閑話 ジェラルヴィーネ 説教(前半)
私としては国防軍なんてどうでもいいと思っている。
母さんは子供を戦わせるつもりはない。
だから、形だけでも子供が成長する前に国を守る組織を用意しておきたかった。
何もしなければ子供に守ってもらう国になってしまうから。
そうなる事が予想できるから最低でも下地は作っておきたかった。
実際はどうなるかというと…。
この国が他国の襲撃に遭った時、私たちが動けなければ子供たちは必ず戦う。
そして、それは国防軍よりはるかに強いし頼りになる。
母さんは私とゴロゴロできるなら場所はどこでもいいと考えている。
ただし、クリスタとカーリンが生きている限り絶対に動かないと確信している。
私もそれでいいと思っている。
楽しいからね。
その間に何か問題が起きても孤児院だけで対応が可能。
国防軍は孤児院の誰よりも絶対に成長できない。
説教をする意味があるのか分からない。
国内で子供たちに殺しをして欲しくないだけなのかもしれない。
「母さん、国防軍への説教は私でいいんだよね?」
「私がするつもりだったけど、何で?」
「母さんが自分の事を語れるなら大丈夫だと思うけど、恥ずかしくないの?」
「あー、私がかなり絡んでくるね。ヴィーネに任せるよ。お願いね」
やっぱり恥ずかしいらしい。
普通の感性をしていたら恥ずかしいに決まっているよ。
念話。
「マリアンネ、今日の19時に国防軍を全員集めて学校の1階、一番東の教室に集合させてね」
「かしこまりました」
さて、時間になるまで母さんとゴロゴロする。
ゴロゴロしていると約束を忘れそうになるよ。
時間の感覚も曖昧になるからね。
国防軍の為に母さんと離れるのは嫌だよ。
面倒だよ…。
「さあ、ヴィーネ行ってらっしゃい」
「はーい…。行ってきます。転移魔法」
教室に移動して全員が揃っているか確認する。
8人揃っているね。
秘儀の話をする為、1重結界を張る。
機密情報だからね。
ご機嫌のクリスタが動き出したのが気になるね…。
大人に教える教科なんてあったかな?
「お待たせ。集まってもらった国防軍に話があるんだ。エリーアス、秘儀で誰に追い付くつもりか教えてくれないかな?」
「勿論クリスタさんです。秘儀を覚えた以上は一番強くなるつもりです」
「この中でクリスタに追い付けると思っている人は何人いるのかな?」
うーん…。
マリアンネ以外は全員追い付くつもりなんだ。
「目標じゃなくて、追い付くつもりなんだね。じゃあ、エリーアス。何故追い付けると考えたの?」
「秘儀を使った強さであり、私も秘儀を教えて頂きました。同じ技術を使えるのです。当然追い付けるはずです」
「バルドゥルもクリスタに追い付けると考えているよね。何でかな?」
「秘儀の強さであり極めればいいだけです。秘儀が元になっている強さだと分かっているので可能だと思います」
「エリーザも同じだよね。何でかな?」
「秘儀を教えて頂いたのです。クリスタ先生に追い付く必要があると思っています」
私も思っていた以上にクリスタが好きなんだね。
自分の内面に気付かされるとは思わなかったよ。
殺したくなってきた。
「みんな同じような答えだね。エリーアスは私や母さんにも追い付けると言う事かな?」
「いえ、お2人の力は桁違いです。絶対に追い付けません」
ここで殺したらクリスタと一緒だね。
少しは我慢しないと。
「同じ技術しか使ってないけど何で?何か違う事しているかな?」
「私が使えないものばかりです。これから先も使えるようにはなりません」
使えないのは努力をしていないから。
これから先も使えないのは努力の仕方を知らないから。
分かりやすいように話しているつもりなんだけど、伝わらないね。
「それじゃあ、秘儀は何で追い付けるの?追い付けないとは思わない理由は何?」
「秘儀は使えるようになったからです。それに、クリスタさんも覚えてそれ程の時間は経っていません」
「全員が授業で受けた初歩から成長していないけど、どうやって成長するつもりかな?追い付けると思っていると言う事は、何か根拠があるんだよね?」
「勿論です。秘儀はシャーロット様を深く知る必要があります。まだ、強くなれる程シャーロット様の知識がないのです。それに、子供たちは誰もクリスタさんに追い付けていません。必ず何か秘密が隠されています」
マリアンネだけじゃないんだね。
国防軍はこんな風に考えているんだ。
強くなる為に母さんを深く知りたいなんて、私の前で良く言えたよ。
殺して下さいと訴えているように聞こえたけど?
