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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第1章 シェリル

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閑話 グスタフ 勘違い

まるで、こちらの考えを先読みして注意された気分だ。

これでは身体強化に励んだ場合の討伐隊と変わらない結果になる。


ああ、最低な気分だ。

自分達で考えている様で、何も考えていない。


与えられたものを習得すればいいと思っていた。

それも、綺麗に否定されてしまったな。


「この状況では人が増えても意味が無いか。シャーロット様の言葉を判断する材料さえこちらに無い事を、もっと考えなければいけなかった。人数を増やしていたら、森の中で孤児たちにやられていた可能性すらある訳だ。どうしようもないな」

「ああ、私も対人経験はほとんど無い。ダンジョンでの魔物に対する危機感については何となく言える事はあるが、人間が使う汚い手に対処しろと言われた場合はアドバイスができない。森の中で二手に分かれて、密偵が持っていた持ち物ありで訓練するだけで違うだろうな。当たり前なのに結局シャーロット様に縋ってしまっているんだろう」


ああ、本当に縋っているよ。

自分達で考えている振りをしているだけに過ぎない。

身体強化は補助だと思えと言われた時に主軸となる作戦が何もない。


これでは道場訓練だ。


試合する前にシャーロット様が警告していたのに一番強い奴ですら意識がいかない。

目の前の相手を倒す事だけしか考えていなかったのが俺ですら分かる。

つまり、相手が奴隷だった場合、奴隷を倒した瞬間に針を打たれて終わっていた訳だ。


「密偵の持ち物からどんな事をしてくるかは推察出来る。何でもありだろうな。奴隷だろうが仲間だろうが関係ない。任務が達成できるなら何でもする。そういう奴の相手をするのに今の訓練では足りないという事だろう。私たちは一歩目すら歩いていないのだな。大軍の相手は厳しくても密偵なら何とかできるようになると思っていたが、甘過ぎたか。シャーロット様の知識だけで何とかしようとしている時点で駄目だったのだろう」

「綺麗すぎたんだ。シャーロット様が綺麗に対応するからな。馬鹿すぎるだろ。自分たちでは到底できない事をしている人を基準にしている。完全に訓練の仕方から見直しだな。身体強化をしようとするのは当たり前で別の訓練方法を考えなければいけない。安易に人数を増やす事にも釘を刺されたしな」


今の状態で獣人の里に声を掛けても無意味だろう。

何となく思ったと言ってたがシャーロット様は常に考えているんだ。


これで、自分達の国だと言えるのか?

シャーロット様の国だと言って誰が疑う?


誰よりも国の事を考えているんだぞ。

俺たちは考えているつもりになっていただけだ。


何かをお願いすれば即実行してくれる。

お願いした内容を拒否された事はない。


つまり、即座に出来る内容の提案しかしていない。

本当に自分たちでは考えていなかったんだ。


飛ばした奴らと自分たちがそんなに変わらなく感じる。

対処してもらい、情報提供してもらい、訓練する術を教えてもらっただけ。


研究してきた奴らは積み重ねがある。

しかし、対人戦に積み重ねは無い。

だからこそ、もっと考えて訓練するべきだった。


何度失敗すれば自分たちを正せるんだ。

シャーロット様がいなければ即座に滅ぼされる。


それが証明された形になってしまっているだけじゃないか。

密偵はこちらの情報を狙っている。

つまり、訓練している内容ですら極秘情報だ。


だから、麻酔針を刺されたと考えるべきだ。

守っているつもりで情報提供しているだけだと教えてくれた訳だ。


密偵に捕まるような下手な訓練は出来ない。

自分たちの身を守るのは当然と考えるか、捕虜となったら自決させるか。


先の先まで考えて行かないと何も変わらないだろうな。

それが、今日だけで良く分かったよ。


分からせる為に来てくれたのだろう。


もっと泥臭く確実に密偵を処理できるように訓練するべきだな。

国防隊は極秘情報の塊になろうとしています。

むしろ捕縛される対象ですね。

最低でもそこは意識しないといけないでしょう。

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