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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第3章 神国シェリル

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神刀

「おーい。いいもん持ってきたぞー!2人とも出て来てくれよー」


チャドが何か持って来たみたいだね。

しかも、私とヴィーネを呼んでいる。


いい物って何だろう?

流石に気になるね。


「ヴィーネ、行こうか」

「そうだね。でも、何か嫌な予感がするよ」


私もかなりするよ…。

でも、出て行くしかないよね。


意を決して社の扉を開ける。

チャドは手に何か持っているね。


あれは武器かな?


「チャド、いい物ってそれかな?」

「ああ、すげーぞ。これはドラゴンの素材のお礼だから何も気にする必要はねーからな。この前、剣の依頼があった時に打った剣より凄いもんができたようだぜ。俺も見て震えちまったよ。この武器は刀と言うんだがな、打ったアーロンはずっと蕩けた顔して眺めているよ。エルダードワーフ総力で仕上げた逸品だ。2人の身長に合わせてある。絶対に使ってくれよな!切れ味が悪くなったら持って来いよ。じゃあなー」


刀を手渡したチャドは笑顔で去って行った。


おかしいよね?

初対面の時に私たちに武器はいらないと言っていたよね?

どうして武器を用意したのかな?


これは刀という武器らしいね。

鍔は私とヴィーネで違いがある。


私の鍔には蝙蝠が、ヴィーネにはドラゴンが彫ってある。

きっと、吸血鬼と古代種(エンシェント)ドラゴンを意味していると思う。


鞘は2人とも同じだけど、物凄いこだわった意匠だよ。

蝙蝠とドラゴンと世界樹が彫ってあると思うけど、凄いね。

鞘の意匠が物語になっているように見える。


これだけで逸品だよ。


そして刀だけど、鞘から抜いて余りの凄さに言葉を失ったよ。

黒剣も美しいと思ったけど、これは次元が違う。


武器として途轍もなく洗練されている。

怖い程に研ぎ澄まされているよ。


私の顔が刀身に映る。


「母さん、これは凄過ぎるよ。価値は分からないね。クリスタの剣を斬れそうだよ」

「ちょっと森で試し斬りをしようか。転移魔法(テレポート)


万が一の為に周りに誰もいない事を確認する。

よし、誰もいないね。


腰に提げた鞘から刀を抜き、目の前にある木を横薙ぎに一閃する。


あれ?

斬った感触がないよ?

でも、木をすり抜ける訳が無いよね。


目の前の木を手で押すと倒れた。

切断面は物凄い綺麗だ。

とても刃物が通った後だとは思えない。


「母さんの動作が速いにしても、この切れ味は怖いね。母さんは刀を振り抜く事に集中していたから気付いて無いけど、防護壁まで切断しているからね。母さんが押し倒した木以外は繋いだよ。防護壁も直しておいたから」


な、なんですと?

真空波でも飛んだのかな?


滅茶苦茶な武器だよ。

防護壁まで150mはあるんですけど…。


「ヴィーネありがとう。今後の為に少し実験するね」

「うん。絶対に知っておいた方がいいよ」


今度は真空波が飛ばないように、ゆっくりと刀を横薙ぎに振り抜く。

斬った感触はない。

でも、木は切断されている。


木を結界で守る。

刀をゆっくりと横薙ぎにする。

まさか…、結界に抵抗された感触が伝わってこないのに振り抜けてしまった。


木を2重(ダブル)結界で守る。

刀をゆっくりと横薙ぎにする。

これでも?

結界に抵抗された感触が伝わってこない。


木を3重(トリプル)結界で守る。

刀をゆっくりと横薙ぎにする。

あ、結界の抵抗があった…、紙に触れた感じだけどね。


木を4重(クアドラプル)結界で守る。

刀をゆっくりと横薙ぎにする。

やっと結界で止まったよ…。

だけど、最初のように集中すれば斬れるだろうね。


「母さん、この武器で何を斬ればいいのかな?エルダードワーフって馬鹿かな?」

「普通の人が使っても危険だね。私たちが使うと兵器だね。職人の怖さを思い知ったよ」


「私たちの動作について来れる武器がおかしいよ。古代種(エンシェント)ドラゴンの角も使われているみたいだね。属性付与する事が簡単にできるよ。切れ味アップだね。頭おかしいよ!」

「魔法も斬れちゃうね。とりあえず、外出する時は腰に提げておこう。使っていないと思われると、新しい武器を作って持って来そうだよ」


職人魂に火を点けるのは危険だね。

絶対に使っているか確認すると思うから。


満足したと伝わるような感想を考えておこう!


「そうだね。魔法が使えない時とかに便利だよね。私たちが体術で負ける相手が想像できないけど」

「大体の感覚は掴めたけど、とても繊細な武器だね。爪より斬れるし便利だと思う事にしよう。神様なら大陸くらい刀で切断できないとね」


「大陸切断しようと思ったら、星を切断している可能性もあるから気を付けてよね」

「はーい。ちゃんと気を付けて使います!」


そうだよね。

大陸切断は全力を出したら駄目だからね。


加減を間違えて星まで斬ったかもしれない。

それは流石に笑えないね。


世界樹を育てた意味が無いよ。

危うく土地神から破壊神になる所だったね。

シャルやヴィーネが武器として使える時点で異常です。

流石職人です。

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