あ、しまったー!
結界が弱過ぎて私の殺気が少し漏れちゃった…。
【バリーン】
はぁ…。
何の躊躇いも無いね。
超問題児が結界を破壊して乱入だよ。
やっぱり警戒していたんだ。
クリスタの把握能力が明らかに人間には不可能な領域だよ。
絶対に母さんから何か貰っているね。
結界を張り直さないと…。
3重結界。
「私の授業中に邪魔しないでよ。何で躊躇いなく結界まで壊しちゃうの?」
「えー?ヴィーネ様は殺す気だったじゃないですか。私が殺してもいいですよね?シャーロット様とヴィーネ様は変な所で優しい所が似ているのですよ。だから、私が泥を被ろうと来た訳です」
全員顔を青くしているよ。
私とクリスタが殺すと言ったら脅しではないからね。
私って変な所で優しいかな?
クリスタに言われるとそんな気がしてきちゃうよ。
しかも、母さんに似ていると言われると間違いないと思っちゃうね。
「せめて授業が終わってから判断してよ。私だって嫌々しているんだから。それより、母さんから何か貰ってないよね?」
「な、何を言っているのですか?ヴィーネ様だって私の行動を把握しているんですから、私が何か貰う機会が無いのは分かっているじゃないですか」
間違いなく何か貰っているね。
母さんが特別に何かをあげるなんて余程の事をした時だ。
1つだけ私でも感謝したくなる事があったよ。
お祭りの時、叔母さんの相手を夕暮れまでしてくれている。
偉業だよね!
私は訓練場にクリスタの像を置いてあげようかな。
「分かったよ。叔母さんと組手をしたご褒美だ。内容は秘密にしてあげるから授業が終わるまで静かにしててよね」
「鋭いですねー。分かりました。皆が私を怖がっているのでヴィーネ様の隣で座っていますね」
クリスタは母さんとの秘密は絶対に漏らさない。
それは、相手が誰であれ関係ない。
話すくらいなら平気で自殺する。
覚悟が違う。
だから、私も問い詰めない。
もー、私の隣で体育座りしていたらおかしいでしょ!
国長の私が授業をしているんだよ?
普通は立たないかな?
自由過ぎるよ!
「クリスタは何で座っているのかな?今は私の授業中だよ?」
「席に座ると怯えられるし、ヴィーネ様の横に立つと私が授業しているみたいで嫌ですよ。私の授業時間は終わったのです」
身長差があるからクリスタの方が教師に見えると言いたいのかな?
まあ、そう見える事実があるから反論しにくいね。
でも、普通は立ってるよ?
「はーい。邪魔者が1人増えましたが続けるね。マリアンネ、エリーアスの発言を子供が知った場合どうなるか答えられる?」
「はい。散々説教されましたので答えられます」
マリアンネの子供は優秀だね。
問題が大きくなる前に親の勘違いを直してあげたんだ。
「では、子供に聞かれた場合どうなるか教えてあげて」
「分かりました。その瞬間に全力で殴られます。つまり、殺されます。国防軍がこの考え方をしていると知られた場合は潰されます。最悪の場合は皆殺しです」
んー、改めて考えてみても異常な国だね。
母さんは子供に殺しをして欲しくないのに、母さんの為に子供は殺しをする可能性がある。
国防軍の7人は唖然としているね。
何故そんな事になるのか分からないから。
余りの衝撃に私とクリスタが殺そうとしているのを忘れていないかな?
