授業を終えて
今日の授業は刺激が強過ぎたかな?
ちょうどいい刺激になってくれればいいけど、どうなんだろうね。
討伐隊と同じような事は起きて欲しくないから。
みんな真剣に聞いていたから大丈夫だと思うけど…。
長老も真剣に聞いていたから初耳の情報だったかも知れない。
そして、私は次の事を考えている。
やはり、危険が大きい気がするな…。
大きい魔石に私の無属性魔力を入れる。
何かあった時の保険のつもり。
さて、試してみようかな。
私は両手を合わせて無属性の魔力を光属性に変換していく。
「うぐっ…」
吐血とともに激痛が体に走る。
やはり、体の内部が耐えられない様だ。
人の体では致命傷だろうね。
じゃあ、真祖ならどうだ。
光属性に変換した魔力を放出…。
ちょっと待った!
核がない属性魔力を放出すると、どうなるのかな?
魔力の情報を核が制御しているのだとしたら、無制御で爆発する可能性も考えられる。
以前に真祖の力を解放した時のように、誰も周りにいない海の上空に転移魔法する。
さて、お母さんの血の使用を止めて真祖の状態になる。
膨大なエネルギーの爆発でも真祖なら死ぬ事はないと思うけど…。
死んだらごめんね。
体の中にある光属性の魔力を球状で遠くに飛ばすイメージで放出する。
「どんっ!」
魔力を放出した右腕が吹き飛んだ。
「痛い、痛い、流石に痛い。これは駄目だ」
これは使えないな。
真祖の状態でなければ、半身が吹き飛んでいたかもしれない程のエネルギーを感じた。
理屈は分かった。
核が無い光属性の魔力が体から放出された時、自然界にある無属性の魔力と結合したんだ。
そして、爆発的にエネルギー量が増大した。
ただの自爆技だね。
心配性だな。
すぐにジェラ姉ちゃんが転移して来た。
「あなた、何やってんのよ!」
「少しだけ体の中の無属性を光属性に変えた後に放出してみた」
「それで右腕吹き飛んでるんだ。真祖になって警戒している辺りは流石だけど危な過ぎるわ」
「分かってるよ。もしかしたら身体能力の向上に、さらに繋がるかもしれないと考えたんだ」
「どうせ街の人たちの為でしょ?どんだけ心配性なのよ。そろそろ完全に任せなさい」
「分かってるよ。徐々にだけど任せてきているよ。ただ、国を守るだけの人数もいないし実力も足りてないから、子供たちに何かあったら嫌なの」
「本当に馬鹿なんだから。そんな事試そうとしたのは、シャルと姉くらいよ。姉は笑ってたけどね」
「一緒にしないでよね。私は未来の発展の為にやってみたの。殺戮を楽しむお姉様と一緒にしないで下さい」
「自然界に属性魔力が存在しない理由はそれでしょね。結局爆発してなくなっちゃうわ」
「そうみたいだね。腕も再生したし。反省もしたし。戻るよ。心配して見に来てくれたんでしょ?ありがとね」
「あまりにも音が大きかったから気になっただけよ。そんじゃ、またねー」
姉ちゃんは恥ずかしそうに転移していった。
素直じゃないんだから。
「やはり危険過ぎる事を教えてしまったかな。んー、上手く利用してくれるといいけど。ちょっと様子を見ないといけないね。教えた私の責任だよ」
あ、海底に魔石見っけ。
結構大きいけど持って帰ろう。
私の実験はいつもこんな感じで本当に馬鹿な事ばかりやってるよ。
シャーロットは危険な事は自分で試すタイプです。
自分の体が丈夫だからですね。
転んでもただでは起きません。




