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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第3章 神国シェリル

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妖精猫と妖精犬の仕事とお風呂

妖精犬(クー・シー)100人は森に住んでいるから遊んでいてもいいんだけど、せっかくだし仕事をして好きな食べ物を買ったりできるようにしてあげたいな。


エラに直接何ができるか聞いた方が早そうだね。

今日は学校が休みだし集落にいるはず。


「ヴィーネ。エラの所に行ってくるけど、一緒に行く?」

「何かするの?」


妖精犬(クー・シー)が何か仕事できるか話を聞いておこうと思ってね」

「話せるし仕事でお金を稼げた方が学校も楽しめるよね。じゃあ、一緒に行くよ」


「行くよー。転移魔法(テレポート)


妖精猫(ケット・シー)妖精犬(クー・シー)の為に作った集落だけど今は寂しいね。

すぐに賑やかになると思うんだけど、それを楽しみに待とう。


念話(テレパシー)

「エラ、集落の正面に来ているんだけど、出てきてくれないかな」

「分かりました。すぐに行きます」


森だから身体強化を使って出て来たね。

やっぱり犬だから走るのは速いね。


本来、念話(テレパシー)は繋いでいる人にしか聞こえないけど、私がヴィーネにも繋いでいるから3人で会話できるようにしてあるよ。


「ヴィーネ様まで、どうかしましたか?」

妖精犬(クー・シー)は話せるし、せっかくだから仕事でお金を稼いで好きな物を買える環境の方が楽しめるんじゃないかと思ってね。実際にどんな作業ならできるか聞きに来たんだよ」

「そうそう。口でどの程度の事ができるのかと、手でどの程度の事ができるか知りたいんだよ」


「お気遣いありがとうございます。2足歩行と細かい作業はできませんが、ある程度の事はできます。野菜を収穫したり、畑の草を抜いたり耕したりは問題なくできます。片手で何かを掴む事はできませんが、両手で挟む事で掴む事ならできます」

「思っていたより多くの作業ができるね。種を撒いたりする細かい作業はベティーナに任せよう。それなら野菜を育てる事ができそうだね」

「そうだね。道具が使えないから大麦などは厳しくても大根や人参などの栽培はできそうだね」


「ちょっと待っててね。念話(テレパシー)、ベティーナ、集落の正面まで出てきてくれないかな」

「分かりました。すぐに向かいます」


念話(テレパシー)。マリアンネ、妖精猫(ケット・シー)妖精犬(クー・シー)の集落まで来て欲しい」

「分かりました。すぐに向かいます」


「今、ベティーナとマリアンネを呼んだから待っててね」

「お待ちしております」

「マリアンネに育てて欲しい野菜を聞くのが一番だね」


ベティーナが出て来たね。

「お待たせしました」

「ベティーナにお願いがあるんだ。余裕がある時だけでいいから野菜の種蒔きをして欲しい。後は妖精犬(クー・シー)と協力して収穫の手伝いや草むしりかな。せっかく話せるのにお金を稼がないのは勿体無いからね」


マリアンネも来たね。

「すみません。遅れました」

「全く遅れてないよ。十分早いよ!」


「全員で会話ができるよう念話(テレパシー)を繋いだよ。ベティーナは妖精犬(クー・シー)が苦手な細かい作業を中心とした畑の作業をして欲しい。エラは妖精犬(クー・シー)を指揮して、畑を耕したり、草むしり、収穫などかな。そして、マリアンネには妖精犬(クー・シー)が収穫できる野菜を選別して欲しい。道具を使った収穫は無理だけど人参や大根などの引き抜く野菜の収穫は問題ないみたいだから。種蒔きはベティーナにやってもらおうと思ってる。妊娠したら種を撒く人だけを派遣して欲しい。できそうかな?」


