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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第3章 神国シェリル

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閑話 ジェラルヴィーネ 母さん

母さんは自分の体を犠牲にして実験ばかりするんだよ。

そのほとんどが自分の為ではないんだ。


本当は止めて欲しいけど、私がいる限り死ぬような事は絶対にしない。

そこだけは間違っていないと思う。


だけど今回の実験はいつもと違った。

殺戮衝動の正体が分かったと言ったから。


母さんは私にここにいて欲しいと言った。

必ず理由があると思う。


でも、1人で待つ時間は本当に嫌だ。

母さんが何をしているかいつも把握しているけど本当に嫌なんだ。


今回は何をしているか把握できなかった。

真祖になって本気で力を解放し、誰かに向かって殺気を出している。


こんな状況は初めてだよ。

何をしているのか全く分からない。


殺気を出すような相手が母さんの周りにはいない。

恐らく殺戮衝動の正体と何かをしていると思うけど、不安で仕方がないよ。


上手くいったみたいで、叔母さんと合流して地下世界に行き、姉の封印を解いて帰ってきた。

叔母さんは一緒にお風呂に入りたいと言ったけど、私は早く母さんに会いたかった。


4人で一緒にお風呂に入って、一緒に寝た。

奇跡的に叔母さんの姉は常識のある人だった。


それだけで大歓迎だよ!


2人も帰ったし母さんとゴロゴロしながら会話をする。

幸せな時間に会話はいらないけど疑問は解消しておきたいからね。


「母さん、何で殺戮衝動に正体があると思ったの?姉の血の影響だと考えていたよね?」

「最初はそう思っていたけど、血に殺戮衝動の意志が宿っていたとしても、お母さんの意志に勝てるとは思わなかったんだよ。お母さんの意志も感じられるなら納得だったけど、殺戮衝動だけしか感じないのはおかしいでしょ?」


「それは確かにおかしいね。お婆ちゃんの意志が殺戮衝動に負けると思わないもん。それで、誰かが干渉してきていると考えたんだ」

「そうだよ。私が真祖の時に殺意を覚えると干渉される事があったから、本気で殺気をだして話し掛けてくるのを期待したら、予想通り話し掛けてきたんだよ。シィーナ姉ちゃんは地下世界で殺戮衝動に出会っているから確実に地下世界にいる誰かだと思ったよ。それで一番怪しいのが瘴気なんだよ。世界樹に精霊が宿っていたように、瘴気にも精霊が関与している可能性が高いでしょ?」


「確かにそうだね。それでどうしたの?」

「殺すと脅迫したよ。私の血とシィーナ姉ちゃんの血は汚染されていると考えられるからね。相手は何度でも私たちに干渉できるんだよ。瘴気を利用して血を汚染し操るのが目的だろうね。でも、私もシィーナ姉ちゃんも操られなかったから、操れるかは意志の強さに影響されると思う。ドリュアスのお陰で相手のできる事の検討は付いていたし、殺しても世界に影響は無いからね」


なるほどね。

瘴気を利用して血を汚染し操る事ができる精霊だとする。

その精霊は汚染された血を持つ相手なら干渉する事ができる。


母さんは真祖にならない限り汚染された血を使わないから普段は干渉できない。

つまり、干渉する為には血を汚染する必要がある事が分かる。


真祖になるだけでは干渉されなかったから、相手は殺意や殺気に反応する事が分かる。

だから全力で殺気を出して相手から接触してくるのを待ったんだね。


ドリュアスの能力と大きく変わらないと考えると、干渉できるのは一度に1人だけ。

そして、瘴気を生み出す事はできない。


「もし精霊が原因だった場合、母さんの血は汚染されたままじゃない」

「この世界の仕組みだししょうがないよ。また干渉されたら一緒に殺しに行こうね。精霊だろうが私たちの邪魔をしたら殺すしかないよ」


そうだよね。

私たち2人の問題だよね!


母さんが私を頼ってくれるのが凄く嬉しい。


「当然だよ!どんな存在だろうが殺すしかないよ。地下世界の魔人の感情を把握すれば誰を操っているかすぐに分かるし、本体が別にあるのなら動いていない感情がある存在を探せばいいだけだからね。瘴気に溶け込めるなら、地下世界の瘴気を丸ごと結界で閉じ込めて狭めていけばいいだけだから。必ず見つけて殺せるね」

「私とヴィーネにかかれば楽勝だよ。相手もそれが分かっているから大丈夫。精霊じゃなくて、他の星から来た生物かもしれないし、思念体だけの存在かもしれないけど、確実に殺せるよ。地下世界で殺戮を眺めるのが好きみたいだよ。自分で操って殺戮させたりもしているだろうね。精霊だとしたらどんな役割を持っているか分からないね。精霊だから役割を持っていると考える事が間違っているかもしれないけど」


殺戮を眺めるのが趣味なんだ。

精霊だとしたら変なの。


星に必要な役割があるなら、それを盾に母さんの脅しには屈しないはず。

何も役割がない存在だと考える方が自然だね。


どちらにしても、大好きな母さんに干渉したのは許さない。

母さんを操ろうとしていたなんて、私への宣戦布告だよ。


地下世界でも関係ない。

君の行動は監視させてもらうよ。

必ず本体を見つけ出し、いつでも殺せるように準備しておくね。

ヴィーネちゃん激怒です。

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