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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第3章 神国シェリル

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閑話 ビアンカ 曇りのち晴れ

いつも通り孤児院の窓から外を眺めます。

今日は天気が悪いわね。

雨でも降るのかしら?


でも、少し嫌な雰囲気がするわ。

先程から胸騒ぎがしてしょうがない。

そんな事を思い外に出て空を見上げると、そこには絶望が広がっていた。


不幸は突然訪れる。

クリスタが言っていた言葉が脳裏に蘇る。


数えきれない程のドラゴンが上空を飛んでいる。

街全体がドラゴンの影で覆われてしまう程の膨大な数。


気付くと横にクリスタが立っていました。

「ふーん。雑魚ばかりじゃない。皆殺しかな?」


クリスタにはそう見えるのね。

それが実力の差だと思うと悔しいわね。

今の状況が大した事が無いように感じてしまうじゃない。


そして、神が上空に姿を現したのです。

ああ、本当に大した事が無い状況ですね。


なんという安心感なのでしょう。

絶対に問題が無いと確信ができるのです。

ヴィーネ様がドラゴンになっているので、皆殺しにするのでしょうか?


気持ちが軽くなったのを感じたのですが、突然寒気が全身を襲います。

空が更に暗くなった気さえします。

これは何なのかしら?


全身の震えが止まりません。


横にレナーテが来て拝んでいます。

「ああ、神が降臨されましたね。あのお姿を見るだけで私は満たされます」


神が降臨された?

震える体を抱きしめ持ち上げるように空を見上げると、ヴィーネ様の隣に別人がいました。

真祖の姿になったシャーロット様でしょう。


これは恐怖なのでしょうか?


クリスタが声を上げました。

「一瞬だね!全てのドラゴンが固められたわ。転移(テレポート)した先で処理するのね。子供たちに見せたくないのかな?」

「神の御業です!」(拝んでいる)


一度に全てのドラゴンの動きを止め、転移(テレポート)する。

やはり神ですね。


「クリスタ。本気で組手をして、先程のシャーロット様と戦ったらどうなるのかしら?」

「向かい合っただけで死ぬよ。結界があるから強く感じないけど、相当の威圧感があるはず。人間には耐えられないと思うわよ」

「私は間近で見ましたが、心を鍛えていれば直接向けられない限り死にはしません。それでも、震えて動けないとは思いますけどね。神は偉大なのです」


レナーテは間近で見た事があるのですね。

そして、私はシャーロット様に恐怖しているのですね。


まるで体が石になったように感じます。

心が弱いのでしょう。


転移(テレポート)してからそれ程時間は経っていないと思うのですが、シャーロット様から念話(テレパシー)がありました。


それを聞いたクリスタが笑っています。

「角と翼を切断して、魔法を使えなくして、話せなくしたのかな?尻尾も切断しているかもしれないね。蜥蜴は逃げる時に尻尾を囮にするからさ。やっぱり子供に見せたくなかったんだよ」

「そうね。余り残虐な行為は見せたくないのでしょう」


数えきれない程のドラゴンを短時間で蜥蜴の姿に変える。

ああ、やはり神は絶大な力をお持ちですね。


「今日はいい天気だね」

隣に歩いてきたチェルシーが空を見て呟きました。


「ええ。本当にいい天気だわ」

身体強化を知って努力しているつもりですが、まだまだ弱いままですね。


クリスタやレナーテは震えていませんでした。

つまり、ある程度の恐怖には対抗できているという事です。


やはり、生死を掛けた戦いの経験の有無が大きいのでしょう。

まだまだ努力しなければいけませんね。

孤児院の戦力がまた上がりますね。

皆外で遊んでないで仕事しなさいよ byカーリン

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