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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第4章 神国シャーロット

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閑話 フェニックス 期待感

んー、世界樹の上で眠れるなんて気持ちがいいですね。

こんな日が来るとは思いませんでしたよ。


1日の始まりを楽しみに感じたのは生まれて初めてですね。

この国に来て良かったです!


地上に下りましょう。


スイー、バサバサ。

・・・・。


「ベティーナさん、おはようございます。学校の事を教えていただけませんか?あれ…?赤ちゃんが大きくなっていますね。えー!大きくなり過ぎですよ!昨日赤ちゃんだったではありませんか」

「二月で成体になりますからね。ちょうど今日だったみたいです。この子たちは私の知識を受け継いでいますので名前を付けてあげたら学校に通わせます。学校はですね、一言で言うと物凄く強くなれます。シャーロット様の考えた技術を全て学べるのです。フェニックス様ならどこまで強くなるのか想像できませんね。最低でも古代種(エンシェント)ドラゴンですから。この国の外では絶対に負けませんよ。だから、秘密の技術なのです」


そんなにとんでもない技術が学べるのですか!

私が古代種(エンシェント)ドラゴンよりも強くなってしまうのですね。


最高ですねー!


牢屋なんて軽く破壊できるではありませんか。

そもそも今後は囚われる事があり得ませんでしたね。


それだと、力に目覚める必要が無いですね…。

力に目覚めたら何でもできる気がしますが、このまま強くなれるのでしたら必要ありませんね。


今までは早く力に目覚めたいと強く思い続けていました。

ここに来てからは目覚めたくない気持ちに変わりました。


不思議ですね…。


「是非一緒に通いましょう。あ、サラマンダーとお話しする約束がありますので、少し行ってきます。学校は何時からですか?」

「13時からです。中央にある噴水の奥の3つ並んでいる建物の一番右の建物ですよ。最初は初等科から始まって、試験に合格すると中等科、高等科と進めます。それに、美味しい食べ物がたくさんありますから是非食べて下さいね」


美味しい食べ物ですか。

今まで食べられてばかりの生活でしたからね…。


そういう楽しみもあるのですね。

最高ですねー!


「分かりました。13時までには戻ってきます。エルダードワーフはどこに住んでいるのですか?」

「ここから西にある森の中の階段で洞窟に下りれますので、そこに住んでいますよ。中央の噴水の真ん中の研究所の中からも洞窟に続く通路がありますが、森の階段から下りるのが一番早いです」

「ありがとうございます。ベティーナさんは親切で優しいですね。これからもよろしくお願いします」


うーん…。


なにか畏まっている雰囲気ですね。

シャーロットみたいに気軽に接して欲しいのですが。


時間はあるので大丈夫ですね。

そのうち慣れてくれます!


バサバサ、バサバサ。


様々な種族が住んでいますね。

とても凄いです!


・・・・。


飛ぶとすぐに森に着きました。

あー、森の中に階段らしき穴がありますね。


あそこから下りるのですね。


コツコツ、コツコツ。


・・・・。


「おはようございます!ここにサラマンダーいますか?」

「ん?見かけない鳥だね。サラマンダーはアーロンと遊んでいるよ。あんたは誰だい?」


まるで子供のようですが、エルダードワーフのおばちゃんですね。

かなり高齢ですよ。


「フェニックスです。不死鳥と呼ばれています!話せるのですよ!凄いでしょ?」

「フェ、フェ、フェニックス…。あなたが伝説のフェニックスですか。すぐにサラマンダーを呼んできます」


何でしょう…?

褒めてくれませんね。


避けられている訳ではありませんが緊張されているみたいですね。

残念ですよ!


シャーロットが特別なのでしょうか?

友達ですから特別ですよね!


ペタペタ、ペタペタ。

サラマンダーが来てくれました。


「フェニックス、来てくれてありがとう。僕の足だと時間が掛かるからね。話というのは謝りたかったのさ。ごめんね。精霊女王の使命なんて無視すれば良かったと昨日ドリュアスと話して分かったんだ。世界の理と関係ない命令をされていたみたいだよ。本当にごめんね」

「私に何かしていたのですか?サラマンダーに何かされた記憶はありませんよ?」


雛になった私に会いに来てくれていたくらいですよね?

他に何かされているのでしょうか?


「フェニックスは不死だから復活する時に雛に戻るよね。実はその時に記憶が消えちゃんだよ。それを入れ直すのが僕の使命だったんだ。拷問された嫌な記憶ばかり入れるのは僕も嫌だったんだよ…。助ける事ができたのに観察しろと言われていたからね。ごめんね」


私は死ぬと記憶が消えてしまうのですか。

それだと、新しい生命に変わっていますよね?


