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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第5章 聖地シャーロット

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閑話 クリスティーネ 主動

いつもと同じ1日の終わりだと思っていました。

しかし、子供たちを寝かしつけた後に皆でお酒を飲んでいた時にヴィーネ様から念話(テレパシー)がありました。


内容は全種族からお話を聞くという依頼でした。


国に不満はないと思いますが、お2人には言えないような悩みや要望があるのかもしれません。

それを調査して解決して欲しいという事なのでしょう。


大問題なのは私が主動に選ばれたのです。

しかも、孤児院にはこれだけの優れた人が集まっているのに私なのです。


とても大変な事になりました…。

私が指示を出さなければいけませんよね?


いいえ…、違いますね。


孤児院は家族で仲間なのです。

指示ではなくお願いすればいいですよね。


よし!

頑張りましょう。


この依頼は国を歩き回る必要があります。

まずは、一番お話を聞きやすい教師をしている3人にお願いしましょう。


「おー!やる気になったね。何を言うのかな?」

「神からの使命です!頑張りましょう」

「あなた達は本当に…。普段通りに思ったように言えばいいわよ」


「はい。クリスタとレナーテとビアンカは授業前でも後でも良いので聞き取りをお願いします」

「早速仕事を振られたよ。やるねー!」

「お任せ下さい!神に無駄な行動はさせません」

「安心して下さい。普通に聞き取りをします」


午前中は皆で歩き回りたいです。


ヴィーネ様からの依頼ですけど私が主動ですからね。

楽しく良い経験になるようにしたいのです!


「午前中ビアンカはアレクシアの授業をお願いします。カーリンとシルキーはシェリル区から北を中心に、チェルシーは南東を中心に聞き取りをお願いします。私は南西と街を中心に聞き取りを行います。クリスタとレナーテは授業中の聞き取りの内容で気になった事があれば好きなように動いて下さい。全員が同日に外出はできませんので、外出する人の選出はカーリンにお願いします。せっかくですから、右回りで聞き取りをしていきたいと思います。違う人が聞く事で違うお話が聞けるかもしれません。一周したところで私がまとめて未解決のものがあれば解決できる人にお願いしたいと思います。どうでしょうか?」


とても大胆な事を言ってしまいました。

孤児院の皆が国内を散歩している感じになりますね。


「いいと思うわ。ただ、ビアンカとアレクシアも偶には外出するべきだわ。ビアンカが付いていればアレクシアが迷う事もないでしょうし勉強にもなるでしょう。それくらいかしら?」

「いいんじゃない?皆が全種族に会いに行く訳だからね。私の授業中の苦しみを知るべきよ」

「目的が変わっているわよ。いいと思います。私もアレクシアと一緒に午前中は外出しましょう」

「私とクリスタが自由行動ですか。全ての問題を解決したも同然ですね!」

「面白そうだね。余り外出しないし偶にはこういうのもいいと思うよ」

「お話を聞きに行くのですか…。少しドキドキしますがお任せ下さい」

「実際に多種族を目にする時が来たんだね。楽しみだよ」


好感触ですね!


これでしたら大丈夫そうです。

少し時間が掛かってしまいますが、より良い結果を生み出せるはずです。


「それではよろしくお願いします。目標は孤児院で全ての問題を解決です!」


孤児院が動くのです。

未解決はあり得ません!


「当然だわ。全ての問題を解決して提出よ。孤児院に不可能はありません!」

「その通りだね。精霊様にお願いする時は私かレナーテに任せなさい!」

「神からの使命です。精霊様にお願いするなんて訳無い事です。任せて下さい!」

「全種族を巻き込むのですから未解決はないでしょう」

「頼もしいね。気分転換のつもりで会話を楽しみに行くよ」

「凄いですね。私もできる限り頑張りたいと思います」

「ここは孤児院だよ?まだまだ勉強不足だね。問題解決が当たり前なんだ…」


アレクシアは分からないのかもしれませんね。

せっかくの機会ですから伝えておきましょう。


「孤児院は皆が家族で仲間です。そして、最高戦力でもあり、最大勢力でもあり、孤児院に不可能な依頼はお2人しかできません。しかし、今回の依頼でお2人しかできないものは無いと思います。研究員の要望を聞かない限りは大丈夫です。勿論聞くつもりはありません」