「少しでも仕事をしなければいけないと思っていましたので、是非やらせて下さい!」

ベティーナは問題ないみたい。


妖精犬(クー・シー)の指揮はお任せ下さい。野菜の選別はできませんのでお願いします」

エラも問題ないみたい。


「季節に合わせて妖精犬(クー・シー)が収穫できる種をベティーナ様に渡せばいいのですね。買取の値段は野菜の種類によって変わってしまいますのでご了承下さい。そして、妊娠する少し前に私に教えて下さい。種を撒く作業などの人員を派遣します」

流石マリアンネだね。

完璧だよ。


「母さん完璧だね。これでお金を稼げて買い物ができるよ」

「そうそう。この街で買い物を楽しまないのは損だよ。そうだ!ベティーナは大丈夫だと思うけど、エラは水浴びしたら自分で体を拭けるかな?」

「毛が短いので体を震わせれば大体の水は落とせると思いますが、布で体を拭くのは厳しいです」

「私の子供が揃えば妖精犬(クー・シー)の体を拭いてあげる事もできると思いますが、1人で100人を拭くのは少し大変ですね」


ベティーナはやっぱり優しいんだね。

体を震わせるだけでほとんど水が残らないなら、残りは風で吹き飛ばせばいいね。


「決めた。お風呂の温度調整はベティーナがしてね。妖精犬(クー・シー)は体の水を落とした後は風で乾かせるようにしよう。毛が短いからすぐに乾くよね。ハイエルフに用意したお風呂は妖精ように小さくしよう。魔力を使い過ぎると街に影響が出るからね」

「母さんは優しいね。じゃあ、私がユッタと話してお風呂を小さくしてくるよ。行ってくるね」


ヴィーネは手を振って飛んで行った。

職人に任せれば問題ないね。


「では、私も種を蒔く野菜の相談をしてきますので失礼します」

「忙しいと思うけどお願いね」


マリアンネは一礼して戻っていった。


さて、お風呂を作ろう。

「お風呂は集落の近くに作るね。ちょっと待っててね」

「お風呂は水浴び場の事ですよね?よろしくお願いします…」

「何が起きるのでしょうか…」


2人とも不安そうなのは何故かな?


お風呂の大きさは5㎡で十分だね。

犬と猫だし浅めにした方がいいよね。


固い土(コンクリート)でお風呂を作って、水の魔石を置く場所と火の魔石を入れる場所を確保。

排水も固い土(コンクリート)の筒で下水道に繋げる。


お風呂までの道を固い土(コンクリート)で作る。

中央を少しだけ高くして、横に溝を作り排水できるようにする。

勿論排水は固い土(コンクリート)の筒で下水道に繋げるよ。

ここで体を震わせて水を落としてもらう。


木魔法(ウッドハウス)

時空魔法(ゲート)で社から魔石を持ち出して設置と。

風の魔石は2個設置すれば大丈夫かな?


完璧じゃない?


「どうかな?お風呂までの道で体を震わせて水を落として、家の中で風を使って乾かして。一度に全員入ると大変だと思うから、その辺は上手く調整してね。何か希望はあるかな?」

「えっと…、ありがとうございます。水浴びが楽しめます!」

「魔法ですか?今のは魔法でしたか?流石です!」


ベティーナもエラも戸惑っているよ。

ここは大喜びする場面じゃないのかな?


「火の魔石で温度調整してね。直接手で触ったら駄目だからね。用意してある道具を使って魔石を挟んでね。せっかくだしベティーナ試しにやってみてよ。2人で温かいお風呂に入ってみたら?」

「分かりました。この2つの棒を使って魔石を掴めばいいのですね。直接触ったら熱いですね。かなりの熱を感じます。この魔石を水浴び場の角に用意してある容器に入れればいいのですね。魔石の数で温度調節をする訳ですね。ああ、水がどんどん温かくなってきました。もう少し魔石を足します」

「温かい水浴びは経験した事がないですね。シャーロット様は何でもありなんですね。分かっていましたが、まだまだ理解が浅かったようです」


ベティーナは魔石に慣れて無いからかオドオドしているね。

エラは私の事をどんな風に理解しているのだろうか?


