シャーロット 赤ちゃん
ベティーナが赤ちゃんを産んで一月。
そろそろ様子を見に行かないといけないよね?
妖精猫の赤ちゃんは間違いなく可愛いよ!
ユリウスが赤ちゃんを産んで二月。
セイレーンは恥ずかしがり屋だし、赤ちゃんが泳げるようになるまで八月かかるみたい。
アマーリエお姉ちゃんが頑張っているからお祭りの日に見せてもらおう。
セイレーンの赤ちゃんも間違いなく可愛いよ!
「ヴィーネ、ベティーナの赤ちゃんを見に行こうよ!」
「私たちが行くと緊張しないかな?大丈夫なの?」
「出産直後だと色々大変だと思ったから一月待ったんだよ。エラたちも育児に協力しているみたいだし、今なら問題ないよ。土地神りんごを買ってから行こう!」
「そこまで言うなら行こうかな。私も赤ちゃんを見てみたいからね」
ヴィーネが一番可愛い赤ちゃんだけどね。
本人には黙っておこう。
絶対に拗ねるから!
「じゃあ、行こうか。転移魔法」
妖精の店の前に移動した。
「やあ、土地神りんごを9個ちょうだい。お釣りはいらないよ」
店員の妖精に1万ギルを手渡す。
「すぐに用意します。みんな全力だよ!」
「「はい!」」
すぐにフーゴのお店でお菓子を買いそうだよ。
私がお金を使えば市場が賑わうからどんどん使わないとね。
妖精の飛ぶ速さもかなり上がったね。
二度と人間や獣人に捕まらないよ。
「お待たせしました。土地神りんご9個です」
「全然待ってないよ。ありがとう」
時空魔法で社に土地神りんごを9個を置く。
「じゃあ、ヴィーネ行こうか。転移魔法」
ベティーナの家の前に移動した。
「ベティーナ、ヴィーネと一緒に赤ちゃんを見に来たんだけど入ってもいいかな?」
「どうぞお入り下さい」
「じゃあ、お邪魔しまーす。わぁー!可愛いね!二月で生体になると聞いていたけど、まだ赤ちゃんなんだ」
「本当だね。赤ちゃんだと土地神りんごは食べられないんじゃない?」
20cmくらいだ!
ここまで小さいのは予想外だったよ。
土地神りんごは食べられないだろうね。
「母乳をあげているの?」
「はい。2ヵ月間は母乳です。生体になるまで母乳をあげます」
「へぇー。こんなに小さいのに後一月で生体になっちゃうんだ。凄いね!」
ここから一月で同じ大きさまで育つんだ。
凄い成長速度だよ!
「土地神りんごを9個買ってきたから食べられる分だけ食べて。エラも来ているみたいだから一緒に食べてね」
時空魔法で社から土地神りんご9個と10万ギルを取り出す。
ベティーナに10万ギルを手渡す。
「生体になったらお菓子とか買ってあげてね。ベティーナは学校に復帰する?赤ちゃんを産む?」
「ありがとうございます。大切に使わせていただきます。土地神りんごはエラと分けて食べたいと思います。この子たちが成体になった後、学校に復帰します。今後も1年に一度出産をする予定でいます。妖精犬と同じ人数になるまでは出産したいと思っておりますが、そこから先はエラと相談したいと思います」
「凄いね。どんどん学校が賑やかになるよ。ベティーナってお菓子以外にお金を使ってる?」
ヴィーネが国長として心配しているね。
お金の使い道が無いのに仕事をしてもらうのは悪いからね。
「偶に土地神りんご酒を買いますが、基本的にはお菓子とジュースです」
「そっか、お金の使い道があるならいいんだよ。問題はあの2人だね。結婚してないし後継者もいないからね。警備隊になっている場合じゃないよ!」
「心配しなくても大丈夫だよ。結婚しなくても誰かが後を継いでくれるから。国が大きくなれば結婚相手も見つかるよ。ヴィーネの腕の見せ所だね」
それが一番難しい事なんだけどね。
人を増やせば問題も増えるし大きくなる。
「大人を住民にするのは難しいよ。獣人の里で懲り懲りだよ。国を発展させながら大きくしたいとは思っているけど、まずは国内を安定させてからだね。きちんと運営できる国になってから考えるよ」
「ヴィーネが楽しんで国長をしているのなら好きにすればいいよ。赤ちゃんは抱っこしても大丈夫かな?」
「はい。抱っこしてあげて下さい。まだ話せませんし感情もはっきりとしていませんので、普通の猫と変わりませんから」
部屋の中には8人の赤ちゃん妖精猫がニャアニャア鳴いているんだよね。
まだ立てないみたいで猫との違いが分からないよ。
この部屋にいるだけで癒されるね。
私の足に頭をこすりつけている子がいたので優しく抱っこする。
「毛がフサフサしているし温かくて可愛いね。抱っこしていると癒されるよ」
「私も抱っこしよー。…、本当だね。気持ちが安らぐよ」
「お2人にそう言ってもらえると嬉しいですね」
長い時間滞在しているとベティーナが気疲れしちゃうよね。
名残惜しいけど早めに帰ろう。
赤ちゃんを優しく床に下ろしてあげる。
急いでお母さんの元に走っていったよ。
緊張していたのかもしれないね。
お母さんと一緒にいるのが一番だよ!
「じゃあ、そろそろ帰るね。楽しませてもらったよ。ヴィーネ、行こうか」
「うん…。じゃあ、またねー。転移魔法」
社に帰ってきた。
少しわざとらしく言ってヴィーネを抱きしめちゃおう。
今日なら絶対に大丈夫だね!
「あっ!一番可愛い子を抱きしめるのを忘れていたよ」
ヴィーネを抱きしめて頭を撫でる。
(私は赤ちゃんじゃないよ…)
「んー?何も聞こえなーい!」
ヴィーネの耳が赤くなっているから照れているね。
私も満足したし背中をポンポン軽く叩いて離れる。
「いやー。最高に癒されたよ。もう寝ようか!」
「うん…」
布団を敷いたらすぐにヴィーネが入る。
私も隣に入る。
「じゃあ、おやすみー」
「うん…、おやすみー」
ヴィーネがすぐに抱き付いてきたけど、今日は力強いね。
さっきの仕返しかな?
可愛い反抗だね!
嬉しいヴィーネちゃんでした。




