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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第1章 シェリル

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国防隊の訓練

討伐隊の壊滅を受け現在の国防隊の訓練が気になった。

余り人のやることに口を出すつもりは無いのだが私が結界を張っている。


今まで密偵の相手は私がずっとしてきた。

だから、気になるのかも知れない。


今どのような状況だろうか?

転移魔法(テレポート)


街長室に行きマリアンネを誘う。

「マリアンネ。国防隊の訓練を見に行くんだけど一緒に行く?」

「はい。一緒に見学したいと思います」


「じゃあ一緒に行こうか。転移魔法(テレポート)


マリアンネと一緒に訓練所を訪ねる。

「やあ、グスタフ。少し訓練を見せてもらいに来たよ」

「シャーロット様に街長。どうぞご覧になって下さい」


私とマリアンネは一緒に座って訓練を確認する。

なるほど、身体強化をメインに鍛えているね。

悪い事では無いと思う。


身体強化を極めれば負ける事が無いから。

ただし、お互い同じ条件ならの話。


これでは国が守れない。


「ねえ、身体強化を極めたら国を守れると考えているのかな?そうだとしたら少し間違えているよ。余程の事では負けないと思う。当然魔獣には簡単に勝てると思うんだ。でも、相手は人だよ。その事を踏まえているとは思うけど綺麗すぎるよ。相手は魔法も使うし奴隷も使う。マリアンネはどう思う?」

「元冒険者として見るなら確かに綺麗ですね。ですが、訓練で身に付きますか?」


なるほど。

マリアンネは経験によって身に付くものだと考えている訳だね。

冒険者としてダンジョンに潜って来た経験だと思うんだけど…。


マリアンネも勘違いしている可能性が高いね。

相手は人だという事を理解しないと。


「訓練を見ていて思うんだけど危機感が足りないよ。別に殺す気で訓練するべきだと言っている訳じゃなくて、相手が何をしてくるかをもっと想定するべき。今の訓練では簡単に負けるよ。マリアンネ、少し訓練の相手をしてあげて」

「分かりました」


「グスタフ。マリアンネの相手は国防隊で一番強い人にして。当然国を守る事を意識しているという前提での訓練だよ」

「分かりました。フェリクス、お前が相手だ」

「分かりました」


マリアンネとフェリクスが向かい合う。

この時点で私としては失格だよ。


綺麗な試合をしようとしているから。

フェリクスはマリアンネしか見ていない。


「合図はグスタフがしてね」

「分かりました。では、ようい・・・・始め!」


私はフェリクスに麻酔針を刺す。

そして、マリアンネの一撃を片手で受け止める。


「終了。この国の負けです。分かったかな?密偵の持ち物は提示してあったよね?フェリクスがされたのは何だと思う、グスタフ?」

「麻酔針を刺されたのでしょうか?」


「正解だよ。みんな目の前の相手しか見てないんだよ。それでは国は守れない。綺麗な攻撃をする人は少ないよ?誰もいないのが分かっている状況ならそれでいいと思う。でも、私はマリアンネと一緒に来て訓練を提案した。何かあると疑わなきゃ駄目だよ。獣人は力比べをし過ぎる傾向がある。人間はもっと残酷だよ。何も知らない子供に毒針や麻酔針を持たせたりもする。元冒険者もそう。対人経験がなさすぎるんだよ。ハイエルフの森を借りて二手に分かれて訓練すれば全く違う物になるよね?私が言った事を習得すれば国が守れるようになると思っちゃ駄目だよ。私が言った事は補助として、基本は自分たちで考えないと何も変わらないよ。今の状態では人数が増えても一緒だと思う。相手に簡単に捕縛される。私が簡単に相手を捕まえているから勘違いしちゃうのかな…。んー、分かんないや。ごめんね。何となく思った事を言ってみただけだよ。じゃあ、戻るね。マリアンネはどうする?」

「私はここに残ります」


「そっか。訓練頑張ってね。またねー転移魔法(テレポート)


社に帰り寝転がりながら考える


やっぱり思った通りの訓練だった。

綺麗すぎるんだよ。

目の前の相手を倒せば終わりじゃない。

目の前の相手が本当の敵だとは限らないんだから。


そういう事を、もっと自分たちで考えて訓練すれば、違ったものになると思うんだけどね。

道場訓練では駄目ですよね。

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