダーが気を付ければ頭を蹴られる心配はなくなります。そして、球を蹴る時は遊んでいる種族により上げても良い足の位置を変更する事にしました。いつもエラさんと一緒に遊びますから、妖精犬(クー・シー)の頭の位置より高く上げてはいけません。この国は即死しない限り大丈夫ですから、絶対に無傷で安全とは言えませんが規則を守れば死ぬ事はないでしょう」

「僕が球を蹴って運ぶのは危険が多いからね。それに、点を取られないように守るのは結構楽しくて、凄く難しいよ。とても遣り甲斐があるね!」


やはり徹底して安全対策を考えていましたね。

サラマンダー様の位置を固定できるのはフェニックス様だけでしょう。


球の大きさも違う気がします。

10㎝でしょうか?


「球も新しく注文したのですね」

「そうなのです。5㎝は小さ過ぎて蹴りにくいですし、20㎝は大き過ぎてサラマンダーが見えなくなってしまいます。ですから、10㎝の球を作ってもらいました。これで、完璧な球蹴りができるのです」


流石フェニックス様ですね!

ご自分が楽しむ為に全力ですよ。


「規則が決まっていれば組分けするだけですね。早速遊びましょう!」

「そうですね。時間が勿体ないです。たくさんの人が遊びに来てくれたのです。今日は一段と楽しい球蹴りができそうです。最高ですよ!」

「さあ、僕から点を取ってみてよ。かなり遊んでいるからね。守り切る自信はあるよ!」


中等科以上しか遊びに来ていないので組分けはすぐに終わるね。

私も点を取られないように守る人になろうかな?


サラマンダー様とは別の組になったので丁度いいですね。


「私が点を取られないように守ります。点を取ってきて下さいね」

「おー!頼もしいですね。それでは、よろしくお願いします」

「クリスタ先生から点を取れる人はいないでしょう。勝ちですね!」


フェニックス様とエラが勝ち誇っている。

まだ試合も始まっていないのに…。


試合は中央でお金を投げて表裏を当てた側が球を最初に蹴る事ができるみたい。

皆が球に群がると思っていたけど違うね…。


球を渡し合いながら前に運んでいく感じだよ。

これは、仲間との連携が大切だね。


球を取りに行くのは2人くらいで、他の人は渡されないように張り付いて守っている。

敵と敵の間に立つ事で球を渡されないようにしている子もいる。


かなり考えているね…。

楽しく遊ぶだけではなく皆が勝つ為に全力だよ。


最高じゃない!

試合は勝たないと面白くないからね。


線まで球を運ぶのが難しいみたい。

これだと、数点しか取れない気がする。


1点でも取られたら負けるかもしれない。

確かに遣り甲斐のある場所だね。


ん?

まだ結構離れているのに視線を感じた。


あの子が箱を狙っている気がする。

予想通りだよ!


球を蹴り飛ばしたね。

箱の右隅を目掛けて球が飛んできた。


【バン】


甘いね!

私がそんな遠くから点を取られる訳が無いよ。


目に見えて悔しがっているね。

そんな暇があるのかな?


すぐに捕った球を地面に置いて、最前線にいるフェニックス様を目掛けて球を蹴る。

【ドシッ】


高めに浮かせた球はフェニックス様の少し前に落ちた。

フェニックス様が両翼を上げて喜んで何か言っているようですが聞こえません。


私は普通の人間ですから…。


既に高等科並みに魔力を操れるフェニックス様は走っても速いですね。

フェニックス様が単独で球を蹴って敵の箱に向かう。


敵の高等科の子が頑張って追い掛けているけど間に合いそうもない。

これなら、線まで行って球を蹴る事ができそう。


無謀な球を蹴ると失点に繋がる可能性があるという訳だね。

なかなか難しい遊びだよ。


線まで単独でたどり着いたフェニックス様が球を箱に向かって蹴ると思いきや、右横に転がした。

その直後、後ろから走り込んできたエラが球を箱に向かって球を蹴り飛ばした。


サラマンダー様は予想外だったみたいですね。

フェニックス様に集中していてエラが蹴った球に反応できませんでした。


球が箱に入りましたよ!


私以外の味方が喜んでいますね…。

こういう時は後ろにいると寂しいです。


球が箱に入ると中央から敵の球で開始みたいです。


球を蹴って運んでいる子だけを意識すると危ない。

広い視野が必要だね。


組手と一緒だね!

これは、いい練習になるよ。


今度は味方が攻められていますね。

敵から球を奪えません…。


連携して線に近付いてきます。


えっと…。

箱を守る人が線から出てはいけないと言われていませんね。

敵が線の内側に入ったら駄目なだけです。


線から箱を狙っている子が1人。

後ろから走り込んでくる子が左右に1人ずつ。


ヴィーネ様との訓練が遊びでも活きるとは。

流石ですね!


線から箱を狙っている子の魔力が揺らいでいる。

左右どちらかに転がすつもりだね…。


躊躇っている時間が勿体ないよ!

全力で走ると球を奪う。


「あれ?いつの間にー!」

「悩んでいる時間が勿体ないよ。それいけー!」


【ドシッ】

最前線にいるエラを目掛けて球を蹴る。


フェニックス様に球が渡ると思っていた子が多かったみたいだからね。

エラが単独だったよ。


球が渡ったね。

エラの独走が始まったよ。


流石は妖精犬(クー・シー)だね。

走るのが速い!


次はどうするのかな?

フェニックス様にはベティーナが張り付いている。


これでは、渡せないね。

エラはフェニックス様に渡す為なのか、球を蹴りながら近付いていく。


ベティーナとフェニックス様に合流すると思われた瞬間に箱を目掛けて球を蹴り飛ばした。

サラマンダー様の予想通りだったみたいですね。


捕るのが難しい左上隅に球は飛びましたが難なく弾きました。

サラマンダー様は捕るのが無理ですからね。


全身を使って弾く訳ですか…。


線の内側で球が止まるように弾いているみたいですね。

そして、近寄ってきた味方に球を渡しています。


んー、1点で勝負が決まるような遊びですね。

箱を守る人は責任重大です。


点を取りに行くのも楽しそうです。


球蹴りもとても楽しい遊びですね。

両方を経験すると、どちらで遊ぶのか迷ってしまいますよ。

クリスタの勘が鋭過ぎます。

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