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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第3章 神国シェリル

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閑話 エーゴン 獣人の失態

検問兵をしていて最も嫌な事は獣人による失態だ。

それも、同じ獣人だったら尚更だ。


何故お前がこの国に訪れる資格があるんだ。

二度と見たくなかった顔が近付いてきた。

そして、あり得ない事を言う。


「俺たちは移住する資格がある。シャーロット様を呼んでくれ」

「資格が無いから移住できなかったんだろ。今すぐ帰れ!」


シャーロット様を殺そうとしていた奴が何を言っているんだ。

お前は一番この国に相応しくない獣人だ。


「里長の判断が間違っていたんだ。シャーロット様なら分かってくれる」

「お前はシャーロット様を殺そうと攻めて来た事すら忘れているのか?帰れ!」


シャーロット様なら分かってくれるだと?

お前の顔は二度と見たくないと思うぞ。

何故それが分からないんだ!


「里長だって攻めたけど移住できたじゃないか。攻めた事は関係ないはずだ」

「それを決めるのはお前じゃない。シャーロット様とヴィーネ様だ。お前は最後まで入国させてもらえなかっただろ。それだけ殺意を持っていたし、話を聞く事もできない獣人だって事だ。早く帰れ!」


攻めた事が関係ない訳がないだろ。

お前が出鱈目な事を吹聴したせいで里長が攻めて来たんだ。


お前の罪が一番重いだろ。

何を言ってるんだ!


もう1人の検問兵ファビアンも多くの獣人に囲まれているな。

いい加減にしてくれよ。


里長の命令を無視してここまで押し掛ける奴を信用できる訳がない。

これだけ見ても、里長の選別が正しかった事が証明されているじゃないか。


獣人の恥をこれ以上晒すな。

うんざりしてるんだよ。


ドミニク、お前は一体何なんだ。

獣人が厚かましい種族だと思われてしまうじゃないか。


やはり、シャーロット様とヴィーネ様が来てしまった。

この光景を見られる前に帰らしたかった…。


里長を呼んできて欲しいと頼まれたので急いで呼びに行かないと。

俺とファビアンは全力で里長の元まで走った。


「アンゼルム様、ドミニクが獣人を引き連れて移住させろと押し掛けて来ました。シャーロット様とヴィーネ様が今対応しています。呼びに行って欲しいと頼まれました。検問所まで急いで下さい」

「なんだと!すぐに向かう」


アンゼルム様とハーラルト様が検問所まで着いた後、押し掛けて来た獣人の記憶を消して島に飛ばす事で決着した。


シャーロット様とヴィーネ様は笑顔で帰られたが、同じ獣人として怒りが収まらない。

人間の貴族や商人、冒険者も密入国をしようとしたりするが、単独犯が多い。

獣人のように徒党を組んで押し掛ける事はほぼ無い。


最悪な気分だ。


里長のお2人も同じ気持ちのようだ。

「今までの経験で教えてくれ。今日のお2人の対応はどう感じた?」


アンゼルム様はそこが気になりますか。

何度も獣人が押し掛ける事を懸念しているのかもしれませんね。


「途轍もなく甘い対応です。シャーロット様が出て来て下さらなければ確実に皆殺しです。今まで同じような事をした人間は全て殺されています。そして、悪質な場合は所属する国の王族や貴族を皆殺しにします」

「そこまで違うのか…。では、今回シャーロット様が出て来て下さらなければ獣人の里は滅んでいた可能性が高い訳だな?」


ヴィーネ様だけだと滅ぼされていた状況だと思う。

シャーロット様に救われている。


「そうです。あの数で押し掛けて来ていますから、かなり悪質だと判断されます。更に主犯がシャーロット様の殺害を企てた男です。拷問されてから殺される可能性が高いです。ヴィーネ様はシャーロット様を悲しませた相手は必ず殺しますから。獣人が押し掛けて来ている理由が想像できた為、シャーロット様が出て来て下さったのだと思います」

「最悪な状況だぞ。移住希望者はまだ多く残っている。ドミニク程の馬鹿はいないと思いたいが、他の奴が同じ行動をするかもしれない。脅迫しに戻るか?」

「脅迫で止まるのか?この国の怖さを知っているはずだ。それでも押し掛けて来るんだ。残っている獣人全員からこの国の記憶を消してもらった方がいいのではないか?」


獣人の里だけ特別扱いしてもらえるとは思えない。

記憶を消して終わらせられるなら、人間の国もそうしていたはずだから。


「そのお願いは危険です。殺した方が楽だと判断されるかもしれません。記憶を消しても後からこの国の情報を知る可能性は高いですから。獣人は記憶を消さないと押し掛け続ける種族だと判断されるかもしれません」

「そうなるか…。残った里長を脅迫して、後は放置するのが一番じゃないか?突き放した言い方をすれば、俺たちには関係ないと考えてもらえるだろ」

「移住した俺たちには関係ないと考えてもらえるのか?」


移住した獣人にまで飛び火しないか心配な訳ですね。

それなら大丈夫だと思います。


「余程の事をしなければ住民が殺される事はありません。移住した時点で獣人の里とは関係ないと判断してもらえます。区長のグスタフの指示によって検問兵をやる事になりましたが、グスタフが飛ばされても何のお咎めもありませんでしたから」

「それなら脅迫して放置が最適解だな。アンゼルム、早速行くか」

「ああ、移住した里長として最低限の責任は果たそう。部下に指示を出してすぐに出発だ」


お2人は急いで街に戻りました。


ああ、本当に嫌になる。

獣人の里から希望者が移住しただけ。

それだけで、ここまで問題を大きくしてしまう。


血の気が多いとか、仲間意識が強いとか言われているが、多くの獣人は馬鹿だとしか思えない。

獣人である事が本当に恥ずかしいよ。

教育水準の差ですね。

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