表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第4章 神国シャーロット

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

304/425

閑話 イザベラ 服屋

仕事も終わりましたので帰りましょう。

商人の審査基準も変わったので大変です。


全ての行商人が信用できません。

再確認に訪れる度に登録者数が減っていきます。


本当に世界はどうなっているのでしょうか…。

奴隷が人ではないと当前の認識になったらより酷くなります。


人間と獣人は自分たちで首を絞めている事に気付いていません。

それに、シャーロット様とヴィーネ様を悲しませる大馬鹿ですよ。


色々と考えながら副組合長室から出る為に扉を開けました。

扉を開けるとエルヴィーラさんが待っていました。


私の元まで来てどうしたのでしょうか?

また何かあったのでしょうか?


「仕事が終わったようだね。新しい国民を見に行かないかい?」


平和な話で良かったです。


ヴィーネ様が注意する程ですからね。

服屋として確認しておきたいですね。


「そうですね。シャーロット様から服の依頼が入っていると思いますから見に行きましょう」


2人で階段を下りていくとアグネスとエトヴィンが言い争っていました。

これはまた珍しい光景ですね…。


「何してるんだい?もう帰る時間じゃないか」

「そうですよ。2人が言い争っているなんて珍しいですね。何かありましたか?」

「エトヴィンがメリュジーヌを見に行くと言っているのです。カーリン軍として制裁ですよ。ヴィーネ様から注意されたのに覗きに行こうとするのですから。ボコボコにして埋めるべきです」

「僕は結婚していないから関係ないだろ?誰が文句を言うんだよ。何でカーリン軍が動くんだよ!」


おやおや。

ただの痴話喧嘩でしたか。


微笑ましいですねー。


「エトヴィンがメリュジーヌを覗きに行ったと言ってもいいのですね?カーリンに伝えておきましょう。さあ、一緒に見に行きますよ!」

「カーリンに知られても問題ないのだろう?さあ、一緒に行こうか」

「カーリンお姉ちゃんには私から伝えておきます。さあ、お行きなさい!」

「分かりました…。見に行きませんよ。カーリン軍が動いたら終わりじゃないですか。何ですか…」


余程カーリン軍は怖いのですね。

まあ、ボコボコにされて埋められるのは嫌ですよね。


カーリンが不快に感じたら終わりですからね。

覗きに行ったと知られたら確実に不快に思われます。


絶対に埋められますね!


「アグネスは行きますか?エルヴィーラさんと今から見に行くところですよ」

「それでは私もお付き合いします。ヴィーネ様が注意する程ですから確認は必要ですね」

「それじゃあ3人で行こうか。エトヴィンには報告してあげるよ。まあ、見に行ったら確実に後悔する気がするからね。止めた方が賢明だよ」

「僕もそんな気がしてきました。途轍もなく危険な気がします。危ない橋を渡る必要はありませんからね」


私もそんな予感がします。


エトヴィンは納得してくれたようですね。

では、3人で向かうとしましょう。


商人組合所からそこまで離れていません。


目的地に近付くにつれて人が増えている気がします。

この男どもは馬鹿ですね…。


平然と覗きをするような男は結婚できないでしょう。

無視して先に進みます。


あれは…。

「はぁ…。すみません。先に行って下さい。バカ息子がいましたので説教してきます」

「あんたも大変だね…。あそこまで注意されても見に行くのかい。ほんと男は馬鹿だねー」

「がっかりですよ。この国の男性は駄目ですね。孤児院の子が成長するのを待ちますよ」


バカ息子の肩を後ろから掴みます。

「あんたは離婚したいのかい?何しにここに来ているのか説明してみな」

「仕事に決まっているじゃないか。俺は服屋だぞ!注文が入っているんだよ。どんな服を作ればいいのか分からないじゃないか」


本当に子供の頃から変わらないね。

言い訳だけは一人前だよ…。


「シャーロット様がエルナに説明して下さっていると思うんだけどね。何も聞いてないの?」

「エルナはシャーロット様に連れてきて下さったみたいで直接見たそうだ。難しい依頼だと言ってたけど俺には見に行くなと言うんだよ。悩んでたから手伝ってやろうとしてるんだぞ?おかしいだろ?」


エルナは見たんだね。

それで、行くなと言われて気になったのね。


おかしいのはあんただよ!

