閑話 ジェラルヴィーネ 絡み酒
ああ、本当に面倒だよー。
なんで私が酔っ払いの相手をしないといけないの?
「ヴィーネ、今日は説教よ!あなた甘過ぎるわ。シャルが甘いのは仕方がないけど、あなたまで甘くなってどうするの。補い合わないといけないでしょ!どうしてハイエルフもドワーフも殺さないのよ?」
「私にもお婆ちゃんの教えが入っているの。だから、殺さずに飛ばしちゃう。無暗な殺しは駄目だって教えが染み付いているんだよ。ドワーフは絶滅しないから殺しても良かったけど、子供たちは真面目だったから可哀想だよ」
殺すのは簡単だけど絶滅しちゃうよ。
偶にはいい人もいるんだから絶滅はまずいよ。
「クリスタと組手したけど相当の実力じゃない。あの子を見下す害虫を生きたまま飛ばすなんて有り得ないわ。あの子も殺すのを我慢していたみたいよ。知っていたでしょ?」
「勘違いしていた害虫は、ただの害虫にしたよ。もう、長生きしている事しか自慢できないから大丈夫だよ。クリスタも言いたい事を言ったと思うし大丈夫」
相当気に入ったみたいだね。
母さんの技術を理解して努力し続けているからね。
私もクリスタはお気に入り。
特に中立派なところが面白いからね。
「クリスタと戦わせれば良かったのよ。ボコボコにした後、魔力を封じて飛ばせばいいじゃない。まあ、ボコボコにしようと思ったら相当手加減が必要だから面倒かもしれないけどさ」
「実力差がありすぎるんだよ。それは、クリスタの負担にしかならないよ。腕や足を吹き飛ばしても良かったけど、それでも衝撃で死ぬ可能性があるでしょ?長老は弱過ぎたの。叔母さんも組手して分かったでしょ?それに、ハイエルフ全体が感謝もしないし短命種を見下していたの。見下す相手を殺していたら、絶滅しちゃうじゃない。古代種ドラゴンが絶滅させてどうするのよ」
あそこまでしてもらって母さんに感謝しない気持ちは分からないけどね。
本当は殺したかったけど絶滅しちゃうから。
「いいのよ。地上の人々が成長するのに邪魔な害虫は処分した方がいいでしょ?ハイエルフが種族としてあそこまで勘違いした害虫だと思っていなかったわ。世界樹の精霊にも見放され、妖精にも見放されている。存在価値がないじゃない。しかも、長命種なのよ!無駄に長生きするじゃない。ドワーフも傲慢な種族でしょ。勘違いしている馬鹿は殺す必要があるのよ」
「ハイエルフはダンジョンの入り口がある孤島に飛ばしたよ。魔獣から隠れるか、戦うか知らないけど、島から出てこないよ。もう会いたくないしそれでいいじゃない。ドワーフも今頃は大人たちが再起不能になってるよ。全員腕を粉砕して何もできなくなってると思うよ」
もー、どんだけ殺したいの?
自分で殺しに行けばいいじゃない。
長老に会いに行ったのだから場所は分かってるでしょ。
ドワーフは洞窟に隠れているし、もう会う事は無いからいいよ。
国を作ると言っていたんだから、ドワーフが住んでいる場所もたくさん知っているでしょ?
全部自分でやりなよ。
あー、母さんまだかな…。
「とりあえず馬鹿は殺しなさい。殺さないなら私みたいに処理しなさい。ポセイドン夫婦はあまりにも醜悪だったから、子供がいた記憶を2人とも、夫婦だった記憶を妻だけ消したわ。そして、ポセイドンには嘘を言ったら殺す呪いをかけておいた。今頃、海底で追い駆けっこしているわ。妻に、ポセイドンは変態だから逃げろと言ったからね。死ぬまで海底で追い駆けっこよ。そのくらいしなさい」
「それは面白いね。今度飛ばす相手がいたら、そんな感じにするよ。海の王は長女が継ぐから安心だよ。既にポセイドンより強いからね。あの目を見た感じだと海底で見かけたら殺す気だよ。流石新しい海の女王だよ」
覚悟をしている目だった。
学校を卒業したらと言っていたけど…。
休日限定の魚屋で万が一遭遇したら殺しちゃうだろうね。
「それはいい情報ね。魚人もいないし問題は起きないと思うけど、海にも王はいた方がいいわ。シャルの技の効果も見れたし、かなり強くなるでしょうね。ただし、相当努力する必要があるけどね」
「努力し続ければ一定の強さまではいけるからね。ただし、クリスタの強さまで求めると努力だけじゃ足りないから。頭も使わないと駄目だね」
短期間で強くなった。
本当に凄い事だよ。
本人は軽い感じなんだけど、実際は物凄い努力をしている。
分かる人には分かるけど、強者らしくない雰囲気だから騙されやすいね。
普通の街にいるお姉ちゃんって感じだから。
元冒険者だから戦う覚悟は既にできている。
カーリンやレナーテは問題ないけど、ビアンカやチェルシーはそこら辺を学ぶ必要があるね。
孤児院の大人たちで組手をすれば大丈夫だと思う。
クリスタはそれを分かっているから殺気を出すと思うからね。
国の最高戦力が孤児院って良く考えたらかなりおかしいね。
母さんに染まり過ぎだよ。
「あれだけ魔力を自由自在に動かせるのは凄いものよ。少ない魔力を最大限に活かしているわね。技を教えてもらう人は、生まれた過程も知るのでしょ?長老も知っていたのに努力しないって、終わってるわよ。やっぱり処分しに行こうかしら?」
「早く行っておいでよ。叔母さんに殺されるなら本望だよ。年齢が自分より上だから負けても仕方がないからね。本当に笑えるよ」
私と母さんは年齢を誇って他者を見下していると思っていた。
実際は種族全体が短命種を見下し馬鹿にしていた。
本当に終わっているよ。
子供の頃から教育すればクラーラみたいに問題はないと思うけど、他の子は孤児院より森を選んでいるんだよね。
長命種だからだと思っていたけど実際は違うのかもしれないね。
今さら考えても仕方がないけど見極めが甘かったよ。
母さんも反省しているしね。
あ、やっと母さんが来たよ。
「母さん遅いよ。酔っ払ってハイエルフとドワーフを殺せってうるさいんだよ」
お祭りは3人一緒にお風呂に入って、3人一緒に寝るのが恒例になりそうだよ。
まあ、別にいいけどさ。
3人仲良しです。




