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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第1章 シェリル

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私は大好きな布団に入り眠る。

いつも同じ事をしているけど、一番幸せな時間。


「シャーロット。まだ子供なの?しょうがない子ね」

「え?お母さん。お母さん!どうしたの?」


私はお母さんに抱き着く。


「本当に甘えん坊。嫌な事でもあったの?」

「うん。最近は人を殺してばっかりなんだ。無暗に殺してるかな?」


「殺していないよ。シャーロットは悪い事をしていないから大丈夫」

「本当?私は悪い事してないかな?」


「悪い事かー。今は好きな事をしているの?」

「お母さんが守っていた村を守り続けたら、国になったよ」


「凄いじゃない。でも、私は村を守っていないわよ?」

「嘘?私の記憶だと村で魔獣を倒していたよ」


「あれは、シャーロットを守るためだよ」

「私のためなの?」


「そうだよ。シャーロットは覚えていないの?」

「20年くらい後からの記憶しかないんだ」


「本当にそうかな?小さい頃も何でもできそうって自慢していたよ」

「そうなの?魔獣とか倒していた?」


お母さんが笑っている。

「言っていただけよ。でも、私は本当にそうだと思っていたよ」

「何でそう思ったの?」


「私の娘だからね。何でもできると思っただけだよ」

「そうなんだ。あ、血を吸ってごめんなさい。痛かったよね?」


「その事も覚えていないの?定期的に血を吸っていたし、私はもっと血を吸ってもいいよと言ったけど、シャーロットがこれ以上吸えば倒れちゃうって止めてたんだよ」

「私はそんなにお母さんの血を吸っていたんだ。何で?今は全く吸ってないよ」


「理由なんて何でもいいよ。私の血がシャーロットの中に入っているんだ。親子じゃないか。あなたは何でもできる。でも、自分の体を今まで調べていないでしょ?よく自分の体を見て。服や布団を大切にするのではなく、自分を大切にして。それが親孝行だよ。分かったわね?」


あれ?

お母さん…。


私は寝ていたのか。

確かに自分の体を調べる事はしていないね。


ちゃんと意識してみるね。


あれ?

私にはお母さんの血と別の血、2つ感じる。

やっぱり、お母さんと血が繋がっているよ!


もしかして記憶も覗けるかな?


やっぱり、そうだ。

自分が覚えている記憶より古い記憶が分かる!


お母さんが誰かと戦っている。

相手は人間だ。


お母さんは人間と戦っている。

私を背負って人間を殺している。


でも、この村は知らない。

知らない村で何人も殺している。


私とお母さんが話している。

「お母さん、ごめんなさい…」

「馬鹿ね。私が勝手にしているの。娘のあなたが謝る事じゃないわ。喉は乾いてない?」


「お母さんの血じゃなくても大丈夫だよ?」

「私が嫌なの。シャーロットは私の血だけを飲みなさい」


「うん。少しだけ吸うね」

「ええ。休憩したら次の村を探しましょう」


別の記憶もある。

家の中だけど知らない。

誰と話しているんだろう。


「この子は私の娘よ。父さんや母さんに関係ないわ」

「そうか。じゃあ、この村から出て行け。もう、私たちとは無関係だ!」

「あなた、この子が娘と言っているのよ?吸血鬼でもいいじゃない!」


「駄目だ。他の村人に殺されてもいいのか?」

「母さん、ありがとう。私たちは出て行くわ。さようなら」

「本当に馬鹿な娘だよ。好きに生きなさい」


家から出たら私と会話している。

「お母さん。ごめんなさい…」

「私が好きでやっているの。気にする必要は無いよ。他の村に行きましょう」


私のせいで親と離れる事になっている。

それに、何ヶ所も村を訪れている。


全部私のせいだよ。

お母さんは自分の為だと言っているけど…。

吸血鬼の私を娘にしたから、親と離れたり人間を殺したりしたんだ。


お母さんの好きな生き方は、吸血鬼の私を娘にする事だったの?


弱気になった私の為に、お母さんが夢に出てきてくれたのかな?

弱気になった私が、自分で考えた夢だったのかな?


でも、分かったよ!

お母さんの血は私の中にちゃんと残っている。


私はお母さんの娘だ!

娘にしてくれてありがとう。


私も好きに生きる為に頑張る。

お母さんと一緒に眠るために頑張るから!

血の繋がりだけが親子では無いと思いますが、シェリルは自分の血だけを吸わせました。

吸血鬼を拾ったシェリルが血の繋がりを求めたのかもしれませんね。

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