妻に注意されても見に来てるのかい。


「エルナが見ているのならあんたが見る必要は無いだろ?いつから女性ものを作るようになったんだい?離婚したいの?」

「手伝うだけだよ。エルナがかなり悩んでいたから手伝ってやらないと駄目だろ?しっかり測らないと手伝えないじゃないか」


どうしても見たいんだね…。

見なくてもいくらでも手伝えるだろうに。


「あんたは馬鹿なのかい?1つ見本ができれば手伝えるじゃないか。何で見に来る必要があるのよ。ヴィーネ様が注意したのに見に来るなんて恥ずかしくないのかい?情けない男だよ」

「仕事で見に来るのは別だよ。ヴィーネ様も分かってくれるに決まってる」


そうだといいけどね…。

ここまで馬鹿が多いと注意が入りそうだよ。


「やあ、この国の男性は私を不快にさせるのが好きなようだね。ヴィーネの注意を無視して群がっている男性は私が知っている秘密を全部暴露させてもらうよ。覗きたいなら全てを捨てる覚悟で覗くんだね。またねー」


予想通り注意が入ったね。

ここにいる馬鹿たちは隠したい秘密があるのだろう。


蜘蛛の子を散らすように去ったね。


「だそうだよ。さあ、一緒に見に行こうか!お前のどんな秘密が聞けるのか楽しみだよ」

「ま、ま待ってくれよ。シャーロット様の秘密暴露は流石にまず過ぎる。生まれた時からシャーロット様は知っているんだぞ?丸裸じゃないか」


丸裸の女性を覗こうとしているんだろ?

自分も丸裸になれば丁度いいじゃないか。


「シャーロット様も言ったじゃないか。全てを捨てる覚悟で覗けとね。丸裸になるに決まっているじゃないか。服屋が丸裸とは笑わせてくれるね。さあ、行くよ!」

「もういいよ!じゃあ、母さんが代わりに見てきてくれよ。俺は本当に仕事で来たんだぞ。ほら、測ってきてくれよ。本当にどんだけ疑われるんだよ…。全くやってらんねーぜ」


言い訳用に仕事道具まで持ってきて。

本当に情けない息子だよ…。


「子供みたいな言い訳ばかり言ってないで帰りな。シャーロット様の暴露がいつ始まるか分からないからね。まあ、私は聞きたくて仕方ないけどさ」

「分かってるよ。とりあえず、真面目に測ってくれよ。本当に難しい依頼なんだからな」


「しつこいね。私も気になって見に来てるんだ。しっかり測るよ。男は帰りな!」

「ああ、分かったから頼んだよ」


本当に言い訳ばかり言って。

どれだけ見たかったのか。


仕事で来た可能性もあるだろうけどさ。

恐らく測れないだろうね…。


服屋が大恥を掻く事になるよ。


そこまでは考えが及ばないみたいだ。

全くバカ息子なんだから…。


シャーロット様の秘密暴露は洒落にならないだろうね。

国外退去も視野に入る程の恥ずかしい秘密が隠されているのだろう。


秘密が暴露されても問題のない男がいないのがいい証拠じゃないか。

恥ずかしい過去を持つ馬鹿な男だけ見に来ていたようだね。


早く2人に追い付かないといけませんね…。

柵の前で止まっているのは何故でしょう?


「どうしました?回り込まないのですか?」

「私らだけだと建前が無いからね。イザベラがいたら服の仕立ての件で来たと言えるじゃないか」

「同性ですが覗きに来たみたいで恥ずかしいです」


確かにそうですね…。

同性でも間違いなく覗きですからね。


「では、仕事道具も息子から渡されましたし行きましょう」

「ほぉー!本当に仕事をする気だったのかもしれないね。やるじゃないか」


「言い訳に持ってきただけですよ。万が一の可能性で仕事ですよ」

「そうなのですか。とりあえず見に行きましょう!」


柵の先にある建物に入ると、お風呂の中にいる彼女たちが見えました。

ああ、これは流石に駄目ですよ…。


バカ息子は何を測るつもりだったのかね?

予想通り恥ずかしくて測れないよ…。


同性の私でも恥ずかしいからね。

魅力的過ぎるよ。


お風呂まで近付き話し掛けます。


「服屋から来ました。誰か測らせてくれませんか?どんな服にすればいいのか悩んでいるのです」

「あんた行ってきな。わざわざ来て下さったんだ。失礼な事はするんじゃないよ」

「分かりました。行ってきます!」


族長が声を掛けたのでしょう。

1人の女性がお風呂から立ち上がるとこちらに来ました。


物凄い美女ですね…。


金髪で艶のある髪が腰まで流れています。

上半身裸で背中には大きな翼があります。

下半身は蛇のようですね。


とても艶めかしい姿に見えますね。

気品まで感じられますよ。


「お待たせしました。よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします。なるほど。立派な翼があるのですね。胸を隠すのが大切なのですよね?」

