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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第4章 神国シャーロット

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閑話 アマーリエ これから

何でこんな事になるの?

どうして当たり前の事ができないの?


私のできる事が何で皆できないの?

階級社会の意味が何も無いよ…。


何でシャーロット様の言葉を疑ったの?


秘儀を生み出したのはシャーロット様だよ?

孤児院の大人だけを強くする理由はあるの?


少し考えれば分かるよ…。

何も考えていないの?


それに、秘儀の訓練に秘密なんてないよ。

クリスタ先生やレナーテ先生を見れば分かるもん。


見ていないのかな?

見ても分からないのかな?


どっちだろう…?


でも、桁違いな努力をしているのは間違いないからね…。

無意識に魔力を動かせるようになるまで努力したのが分かるから。


授業をしながら魔力を動かしていたんだよ?

話しながら魔力を動かせないのだから普通は気付くよね?


私が教えないと駄目だったのかな?

秘密があると疑ったという事は教えてあげないと駄目だったみたい。


でも、常識だと思っていたもん…。


階級社会を無視して私が指導すればよかったよ。

二度も記憶を消されるなんて最低だよ…。


裏切り過ぎだよ!


ヴィーネ様の念話(テレパシー)は余りにも予想外だった。


皆は生きて帰ってきた事を喜んでいたよ。

私は生きて帰ってきた事は嬉しいけど複雑な気持ちだった。


記憶を消された3人は洞窟待機とお母さんが命令した。

私が学校で情報収集してくると言ったから。


孤児院だけにはシャーロット様から念話(テレパシー)が届いている。

本当に問題があった人だけは飛ばしたから動くなという事みたい。


孤児院が本気で動いたらどうしようもないからね。

殺される可能性だってあるから…。


それを、シャーロット様が止めてくれてたよ。

私はそれが凄く悲しいな…。


授業が終わった後は鬼ごっこに参加せず洞窟に帰ったよ。

そんな気分にはなれなかったから…。


「お母さん、聞いてきたよ。国が平和なのはヴィーネ様が犯罪者に対処しているからたけど、大人は知らないの?活動報告書は読んだ事ないし初めて聞いたけど、犯罪者への対処を記録している資料だと思う。国防軍と警備隊は誰も読まなかった。それだけで記憶を消される理由になるよ。それなのにシャーロット様の言葉まで疑った。孤児院の大人の努力に秘密があると思った。子供より強いのはその人たちだけだから。でも、秘密が無いのは子供たちの中では常識なんだよ。秘儀を真剣に鍛えていれば誰でも分かるもん。ヴィーネ様が念話(テレパシー)で訴えたと言っていた言葉を口にした人は飛ばされているよ。飛ばされたのは国防軍の隊長アリスターさん、アンゼルムさん、ハーラルトさん。隊長の人間1人と獣人2人だよ。帰ってきた3人は飛ばされた3人に同調したのだと思う。国防軍と警備隊の全員が同調したから解散じゃないのかな?孤児院はシャーロット様が止めてくれたよ。孤児院が動くと殺される可能性があるから」

「そう…。お疲れ様だったわね。エリーザ、何故活動報告書を読まなかったの?秘儀に関する記憶は消されていても、活動報告書の記憶は消されていないでしょ?何が記載されていたのか教えてくれない?」

「犯罪者の対処はヴィーネ様の指示が前提だと思っていました。何も指示が無く犯罪者を目にした事もありませんでしたので平和だと思っていました。ですから、何も追記されていないと思い読みませんでした。活動報告書はアマーリエの予想通り、戦争や犯罪者に対処した記録です。国防軍の再テストの日から昨日までに200人以上の犯罪者に対処していました。ヴィーネ様がシェリル区より北に犯罪者を入れないようにしてくれていたのだと思います」


そんなにも犯罪者が入国しているの?

絶対に毎日何人も対処しているよ!


何もせずに平和を維持できないのはセイレーンがよく知っているでしょ?

何でヴィーネ様の指示が前提だと考えているの?


国防軍はお2人の指示が無くても国を守る為に組織されたんじゃないの?

絶大な力を持っているからといって甘え過ぎだよ…。


「ヴィーネ様の指示が前提だと思った理由は何かしら?」

「国防軍の再テストの時に、ヴィーネ様が当面は最寄りの合格者に念話(テレパシー)するから犯罪者に対処して欲しいと言われましたので、それを待ち続けてしまいました」


なにそれ!