「クリスタ先生が教育すると子供も異常になるのかな?流石だね!」
「立派に育っているようで嬉しいです。私の努力も報われました!」
念話。
「クリスタ、マリアンネは君との会話の記憶を消したよ。本人の望みだからね。子供に説教された事で気付いたみたい。安易に聞いてはいけない、知るべきではなかったって。一生懸命に話していたのに残念だったね。私も会話の捕捉をしたんだけど残念だよ」
「やはり死ぬ覚悟は無かったですか。子供を産んで怖くなったのかもしれませんね。冒険者時代なら大丈夫だったはずですから」
国防軍の隊長になったのだから戦って死ぬ覚悟はあると考えた。
冒険者時代のマリアンネを知っていてたからだね。
「マリアンネ、何故子供たちに殺される事になるのか教えてあげて」
「秘儀を舐めているからです。初歩もまともに使えないのに、クリスタに追い付けると言葉に出せる。現実が全く見えていません。秘儀を舐めているのはシャーロット様の事を舐めていると子供たちは考えます。それが、子供たちは許せません。更に強くなる為にシャーロット様の事を深く知ろうとしている。シャーロット様を知る事はこの国の恩恵を受けていれば当然の事で、強くなる為に知る事ではありません。その考え方も子供たちは許せません。そして、秘儀に秘密が隠されていると考えている。頭が悪過ぎます。仮に秘密があったとしても使えません。何故なら基本的な魔力の動きもできていないからです。子供たちはクリスタの魔力の動きが見えません。つまり、目に見えない速さで魔力を動かしていると考えています。そして、その速さで動かせるように本気で鍛錬しています。初歩の次に待っているのは恐怖です。子供たちは手や足が破裂する恐怖と毎日闘っています。片手だけ目に見えない早さで魔力を手に溜める。これだけを真剣に鍛錬しても子供たちにはできないのです。子供たちはクリスタに追い付けると言う大人に対して呆れるか馬鹿にします。秘密が隠されていると考えている事についても同じです。子供たちの目にはクリスタの全身が光って点滅しているように見えています。つまり、クリスタは魔力を全身に見えない速さで動かし続けている事が分かります。私の子供の考えでは、クリスタは常に全身が弾け飛ぶ鍛錬をしている異常者という事になります」
授業を毎日のように受けている子供たちの方が正確に把握しているね。
全身が弾け飛ぶ可能性にまでたどり着いているのは流石だよ。
「実に素晴らしい子供だね。特に最後がいいね。クリスタを異常者だと親に伝える。クリスタの教育は凄いね。自分が異常者だと子供たちに教えているんだね」
「酷過ぎません?学校の子供が全員私を異常者だと思っているじゃないですか。点滅しているように見えるんですね。じゃあ、もう少し早く動かして光り続けているように見せます。解決ですね!」
「私は子供たちに説教をされたけど今の会話で確信した。クリスタ、お前は異常者だよ!」
点滅しているから異常者だと思われたと勘違いしたのかな?
光り続けているように見える速度で魔力を動かすことができる。
クリスタは鍛錬だから少しだけ遅く動かしていたに違いない。
点滅していた魔力が常に光り続けていたら、移動速度が上がったと思われるよ。
異常者は常識が無いから、そういう所が分かってないよね。
残念だけど、母さんと同じだよ。
「今の話で分かったかな?秘密の有無に関わらず、全身が弾け飛ぶ魔力の移動を一瞬で行う事もできないのに、クリスタに追い付くとか自信を持って言えるのは頭が悪過ぎるんだよ。ジェラルディーンと組手ができるクリスタは実戦でも一瞬で魔力を動かす事ができる。全身に魔力を延ばす事すらできない国防軍がクリスタに追い付くなんて、はっきり言えば不可能なんだよ。1日の鍛錬で何回死ぬ可能性があるのか数えられない程、クリスタは魔力を動かしている。母さんは子供たちとの鬼ごっこで現実を教えてあげるつもりだった。だけど、君たちは子供には勝てないけどクリスタには追い付けると考えた。母さんも想定外だよ。子供たちの努力まで否定し、近道があると考えるんだから。それに、国防軍のテストに合格した時に手加減されている事に気付いていない。母さんが君たちに自信を付けさせる為に嘘を言っていた事に気付いていない。孤児院にいるレナーテを想定した殺気を全開で解放したら全滅するんだよ。クリスタを想定した殺気なら死ぬんだよ。それ程、集まった人たちは覚悟が足りなかった。国を守る覚悟、秘儀を知る覚悟、全然足りないよ。それと、獣人の族長が2人いるから話しておかないとね。母さんは獣人の里にかなりの機会を与えた。与え過ぎだよね。その結果、全員が攻めて来ると言う最悪な行為をしてくれた訳だけど、殺意がある人と里長は魚や海獣の餌。殺意が無い人は島に飛ばした。その島にはドミニクと検問兵も飛ばしている。さて、どうなったでしょうか?クリスタ先生、答えて下さい」
「私がお願いして3人を殺してもらいました。当然ですよね?生きている方がおかしいですから。本当なら私が処刑したかったのですが、島に飛ばされた後に知りましたから。ですから、シャーロット様とヴィーネ様に殺して欲しいとお願いしたのです。言っておきますけど、島の形が変わったのは私のお願いのせいではないですよ。ヴィーネ様が手加減しないからいけないのです。文句があるならヴィーネ様に言って下さいね」
クリスタのお願いが【島に隕石を落として欲しい】だったからね。
3人だけ殺せば良かったけど、この国に殺意を持って攻めた馬鹿は全員巻き込みたかった。
それには気付いているだろうけど、私の責任にしても誰も何も言えないと分かっていないのかな?