「はい。絶対に胸は隠すようにと言われました」


そうでしょうね…。

これは絶対に隠すべきですよ。


「これは隠さないと駄目ですよ。とんでもありませんね。覗きに来た男は制裁ですよ。やはりエトヴィンも制裁したくなってきました」

「同性でも恥ずかしくなるもんだね。老婆が見ても気恥ずかしいじゃないか。このまま国中を歩かれたら大混乱だ。シャーロット様が本気で止める訳だよ」


「空は飛びますか?」

「高く飛びあがる事は余りしませんが飛べますよ」


翼の動きを阻害する形は駄目ですね。


「胸の大きさに個人差はありますか?」

「私たちは妖精ですので差はありません」


妖精だったのですか…。

道理で気品を感じる訳ですね。


個人差がないのであれば見本を1つ作れば量産できます。

細かい設計は後から考えればいいのですから。


「では、測らせてもらいますね。胸は触っても大丈夫ですか?」

「はい。何も気にしませんので好きなだけ触って下さい」


何という危険な妖精でしょう…。

馬鹿な男の鼻の下が伸び続けますよ。


揺れる胸を隠すように設計する必要がありますね。

それに、彼女たちは胸が見られても恥じらいを感じていない様子です。


絶対にズレる訳にはいきません。

彼女たちはズレても直さない気がします。


「イザベラさん。これは大仕事ですよ。馬鹿な男性が量産される可能性があります」

「そうだね。ハイエルフよりも酷い状況が予想されるよ。頼んだよ」

「任せて下さい。どんなに揺れてもズレずに隠せるように設計しますから」


これだけ大きくても垂れていません。


触ってみましたがしっかり張りがあります。

それに、平均的な人間の大きさを軽く超えています。


ここまで大きいと計測をしっかりしないと厳しいですね。


バカ息子は本当に測りに来たかもしれないね。

恥ずかしくて絶対に測れないだろうけど…。


「ありがとうございました。最初は同じ服になってしまいますが、色々と個性が出せるような服も用意していきますから是非買いに来て下さいね」

「はい。よろしくお願いします!」

「すまないね。私たちには胸を隠す意味が分からないからね。任せるよ」


とんでもない妖精ですよ…。

族長が胸を隠す意味が分からないとか言っています。


3人でお風呂を後にして少し離れてから話し始めました。

「とんでもないね。胸を隠す意味が分からないとは驚いた。大問題だよ」

「馬鹿な男は埋めましょう。カーリン軍の本気を見せますよ。任せて下さい!」

「決して人前で胸が出てしまう設計はしませんから安心して下さい。それでも注目は集めてしまいそうですけどね」


「あれは無理だね。流石に大き過ぎるよ。とても隠し切れないね。せめて揺れるのを隠すのが精一杯だろうさ」

「なんて羨まし…。いえ、違いました。よろしくお願いします」


アグネスの本音が漏れましたね。


男を虜にするなんて訳ないでしょう。

それだけの破壊力があの胸にはありましたからね。


色々な設計を思い浮かべながら家に帰りました。

「ただいま。真面目に測ってきたよ。エルナはこの数字を見て設計しておくれ。なるべく揺れを最小減にしたいから針金を入れた方がいいね。形が分からないように胸を隠すような設計にする必要があるよ。これはかなりの大仕事だね。カールは見たら終わっていたよ。離婚だね。あんたが出ていきなよ」

「ありがとうございます。やはりこれ程ですか。止めたのに出ていくなんて本当に馬鹿ですよ」

「何で俺が出ていく事になるんだよ。何を見たんだよ。な、何だよこの数字は…。説明が無くても分かるじゃねーか。どんな顔して測ればいいんだよ。服屋が測りに行って鼻血が出たら恥じゃねーか」


本気で測るつもりだったようだね…。

しかし、数字を見ただけで鼻血が出ると思うのはどうなの?


やはりバカ息子だよ。


「変態な服屋だと広まるだろうね。だから、出ていきなと言ったんだよ。カール、あんたは測れないだろ?あの子たちは胸を見られても触られても平気だそうだ。丸裸になっても見る価値はあるよ。さあ、行くのかい?」

「そんな馬鹿な真似できないだろ。俺は服屋だからな。胸を覗きに行った訳じゃねーよ。本当に信用しねーな。まあ、見たい奴の気持ちも分かるけどよー、覗いて見ても意味ねーんだよ。エルナはとりあえず基本となる見本を1つ作ってくれ。俺はそれを隠すような設計をするからさ」

「分かったわ。今回は共同作業で作るわよ。1ヵ月で80人分。シャーロット様から100万ギルもいただいているからお金は十分にあるからね」


夫婦で共同作業だね…。

本当に難しい依頼だよ。


今回は信用しようじゃないか。

エルナが困っていたから測りに行ったとね。

カールは妻を助ける為に測りに行きました。

本当なんです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