表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第3章 神国シェリル

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

147/425

閑話 ジェラルディーン 愚者

竜王なんて肩書は本当に不必要だわ。

ヴィーネに継がせるなんて有り得ないわね。


馬鹿なドラゴンを見ているとうんざりする。

シャルの見せしめに怯えてはいるが、意識改革までは難しそうね。


これ以上の効果は望めそうもないわ。


蜥蜴になったドラゴンを見て自己鍛錬を始めたドラゴンがいない。

恐怖はするが自分を高めるつもりはないのよね…。


不幸が突然訪れるこの世界でも、力があれば回避できる不幸はかなり多い。

それをドラゴンに理解させるのは厳しいかもしれない。

私が竜王になる前から勘違いをしているから。


期間が長過ぎるわ。

その勘違いした知識を継承している者ばかりだからね。


厄介な事に地上に下りれば敵はいない。

ダンジョンに潜っても古代種(エンシェント)ドラゴンなら敵はいない。


努力しなくても好き放題できた種族だから。


私の力で勘違いを無くせるかというと無理なのよね。

ドラゴン種の最上位であり竜王には負けて当然だと考える。

しかし、クリスタのような人間に負けても認めない可能性が高い。


グレーゴールがいい例だね。

自分の能力の低さを疑わない。

相手の不正を疑う。


子供のドラゴンなら可能性もあるし、実際に負ければ考えを改めると思う。

しかし、大人のドラゴンで種族として地位の高いドラゴンはかなり厳しい。


グレートドラゴンなんて下から2番目の地位のドラゴン種だ。

その族長があれだからね。

同位の族長は同じと考えた方がいいでしょう。

更に上の地位の族長なら、より酷いと考えるべきね。


とりあえず、参考として蜥蜴にされた奴の意見でも聞いてみるか。

転移(テレポート)


蜥蜴にされたドラゴンは人型に戻れない。

魔力を固められているからね。


森で隠れるように過ごしている。

怯えて固まっているわね。


探すまでも無いわ。

古代種(エンシェント)ドラゴンであり高齢でもあるから大きくて隠れる事ができない。


何体の馬鹿が攻めたのやら。

私の命令を無視した意味を理解しているかしら?


耳は聞こえているはずだから呼ぶか。

「おい、代表で攻めた奴はこっちに来い」


生きる気力がありませんといった感じで、のそのそと歩いてくるな。

私を不愉快にさせて殺されても別にいいと思ってそうだ。

既に殺したくなってきたよ。


沈黙(サイレンス)解除。

「話せるようにしてやったぞ。言いたい事があるなら言ってみろ」

「竜王様のお力で治す事ができたのですね!何故今まで放置されたのですか?」


殺そうか…。

まだ殺すのは早いか。


「お前は命令無視して攻めた事を忘れているのか?本当なら殺しているぞ」

「上位のドラゴンの命令には逆らえません。竜王様なら分かって下さるはずです」


最上位の竜王の命令に逆らっているだろ。

頭が悪過ぎるぞ。


「何を言っているんだ?そいつを殺せばいいだろ。竜王の命令が上だ。ドラゴンは力が全てだろ」

「その通りですが、復讐する機会でもあったのです」


母親の目の前で復讐するとか言っているし、今すぐ殺してくれと言っているのか?

焦る必要も無いか。


殺すのは決定だよ!


「お前らの族長は罪人だぞ?分かって言っているのか?」

「地上の国や種族がなんだと言うのですか。ドラゴンが全てではありませんか」


典型的なドラゴン。

私とヴィーネは特別だな。


「何故ドラゴンが全てなんだ?地上の種族と何が違うんだ?」

「ドラゴンは最強です。古代種(エンシェント)ドラゴンはその中でも一番強いのです」


「最強だからか。じゃあ、負けたお前は最強ではないよな?地上の弱い種族と何が違うんだ?」

「私は負けていません。まだ生きています。いずれ復讐する時が訪れます」


笑えばいいのか?

見逃してもらった事にすら気付かないのか?


私が治したから調子に乗り出したか?

その可能性が高い気がするわ。


「泣きながら戻って来た奴が負けていないだと?蜥蜴にされた奴が負けていないだと?笑えないぞ」

「あの吸血鬼は卑怯にも竜王様のご令嬢の力を利用しているのです。何故竜王様がそれに気付かないのですか?吸血鬼ごときが我らに勝てる訳がありません」


クリスタに倒された奴と似たような事を言っているな。

ドラゴン種は上位の種族でも馬鹿過ぎるな。


「お前は私の娘を殺しに行っておいて何を言っているんだ?例え力を使ったとしても問題ないだろ」

「それは上位のドラゴンに騙されたからです。吸血鬼の罪をご令嬢に被せたのでしょう」


復讐する相手はシャルに変更するので許して欲しいと言っているのか?


「それはお前の本心か?後から撤回はできないぞ」

「本心です。竜王様が上位のドラゴンを全て殺したと聞きました。これで私は竜王様の命令に従うだけですみます」


「ああ、1つ言い忘れていたよ。吸血鬼の娘がお前たちを治したいそうだぞ。私が治せるのは声を出せるようにするだけだが、あいつなら元通りにできる。どうする?受け入れるか?」

「それは貴重な情報をありがとうございます。受け入れた振りをして、体が万全に治った後に復讐をするとしましょう!」


「おい、他の奴らも同じ意見か?同じなら頭を下げろ!」


頭を上げているドラゴンが見当たらない。

姉の事を馬鹿にできないな。


お前らを殺戮したいよ。


醜悪過ぎる。

同じドラゴンとして虫唾が走る思いだ。


いい事を思いついた。

ゴミ捨て場になっている島があったな。


目の前のゴミを黙らせるか。

沈黙(サイレンス)


「お前たちは見せしめとしても目障りだ。地上で暮らせ。最強のドラゴンなんだから魔獣に負ける訳がないよな?二度と会う事もない。じゃあな。転移魔法(テレポート)


何を驚いていたんだ?

本当に理解できないな。


予想以上に醜悪な種族だ。

これから先、年齢が自慢の馬鹿はゴミ箱に捨てるか。


そういえば、不幸は突然訪れる事を忘れていたよ。

ハイエルフの長老は恐れるものがないと言っていたな。


私は優しいからね。

先程の馬鹿を中心に不幸を送ろう。

時空魔法(メテオ)


馬鹿は死んようだ。

島の地形が変わったみたいだが何の感情も浮かばないな。

不愉快な思いを一度に解消する。

流石ジェラ姉さんです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