「エラ、入ってみて下さい。良さそうな温かさになりましたよ」

「分かりました。温かいですね。これはすぐに出るのではなく、体を温めるのですか?」

「それは種族によって違うかもしれないから好きにすればいいよ。温度も2人で相談して決めてね」


何だかんだで10分くらい無言で浸かってるね。

気に入ったのかな?


「あっ!ボーっとしてしまいました。すみません。道で体を震わせて家の中で乾かすのですね。あー、風がとても気持ちいいです」

「私も道で震わせて水を落とせばいいのですね。体は布で拭いてもいいし、風で乾かしてもいいのですか…。エラが気持ち良さそうなので風で乾かします。ああ、これは病みつきになりそうですね」

「お風呂は気持ちいいでしょ?皆で仲良く入ってね」


2人の様子を見ていて確信したよ。

ベティーナは妖精犬(クー・シー)を支配するつもりなんて最初から無かったんだよ。

一緒に仕事をする時に作業の指示をするつもりだったのだと思う。

だから、命令を禁止するのは難しい事ではないと考えたんだよ。


上から命令するのではなく協力すればいいだけだからね。


皆が飛ばされた時に唖然としていたから。

そして、悔しがってた。


自分以外の妖精猫(ケット・シー)は命令だけして仕事をするつもりが無かった。

女王になったベティーナの命令に反感を覚えている人もいたね。


選別を見たエラがベティーナの事を心配していたんだよ。


歴史を考えればエラがベティーナを心配するのは難しい事だと思う。

会話している中で今までの妖精猫(ケット・シー)の女王とは違うと感じたんじゃないかな。


人数が逆転してしまってベティーナが弱い立場になったけど、エラはとても気遣っている。

ベティーナを差別する同族なら飛ばされてもいいと考えているくらいにね。


酷い差別の歴史を持つ種族だけど、この2人の女王なら大丈夫だね。

お互いに気遣い合っているからいい関係を築けて行ける。


そろそろお祭りが近いね。


「2人にお小遣いをあげるよ。お金が稼げるまで時間が掛かるし、もうすぐお祭りだからね。時空魔法(ゲート)、エラは全員分を合わせて30万ギル、ベティーナは1万ギル。学校をもっと楽しむならお菓子も買わないとね」

「ありがとうございます。大切に使わせて頂きます」

「ありがとうございます。同じく大切に使わせて頂きます」


「気にしないで。私はお金の使い道がないのに減らないからさ。皆、賽銭箱にお金を入れ過ぎだからね。使わない私が持っているより、皆で使った方が街が盛り上がるからね」

「母さん終わったよ。こっちも終わったみたいだね」


ヴィーネは完璧に仕事をするから確認に行く必要も無いね。


「じゃあ、私たちも帰ってお風呂に入るよ。色々と頑張ってね。またねー。転移魔法(テレポート)


社に帰って来たよ。

ヴィーネを褒めてあげてから、一緒にお風呂に入って少し話をした。


「ヴィーネはベティーナが妖精犬(クー・シー)を支配するつもりだったと思う?」

「違うと思うよ。この国に来た他の妖精猫(ケット・シー)が考えを改めるつもりもなく、ただ命令するだけで仕事をする気も無かった事が悔しかったんじゃないかな。他の妖精猫(ケット・シー)は私の話を全く理解してなかったって事だからね。説明されても考えを改めるのではなく反感を覚えていたから」


「ベティーナは妖精犬(クー・シー)が同じ部族として扱われないと知って焦っただろうね。でも、説明すれば理解すると思ったんだろうね」

「ベティーナは良かったんじゃないかな。これから新しい部族を興せるからね。エラも協力しそうだし、上手く収まった感じじゃないかな」


「そうだね。2種族ともいい関係になれるよ。ヴィーネもそう思うなら間違いないね。安心だよ」

良い関係を築けそうですね。

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