絶対に分かっていないだろうね。
クリスタだもん。
獣人の族長2人は怖いだろうね。
当然のように殺そうと動くのが私ではなくクリスタだから。
「クリスタは優しいところもあるんだよ?3人が生きていると孤児院に知られていたらどうなったか教えてあげて」
「この国の獣人の大人は皆殺しにされます。私は助けてあげたんです。おかしいのは孤児院の信者ですからね。危ない報告書は信者の目に入らないようにしていますし、問題がある人は私が静かに処理するのが最適なんですよ。孤児院が動いたら被害が甚大になりますからね」
恐怖で固まったかな?
この国は異常なんだよ。
決まり事を平気で無視する人たちの方が強いんだから。
私は母さんの為にしか動かないと宣言しているし周知されている。
つまり、誰かが母さんの為に動く事については黙認する。
孤児院は母さんと私の為にしか動かない。
その事を住民たちは常識として知っている。
母さんが止めるかどうかは相手によるとしか言えない。
だって、カーリン軍の一員だからね。
「国防軍の皆、これで分かったかな?ふざけた事を考えているのが孤児院に知られたら種族ごと皆殺しにされる可能性があるよ。歴史の教師のビアンカに、強くなりたいからシャーロット様の事を教えて下さい、なんて言った日には終わりだよ。自分だけが死ねるといいね。孤児院では母さんの歴史を教えているけど意味が違う。秘儀を覚える資格があるのは母さんの歴史を深く知っている人だと決めている。強くなる為に母さんを知ろうとはしない。新人のクリスティーネは母さんの歴史の授業を受けたにも関わらず、更に深く知りたいからクリスタに秘儀や魔法を教えてもらうと言ったからね。奇跡だよ!絶対にレナーテを選ぶと思っていたのに真面目過ぎだよ」
「孤児院の中で私を選ぶクリスティーネは才能に溢れていますよ。人を見る目がありますね。あの子の才能を開花させてあげるのが私の使命ですよ」
何を偉そうに言ってるんだか…。
才能に溢れているとか関係ないよ。
しかも、人を見る目があるかは怪しいね。
異常者を選んでいるんだから。
あー、孤児院には異常者しかいなかったね。
「目が覚めたかな?子供にも追い付けるか怪しいし、秘儀を鍛えているつもりでも成長していない。馬鹿な考えをすれば殺される可能性がある。この国で一番怖いのはクリスタだからね。結界を破って乗り込んできたでしょ?クリスタは母さんの笑顔を奪った相手は必ず殺すと決めている。クリスタが殺そうとした相手が私と一緒だった場合、当然助けないから。そして、孤児院長のカーリンに不快だと思われたら終わりだね。カーリンだけでもかなり強いのに、カーリン軍は最強だから。孤児院の子供の半数以上。つまり、100人以上にボコボコにされる。そして、苦しませてから殺す事が決まっている。何故ならカーリン軍の行いは全て黙認されるから。そして、母さんが許さない。殺さないと私が怒られちゃう。この国には決まり事がある。殺人禁止だね。でも、母さんに関連する事に限っては全て黙認される。常識だから忘れたら駄目だよ?」
「カーリン軍は強過ぎますよ。攻めてきたドラゴン1000体より強いですからね。それなのに、カーリンは気付いてないんですよ。あの子ちょっと天然なんで。でも、子供からの人気は絶大です。カーリン軍はカーリンに気付かれないように相手を処理します。まあ、埋められてボコボコにされるだけですよ。カーリンが泣いていたら殺されるでしょうけどね…、シャーロット様に」
カーリンが泣いたら終わりだね。
母さん大激怒で地獄の拷問が始まるよ。
カーリン軍が殺しを我慢できるのかも怪しい。