雛ですから…。


「ありがとうございます。せっかく話せるようになったのですから、もし次に死ぬような事があっても記憶を入れて下さいね。この国は楽しそうですから記憶を消したくありません」

「そうだよね…。頑張るよ!フェニックスが力に目覚めたとしても記憶を残せるように頑張るからね」


サラマンダーが凄く辛そうです。

何か隠しているのでしょうか?


うーん…。


精霊が気遣ってくれているのです。

ここは甘えておきましょう。


「はい、お願いしますね。そうそう、痒い場所があるので、羽が抜けると思うのですが誰が貰うのでしょうか?」

「この国の環境ならすぐに成長が始まってもおかしくないね。ちょっと待っててよ…」


翼を広げて抜けそうな羽を抜きます…。

3本は抜けそうですね。


嘴で痒い羽を抜きましょう。

スル、スル、スル。


んー、痒みが収まって気持ちがいいですね。


奥から全力で走ってくる子供のようなおじさんがいますね。

彼にあげればいいのでしょうか?


「はぁはぁ、フェニックスだね?羽をくれるのかい?本当にいいのかい?」

「いいですよ。どうぞー!」


嘴で咥えて3本の羽を渡す。


「え?3本も貰っていいの?黙っていれば皆に分からないね…。ちょっと待っててね」


また、全力で奥に走って行きました。

小さな鞄とりんごを持って戻ってきましたよ。


「この鞄を首から下げておいて。毎日おこづかいをあげる約束になっているんだ。羽を3本もらったから3万ギル入れておいたよ。本当は1日1000ギルだけど、秘密料という事でよろしくね。それと、これが美味しい果物だよ。食べてみてよ」

「フェニックス。そのりんごはシャーロットが植えたりんごだよ。食べてみたら驚くよ!」


サラマンダーが戻ってきましたね。

りんごに驚くのですか…。


「では、いただいます。シャク、シャク…、りんご?これはりんご?嘘でしょ?どんな魔法を使えばこんなりんごが実るのですか?流石私の友達ですね!りんごの味も変えてしまうのですか。これはいくらですか?」


お高いのでしょう?

私も長い年月を過ごしていますからね。


記憶の中ではですけど…。


きっと3万ギルなのでしょう。

この方はこのりんごが買えるようにお金を入れてくれたのですね。


「200ギルだよ。だから、1日1000ギルのお小遣いで十分だと思ったんだ。十分でしょ?1000ギルあれば大概の食べ物を買えるみたいだよ」

「200ですか?このりんごが200ギル?お金儲けとかしないのですか?儲けるつもりが無いですよね?」

「シャーロット様はお金儲けをしないよ。このりんごは妖精に無料で食べさせてあげていて、妖精がお菓子とか他の食べ物を買えるように売っているんだよ。お金儲けをしてもいいけど、派手にお金を儲けようとしている人はこの国にはいないね。お金を儲けなくても世界一幸せな国だからね」


なんですと?


私の世界の常識が通用しないではありませんか。

ついに未知なる世界に飛び込んでしまったのですね!


「シャーロットの国は凄いですねー。強くなれるし、食べ物も安いし、他にもありそうですね!」

「ここはシャーロット様の国じゃないよ?皆の国なんだよ。今はヴィーネ様が国長をしているから、ヴィーネ様が治める国だけどね。シャーロット様は偶々国を守っている土地神様として崇められているよ」


うそっ!


崇められているのですか?

流石シャーロットですね!


魔人なのに地上世界の人々に崇められるなんて凄い事ですよ。

私は何故魔人だと分かるのですか…?


吸血鬼ですけど真祖ですよね?


「シャーロットは吸血鬼の真祖ですよね?私は何故分かるのでしょう?見たら種族が分かるのですよ。私は何者でしょうか?飛んでここに来る時にも様々な種族を見ましたからね。うーん…。不思議です…」

「フェニックスに聞きたい事があったんだ。世界樹から流れているエネルギーって見えるかな?」

「はい。この国の地上に残滓がありますね。世界樹からエネルギーを流したのでしょう。ん?世界樹のエネルギーとは何ですか?あー、私が分かりません!誰か教えてー!」


サラマンダーは納得している感じですよ。

何を納得しているのか教えて欲しいですよね。


1人だけ納得しているのは駄目ですよ!


「どうしたの?フェニックスが困っているみたいだけど?」

「あー!シャーロット聞いて下さいよ。私が世界樹のエネルギーを見えるって言ったらサラマンダーが満足気になって黙るんですよ。教えてくれそうもありませんし、私は何者なのでしょう?」


シャーロットなら分かるはずです。

私の初めての友達なのですから!