待ち続けて何もしていないの?


それなら、活動報告書の確認くらいはするべきだよ。

犯罪者が来ているかどうかは分かるもん。


自分に指示が無ければ平和だと考えるのはおかしいよ!


「なるほど…。では、突如飛び出していった理由は?」

「活動報告書に必ず目を通して言われていたのに誰も読んでいませんでした。本気で鍛えるのも頭を使うのも当然だと言われました。私たちが弱過ぎて念話(テレパシー)できないと言われました。国が平和だと思っているの、と言われました」


最悪だよ!

必ず目を通せと言われて無視している。


ヴィーネ様の言う通りだよ!

弱過ぎて犯罪者の対処を指示できないだけだよ。


私の考えが甘かったみたい…。

少しでも鍛え続けていれば大丈夫だと思ったから。


国防軍の再テストで何を言われたのか聞くべきだった。

最低限の仕事もしていなかったんだね…。


秘儀の努力以前の問題だよ。


誰かが指示されていると思わないの?


国防軍なら言われなくても毎日確認するべき資料だよ。

読めと言われているのに読んでいないのは本当に最悪だよ。


だから、頭使えって言われたんだよ。

弱いままだから頭くらいは使って欲しいって意味だったと思うな。


「3人が飛ばされた理由は何となくでも覚えているの?」

「活動報告書を皆が読んだ後に、アリスターさんが人間と獣人だけで対応すると言いました。その結果、シャーロット様が来て必要ないと言われました。理由は弱過ぎるからです。アリスターさんがシャーロット様と話していました。孤児院の女性たちに追い付いた期間で自分も子供たちに追い付くと。その期間はテスト後から昨日までの間に過ぎていました。孤児院の女性たちが子供に追い付いた早さは異常だと感じました。アリスターさんはこれ以上は鍛える時間がない。子供に追い付けないのは仕事があるから。孤児院の女性たちは鍛え方が違うと思うから教えて欲しいとシャーロット様に言いました。ヴィーネ様が教えてもいいけど記憶を消すと言われた時に何か秘密があると思ってしまいました。シャーロット様が何もないと言ったにも関わらずです。ヴィーネ様が何を言われたのかは曖昧ですが、秘密は何も無かったと記憶しています。余りにも桁違いに鍛えていると感じ、秘密があると思った自分が情けないと思った記憶は残っています」


飛ばされた3人は余りにも酷過ぎる。


弱いのに3人で対応するって頭が悪過ぎるよ。

まずは、皆で何ができるか考えるべきだよ…。


犯罪者に殺されるからシャーロット様が止めたんだよ。


仕事で鍛える時間が無いから子供に追い付けない?

国防軍と警備隊はとても弱く、鍛え方も甘過ぎると学校では有名だったよ。


子供たちの努力を侮辱しているね…。


孤児院の女性は鍛え方が違うから教えて欲しいって最悪だね。

努力とは違う何かがあると疑っているよ。


孤児院で働いている女性は暇だと言いたいのかな?

教師と兼任の人が多いのは常識だよ!


秘儀を鍛える特別な何かを知っていると思ったの?

侮辱し過ぎだよ!


殺されなかったのが奇跡だね。


アリスターさんは相当自分に自信があったみたいだね。

自分の鍛え方が最善だと思ったんだよね?

弱いのを全部何かのせいにしているもん。


どうかしてるよ…。


「アマーリエ、正直に言いなさい。3人の強さはどうだったの?」

「弱過ぎるよ。秘儀を覚えて初歩を少しずつ鍛えていたからね」


「それを3人に伝えなかった理由は?」

「国防軍と警備隊が全員弱いのは学校では有名だったから。弱くても鍛え続けていれば記憶は消されないと考えていたよ」


「あなたが思う今回の問題は何かしら?」

「活動報告書を読んでいない事とシャーロット様の言葉を疑った事だね」


活動報告書を読んでいれば問題は起きなかったのかな?

でも、弱い3人で犯罪者に対処しようと考えた時点で終わっている気がするな。


その場合は3人が飛ばされただけで済んだのかな?