「さて、目が覚めた国防軍は秘儀を鍛えないといけないよね。この場合、最適な方法と問題点をマリアンネは教えてあげられるかな?」
「子供に教えてもらいましたので大丈夫です。それは、鬼ごっこに混ぜてもらう事です。子供たちの動きは見えますから魔力の動きも見えます。かなり効率のいい訓練方法ですが最大の問題があります。子供たちが国防軍を邪魔だと思う可能性が高いです。鬼ごっこに混ぜてもらおうとしただけで潰されるかもしれません。子供たちは本気で鬼ごっこをしています。秘儀は自主練習です。練習の成果を鬼ごっこで試します。そして、全力鬼ごっこに向けて本気で訓練を続けているのです。子供たちの最終目標はシャーロット様かヴィーネ様を捕まえて鬼ごっこで勝つ事です。学校に通える時間は限られているので途轍もなく真剣に鍛えています。真剣さが国防軍とかけ離れているのです」
「鬼ごっこに混ぜてもらうのは駄目です。あなた達は邪魔だし目障りですからね。秘儀を覚えてからそれなりに時間は経っているのにまるで成長していません。子供はそれが分かります。真剣な顔をしてお願いしても鍛えていないのがまる分かりなので無理です。自分の子供や部族の子供に教えてもらうという手もありますが、迷惑ですね。子供たちが可哀そうです。貴重な時間を潰される訳ですから。私としても授業で教えた訓練をしていないので不愉快です。秘儀に隠された秘密でも探しながら少しだけ魔力を動かしてみたという感じですから。要約すると秘儀を舐めた結果です。現実を受け入れて下さい。反論しないで下さいよ?ヴィーネ様がいても私は殺しますから。ヴィーネ様が助けてくれたらいいですね」
私がいるから皆は怖くて動けない。
でも、鍛錬していると思っているから反論したい。
全く効果が無かったなんて言われたくないようだね。
でも、クリスタの発言で誰も何も言えない。
結界を破って殺しに来た事実があるからね。
甘え過ぎだよ!
特に獣人2人は母さんを待っている。
何回も母さんに助けられたから、今も母さんに来て欲しいと思っている。
もっと厳しい事を言われちゃうよ?
母さんはクリスタの乱入と皆の感情を常に把握しているんだから。
「クリスタのせいで皆が沈黙だよ。責任取ってよね。私の授業を潰したんだから」
「何を言っているのですか?いつも殺気を出しているヴィーネ様に言われたくありませんね。私は事実を述べただけです。嘘は言ってませんよ?反論をしたら殺しますから」
異常過ぎだよ!
全く授業を進める気が無いじゃない。
「私の殺気で汗も掻いた事がないクリスタに言われたくないね。殺気も出さずに殺すとか言っている異常者の方が怖いよ。本当に殺すつもりなのが最高に質が悪いよね」
「顔に汗を掻かないのは乙女の嗜みです。心の中で怖くて泣いているんです。ああ、これで世界が崩壊するんだと…。世界最強の女の子の殺気の方が異常ですよ。一般人に向けないで下さい。夜に思い出して眠れなくなるじゃないですか」
反論が頭おかし過ぎるよ!
世界崩壊を心配しているのに夜に眠れないって何かな?
異常者が一般人とか言っているから、もう駄目だね。
クリスタも手遅れだよ…。
正常な私には意味が分からない。
そもそも、クリスタに殺気を向けた事は無いけどね。
まあ、私が殺気を出せばクリスタなら分かるから。
何も気にせず笑いながら死ぬような鍛錬をしているのによく言うよ。
異常者の変態だね!
母さん呼んでまとめてもらおうかな?
どう考えても終わらないよ。
クリスタ乱入で2部構成です。
ヴィーネの言う母さんと同じは最高の誉め言葉です。