「そんな事を気にしていたの?世界樹のエネルギーが見える私の友達だよ。何者ってフェニックスでしょ?フェニックスは凄いって言ったじゃん。凄いの!話せる鳥なんてフェニックスだけなんだよ?世界一凄いに決まってるじゃない。話せるんだよ?この国でも自慢しちゃいなよ!」

「そういう事ですか!なんだー、深刻な話かと思いましたよ。そうです!私は話せる世界一凄い鳥なのです。学校で自慢しますよ。今日からベティーナさんと学校に通うつもりなのです。楽しみですねー」

「なるほどね。そういう風にするんだ。シャーロットの思いは分かったよ。僕もそのように対応するね」


サラマンダーが意味深な事を言っていますよ。

まさか、今まで私が世界一凄い鳥だと知らなかったのですか?


勉強不足ですよ!


話せる鳥は私しかいませんよ。

何故だか分かりませんがそんな気がします!


「サラマンダーは移動が大変だよね。火事にならない場所に火魔法(ファイア)の魔石を配置するよ。大変でしょ?」

「それは助かるね。是非お願いするよ。歩いて学校まで行くのは遠いからね」

「サラマンダーは火の中に移動できますからね。便利ですよねー。学校を燃やさないで下さいよ!」


「そんな馬鹿な真似を精霊がする訳ないでしょ?誰も火傷しないようにするよ。心配しなくても大丈夫だからね」

「アーロン、火魔法(ファイア)の魔石を配置できるような置物を作ってくれないかな?5個用意して欲しいな。魔石だけ置いておくのは格好が悪いからね。誰かに任せてもいいからお願いね」

「任せてよ!今は最高に気分がいいからね。僕が作ってもいいくらいさ。最高の刀ができるのを待っててよ。ついに次元が斬れる刀ができちゃうかもしれないよ」

「刀で次元を斬るのですか?それって刀ですか?世界破壊兵器じゃないですか。シャーロットは絶対に振り回さないで下さいよ!」


「え…?今の刀で星が斬れるんだけど、次は次元を斬っちゃうの?どうやって手加減すればいいのか流石に検討がつかないよ」

「シャーロットが腰に下げている刀は星を切断できるのですか?世界の崩壊じゃないですか。既に世界崩壊の危機ですよ。とんでもないものを持っていますね。流石シャーロットです!」

「いやいや。おかしいよ。僕が聞いていても怖過ぎるよ。刀で星が斬れるの?斬れちゃうの?僕は次元を斬る刀を作るお手伝いをしちゃうの?世界の理を既に壊しているよ。この国に来ると強制的に無茶苦茶させられるんだ。僕も無茶苦茶だよ…。精霊女王を斬るなら次元くらい斬れた方が安心だよね!」


精霊女王を斬るのですか?

無視するのが一番ですよ。


世界を拒絶しているみたいですからね。


「ええー?私が精霊女王を斬る事になっているの?眠っているから放置だよ。無視すればいいの。永久に眠らせておけばいいんだよ。起きて変な事したら対処するけどね」

「ドリュアスの予想通りだよ。実にいい答えだね。僕も頑張らないといけないね。学校に行って次元を斬る刀のお手伝いだよ」

「精霊女王は殻に閉じ籠っていますからね。無視が一番ですよ。世界を拒絶していますから。絶対碌でもない人ですよ」

「あー、楽しみだよ。観賞用までしか打てないけど十分だよ。フェニックスの羽を刀に打ち込んでみせるから楽しみに待っててよ」


流石シャーロットですね!

世界を拒絶している人は無視するのが一番です。


起きて変な事をしたら何とかするのが最善ですよ!


「多分鬼ごっこに夢中になるから夕暮れまで帰って来れないけどね。子供たちに負け続ける事になるよ。では、またねー。転移魔法(テレポート)

「鬼ごっこが子供たちの間で流行っているのですか。負けられませんね。世界一の私が負け続けるなんて許されませんよ。世界一の凄さを見せ付けてやりましょう!」

「1日でそこまで染まっちゃうの?僕としては見ていて嬉しいけど、多分負け続けるよ?一緒に頑張ろう」

「そうだね。夕暮れまでは遊んできた方が楽しいよ。仕事ばかりしていても疲れてしまうからね。僕も夕暮れまでは待っているよ」


この国は楽しみで溢れていますね。

学校に行くのが楽しみで仕方がありません。

私はこの先どうなってしまうのでしょうか。


最高ですねー!

楽しみがいっぱいです!

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