うーん…、分からないね。


「何故3人だけが飛ばされたのかしら?あなたの考えを聞かせて」

「弱いから頭を使えと言われたのに3人だけで対応するつもりだった。子供たちを侮辱した。孤児院の女性たちを侮辱した。孤児院の女性は暇か、特別な鍛え方を知っていると疑っているから。シャーロット様が何もないと言った後なのにね。3人は特に強く疑ったのだと思う。シャーロット様なら3人を殺している気がする。ヴィーネ様だから飛ばされたんだよ」


孤児院と子供を侮辱している時点でシャーロット様は殺していると思うな。


ヴィーネ様は全員を殺さない為に3人だけを飛ばして罰に差をつけたのかな?

とても厳しい場所に飛ばされているのかもしれないね。


「エリーザが歌の教師を続けるのはどう思う?」

「辞めるべきだよ。シャーロット様を疑ったと皆に伝わっているもん。子供たちは絶対によく思わないよ。他の人に代わるべき」


エリーザ様に皆がどう反応するのかが予想できないもん。

シャーロット様を疑った教師が今まではいないからね…。


だから、絶対に辞めるべきだよ。


「シャーロット様とヴィーネ様はどう思っていると予想しているの?」

「シャーロット様は飛ばされた3人以外に被害が出ないように孤児院に声を掛けているから、そこまで気にしてないと思う。ヴィーネ様はシャーロット様を疑ったから許していないと思う。だけど、ヴィーネ様はとても優しいから普通に生活していれば問題は無いよ」


シャーロット様はほとんどの大人を見放している気がする。

歴史を見ると住民の大人が裏切り過ぎているから…。


だから、解散するのも想定内なのだと思う。


ヴィーネ様はどうなのかな?

シャーロット様を疑っていなければ違った気がする。


解散させずに、疑った人だけの記憶を消すと思う。


「よく分かったわ。エリーザ、あなたも子供を産みなさい。セイレーンの再興を最優先にするわ。エーディトが歌の教師をしなさい。私とエリーザは子供の出産を続けます。他の皆は夜の学校で全教科合格を目指しなさい。何か質問は?」

「それで良いのでしょうか?何の罰も受けていません」


また赤ちゃんが産まれるの?

絶対にその方がいいよ!


学校で勉強も絶対にするべきだね。

何も考えていないような行動が目立つから。


罰って何かあるのかな?

土地神りんごを食べたら駄目とか?


この環境で罰を用意するのは難しいよ。


「この恵まれた環境で罰にできる事が何かあるの?子供を産んでセイレーンを再興させて、少しでも恩返しできるようにする事が大切です。夜の学校で全教科合格して少しでも知恵を身につける事も大切です。戦う事だけが恩返しではないわ。国に貢献できるになりなさい。全教科合格は絶対条件です。いいわね?」

「「分かりました!」」


お母さんが族長みたいだよ!

うん、族長だったね…。


裏切るような事はして欲しくないからそれが一番だよ。

この人数で恩返しが難しいのはよく分かったから。


これから先、秘儀を覚えるのは子供だけでいいよ。

記憶を消されて帰されるのは裏切りの証が残っているみたいだから。


覚えている方が辛いよ…。

ユーリアには知って欲しくない。


「アルマとデリアはセイレーンの代表として、最速で全教科合格を目指しなさい。ヴィーネ様は全教科合格者にバッチを用意して下さいました。それを服に付けていればヴィーネ様の改革に貢献している証になるでしょう。全力で努力しなさい!」

「「はい!」」


最高なのがヴィーネ様の改革のお手伝いができる事だけどね。

勉強しないと何もできないよね…。


絶対に全員バッチ取得だよ!


「セイレーンはシャーロット様とヴィーネ様に救われていなければ絶滅していた可能性が高いわ。貢献できる方法があるならそれをするべきです。私たちに残されている貢献は種族の再興と勉強です。動かなければ何も変わりません。全員分かったわね?」

「「分かりました!」」


「お母さん、ユーリア以降に産まれた子は全員私が引っ張るよ。いいよね?」

「いいでしょう。但し、高等科卒業が条件よ」


「当然だよ!絶対に高等科で卒業するから」

「ええ。楽しみにしているわ」


お母さんから約束を取り付けた。

これから先、セイレーンの先頭は私が歩き続けるから!

頑張るお姉ちゃんは全力です!

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