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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第1章 シェリル

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閑話 ユッタ 予想通りですよ

私は予想しました。

そして、予想通りの結果になりました。


産まれた順から名前を付けました。

ユッチ、ユッツ、ユッテ、ユット…。


ああ、何て事でしょう。

この娘たちは間違いなく私の知識を受け継いでいます。


なのに、何故こんな事で喧嘩になるのですか?

お菓子で派閥まで出来ているのです。


本当に馬鹿ですよ。


「あなた達、喧嘩で魔法を使ったら国から追い出しますからね」

「勿論です。女王様」


ユッチ、そんな事を言っても全身に魔力を延ばしていますよね?

馬鹿なのかしら?


「いいですか?身体強化で喧嘩しても追い出しますよ」

「勿論です。女王様」


ユッツ、そんな事を言っても好みのお菓子以外を水浸しにしようと考えていますよね?

やっぱり馬鹿なのかしら?


私とは繋がっているので考えが丸わかりですよ。


「もう、いい加減にしなさい。あなた達は働いて好きなお菓子を食べればいいじゃないですか。何故好みのお菓子で喧嘩になるのですか?」

「女王様。世の中で大切なのは1番なのです。それ以外は負けです。つまり、負けてはいけないのです」


ユッテの理屈が理解できません。

私の性格も継承していたはずですよね?


「分かりました。1番を決めたいなら女王の私が決めたお菓子が1番でいいのですよね?」

「女王様。この国で1番強い人はシャーロット様ですが国の方針を決めてはいませんよね?つまり、例え女王様でもお菓子の1番を決める権利は無いのですよ」


ユットの言葉で理解しました。

この娘たち、勉強して馬鹿になったんだと思います。


もう、勝手にやってて欲しいわ。

私は自分が好きなお菓子を食べながら喧嘩を観戦する事に決めました。


「女王様。そのお菓子は私が買ってきたお菓子ですよ。勝手に食べたら犯罪です。通報しますよ?」


面倒くさいです。

想像以上に面倒な性格になっています。


私はお菓子屋さんにお菓子を買いに行く事にしました。

自分で買えば文句も無いでしょう…。


「何故付いてくるのですか?まだ、決着はついていないでしょう?」

「女王様にも1票ありますから。どのお菓子を買うか見届けたいと思います」


それならそれで待っていればいいじゃない。

どうせ、自分たちが買うつもりで付いて来ただけでしょう?


ん?

全員が付いて来ていない。

今日は勉強が休みのはず。

仕事も休みにしています。


この娘たち、私に思考を読ませない方法まで考えたに違いありません。

私の性格が元になって産まれたんですよね?

完全に私を出し抜こうとしていますよ。


結果は分かっていますがお菓子屋さんに向かいます。

ほら、予想通りですよ。


売り切れです。


「おや、女王様。つい先程、売り切れてしまいましたよ」


つい先程?

やはり、思考を読ませないようにして買い占めましたね。


ここは思い切った行動をしてみましょう。


「私が食べられそうなお菓子はありますか?」

「本当は明日発売にする予定だったのですが仕方が無いですね。こちらです」


何ですかこれは!

私の羽の様に色々な色が虹の様に重なっています。


「では、それを全て下さい」

「全てですか?10袋用意しましたので2000ギルになります」


相変わらずの安さですね。

本当に私達のお菓子は全部200ギルにするつもりでしょうか?


本当にお優しい方ですね。


「はい。全部下さい」

私は笑顔で2000ギルをおじさんに手渡しました。


「毎度ありがとうございます。持ち運べますか?」

「はい。最近体を鍛えたので大丈夫です」


「そうですか。では、1袋にまとめますね」

「ありがとうございます。また買いに来ますね」


「はい。よろしくお願いします」


身体強化をしてお菓子を運びました。

本当に便利な能力です。

軽く持ち運べます。


「女王様。そのお菓子を1人で食べるのですか?」

「当然です。私のお金で買いましたから。文句があるなら今度自分のお金で買いなさい」


ふふん。

私は綺麗なお菓子を口に入れます。


凄い。

全ての色に違う味が付いています。

今まで食べた中で一番美味しいですね。


敢えて一言だけ口にします。

「ああ、美味し過ぎて今までのお菓子の味を忘れてしまいました」


何も言えないでしょう?

自分達のお菓子が一番美味しいと喧嘩していましたからね。

間違っても食べてみたいなんて言える訳がありませんよ。


ああ、最高です!

悔しそうに眺めるこの娘たちの顔を見ながら食べるお菓子は最高ですよ。

そっくりな性格です。

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