研究員の要望は確実にお2人を巻き込みます。

今回の依頼は全種族の小さな悩みや要望を解決するのが目的のはずです。


別件で対応していただきましょう。


「資料室を作ってもらった甲斐があったね。研究員は社までお願いに行くから放置でいいよ」

「ええ。あの方たちには遠慮がありません。こちらから要望を聞きに行く必要は無いわ」

「孤児院の会話だとは思えないよ。秘儀を覚えて努力しないと話にも入れないじゃない」


その通りです!

秘儀を誰よりも鍛えてこそ孤児院なのです。


やはり魔獣見学が必要です…。

今ならお願いしても大丈夫ですよね?


「アレクシアが秘儀を覚えたら魔獣見学に連れて行って下さい!」


大丈夫でしょうか?

出過ぎた真似をしていないですよね?


「いいねー。依頼は完了したようなものだし魔獣見学の方が大切だね」

「シルキーがいますから私も参加できそうね。新鮮なお肉を調達しましょう」

「私も参加しましょう。偶には国外に出ないといけません」

「経験が足りないと思っていたところです。私も参加します!」

「みんな血の気が多過ぎだよ。私とシルキーが残ってるから行ってらっしゃい」

「私は子供のお世話をしています。頑張って下さい」

「孤児院だよね?魔獣見学って何かな?私が秘儀を覚えたらそんな事が始まるの?」


良かったです!


孤児院の大人は強くなければいけません。

シルキーには必要ありませんがアレクシアには必要な事でしょう。


クリスタとカーリンとレナーテがいれば色々と試せるはずです。

このような機会は滅多にありません。


前回の私は動けませんでした…。

次回は攻撃を受けたとしても即死しなければ大丈夫でしょう。


どれ程の痛みか分かりませんが覚悟を決めましょう。

即死しないように攻撃を受ける事ができるのか試すべきです。


今の私では避けられない事は分かっていますから。

絶対に即死を回避してみせます!


クリスタの様子が少し変ですね…。


「あれ…?クリスティーネは魔獣見学で何を目標にしているのかな?」

「即死しないように攻撃を受ける事です。上手く避けられないのは分かっています。次回は即死しなければ助けてもらえるのです。痛みは覚悟しています。絶対に即死を回避してみせます」

「孤児院の会話だよね?本気でこんな事が行われるの?」


少し部屋の空気が変わりましたね。

どうしたのでしょうか?


「なるほどねー。攻撃を受けても死ななければいいんだ…。これは作戦会議が必要でしょ?」

「そうね…。どこまで許容するのか考えておきましょう。とても大切な事だわ」

「私が参加するのです。絶対に死なせません。安心して下さい!」


クリスタ、カーリン、レナーテがいれば間違いはありません。

この国の最高戦力であり2人も回復魔法が使えるのですから。


「3人が参加していれば即死しない限り助かります。痛みで動けなくなるかもしれませんが、必ず即死は回避してみせます。犯罪者と魔獣に勝てない限り子供は守れません。それまでは魔獣見学に連れて行って欲しいのです」


孤児院で働いているのに子供が守れないのはあり得ません。

犯罪者と魔獣に勝つのは最低条件なのです!


「よーし!カーリンかレーナテのどちらかは必ず付き合いなさいよ。最高の魔獣見学を続けようじゃない」

「ええ。孤児院ではとても大切な事だわ。私かレナーテは必ず参加しましょう」

「素晴らしい覚悟です。任せて下さい!」

「とんでもない事をするつもりのようね。手伝える事があれば協力します」

「これは作戦会議必須だね。孤児院らしくていいじゃない」

「頑張って下さい!子供のお世話はお任せ下さい」

「秘儀を覚えたら犯罪者や魔獣と戦う事になるんだ…。ここは孤児院だよね?」


ヴィーネ様の依頼は孤児院の皆が動くので問題ありません。

魔獣見学に向けて覚悟を決めておきましょう!

クリスティーネらしいですね。

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