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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第3章 神国シェリル

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我儘

獣人の里から神国シェリルに移住した里は2つ。

全部でいくつの里があるのか分からないけど、これだけで良かったのだと思う。


二度も押し掛けて来たドミニクを見て、間違いないと思う。

獣人の里の人たちには教育が足りない。


臆病な事を隠して仲間意識が強いと思っている。

短慮な自分たちを頭に血が上りやすい種族だと決め付けている。


この国には押し掛けて来たような獣人は1人もいない。

自分を中心に考えて行動するような性格の人はこの国には合わない。


ドミニクが押し掛けて来たのを見て、慌ててハーラルトとアンゼルムが里に走って行った。

獣人の里の里長を脅す為だと思う。


獣人の里から同じように大勢が何度も押し掛けると、里ごと滅ぼされると脅す為に。

どちらにしろ、多くの獣人の命を救う為の行動だと思う。


ヴィーネがすぐに転移(テレポート)したけど、会議場から少し離れた位置に100人程の集団が動かずに固まっていた。

最初から殺意を持っている人が大半なので2人を殺す為に用意したのだと思う。


余りにも短慮な行為。


未来を考えれば協力をお願いする場面だと思う。

里長がこんな事を計画しているようでは残念だよ。


殺意を持った獣人が会議場を取り囲んだ時にヴィーネが姿を見せたんじゃないかな。

里長たちの感情が怒りから恐怖に切り替わったから。


あそこまで恐怖に染まったという事はヴィーネは脅迫じゃなくて殺すつもりだ。

獣人の里に死刑宣告をしたんだと思う。


ヴィーネは脅迫の為に大勢を殺す気がした。

多くの人を救うには有効な手段だと思う。


しかし、無実の人を含む大勢をヴィーネに殺して欲しくないと思った。

だから、念話(テレパシー)でヴィーネを止めた。


「ただいまー。殺さなくて良かったの?忠告しに行った2人を殺そうとするような人たちだよ?」

「おかえりー。ヴィーネが手を汚さなくていいの。無暗に殺したら駄目でしょ?あくまでこの国に実害をもたらした場合に対応するようにしよう。私たちなら先手で殺しておく必要なんて無いんだから。それに、ヴィーネのお陰でちゃんと警告はできたんだから大丈夫だよ」


警告はしっかりする事ができた。

獣人の里にはできる事がたくさんある。


それだけで十分だよ。


「そうだね。警告はちゃんとしたんだから、破った場合は里長に責任を取らせるよ」

「会話を聞いていてどうだった?まだまだ押し掛けて来そうかな?」


「里長が移住を希望するような獣人は必要ないと言っていたから、移住希望者を殺し続けたとすると自滅すると思う。もう獣人の里に移住許可を出す事は無いと理解したはずだからね。里から獣人が押し掛けたら滅ぼされると思っているはずだから、獣人の里はかなり危険な状態だね」

「移住希望者は増え続ける可能性が高いからね。尚更ヴィーネが手を汚す必要は無いよ。私たちは大陸を支配するつもりも、世界を支配するつもりも無いんだから」


ヴィーネには世界も大陸も背負って欲しくない。

自由にのんびりと過ごして欲しい。


今は国長として暇つぶしをしてくれれば十分だよ。

私の為に国長をしてくれているのは分かっているけど、辞めてはくれないからね。


仕事を頑張ってくれるヴィーネをたくさん褒める。

賢いヴィーネに私がしてあげられる大切な愛情表現。


「のんびりと暇つぶしだね。こちらの邪魔をしない限りは放置でいいね」

「そうそう。私たちの邪魔をしたら殺すだけ。それで十分だよ」


敵意を持ってこの国まで来るようなら殺せばいい。

移住を希望して大勢で押し掛けて来たなら記憶を消して飛ばせばいい。


母としての私の我儘だね。

ヴィーネに大量殺人をさせたくないのです。

無実の人を殺させたくないのです。

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