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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第2章 多種族国家シェリル

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閑話 ジェラルディーン 怒り

あー、もう嫌だ!

本当に面倒な種族ね。

もう止めようかしら。


すぐに洞窟に逃げ込む。

話しを聞く気が一切ない。

無理矢理じゃないと国を作るのは無理ね。


暇潰しだったけど、ここまで相手にされないと流石に飽きるわ。

もう娘たちに笑われてもいいわ。


限界よー!


あれ?

2人が海底に行った。


まだ何かあるの?


それに、シェリル国から大量にいたハイエルフの気配が消えている。

横にあったハイエルフの国も無くなった?

確実に何かあったわね。


何をしたんだろうか。

あー、気になる!


長老の気配は分かるから見に行きましょう。

転移(テレポート)


普通の森のようね。

「長老、何でこんな所にいるの?」

「これはジェラルディーン様。分かりません。ここは何処でしょうか?」


長老も自分のいる場所を把握していない。

これは、確実に何かあったわね。


「シェリル国で何かあった?」

「その国名は知りませんよ」


何ですって?

ハイエルフを追い出す程、種族として何かをし続けたの?


「ここに来る前、誰かに何か言われた?」

「ええ。短命種を馬鹿にしている。見下していると言われましたね」


まさか、ハイエルフ全体が人間を見下していたのか?

「お前はどう思っているんだ?」

「短命種に負ける事は無いですからね。相手にもしていませんよ。話を聞く気もおきませんね」


「お前たちは人間や獣人に子供を攫われていたのだろう?」

「私たちから隠れるように攫って行ったのですよ。戦えば負けませんからね」


「お前は人間の街に入るのが嫌か?」

「当然じゃないですか。臭いが無理ですね。人間は臭すぎますよ」


こいつ…、助けてもらってこんな事を考え続けていたのか。

シャルの母親が人間である事を知っていて、こんな事を種族全体が考えていたのか。


「お前たちがここに全員揃っているのは何故だ?散り散りになって隠れて住んでいただろう?」

「何故でしょう?それが分からないのですよ。ですが、これで恐れるものは何もありませんからね。大丈夫でしょう」


こいつ、これ程馬鹿だったのか…。

目の前にいる私はお前をいつでも殺せるぞ。


しかし、いきなり飛ばす事はしないはず。

決定的な何かがあったに違いない。


ヴィーネが動く可能性が高いわね。

シャルを悲しませる馬鹿を許すはずがない。


「お前、何か夢は見たか?」

「ええ。あり得ない事ですが、夢の中で人間に負けたのです。本当に嫌な夢でしたね」


最悪だ!

これほど醜悪な生物だったのか。


確実にテストされている。

人間に勝てると思い込んでいるこいつらを人間と戦わせた。


特別な人間と戦わせても言い訳してしまう。

普通の人間と戦わせたに違いない。


人間を見下し馬鹿にし続け人間に殺された。

種族として見放されたんだ。


「お前らは見放されたんだ。世界樹はない。世界樹の精霊もいない。終わったな」

「ああーー!世界樹の精霊様に会ったのですが、どこの国か思い出せません。お手伝いをしていたのですが、断られてしまったのです」


まさか…!

世界樹の精霊を見つけて連れ帰ったのか。

そして、ハイエルフが面倒を見ると言った。

それが切っ掛けでハイエルフが人間の街に嫌々入るようになった。


世界樹の精霊に本当に見放されている。


「世界樹も失い、世界樹の精霊に見放され、大恩人の母親を侮辱し続けた。本当は殺したいが、シャルが見放すだけで許している。今度見かけたら確実に殺す。精々隠れて過ごすんだな。転移(テレポート)


ポセイドンの国に人魚がいない。

何故だ?

何があった?


セイレーンがいるな。

適当な奴に聞いてみるか。


「おい。何故人魚が誰もいないか知っているか?」

「はい。子供たちは学校に通っています。そして、子供たちが親はいないとシャーロット様に訴えました。二度捨てられたから、魚人に売られたから、もう捨てられたくないと。だから、ポセイドン様とアムピトリーテー様はどこかに飛ばされました」


「そうか、助かったよ」


ポセイドンの位置なら把握できる。

かなり遠くの海に飛ばされたようだな。

転移(テレポート)


「おい、ポセイドン。何故こんな所にいるんだ?」

「突然シャーロット様が海の王ならどこでも王様だからと…」


「へぇ。私の娘たちが理由も無くお前たちを飛ばしたのか?」

「娘たちが妻を庇って魚人に捕まったのを許してくれていないようです…」


「お前死にたいのか?嘘を吐いてまで自分のやった事を隠すのか?」

「・・・・」


早速無言か。

今すぐ殺したくなるな。

だが、こいつがクズなだけでシャルが両親と引き離すか?


念話(テレパシー)

「ヴィーネ。どれだけ選別したんだ?おかしな選別はしてないんだろ?」

「もう気付いたの?私たちが街にいない時、人間に攻め込まれたらどうするかテストしたよ。お店まで用意して種族同士で協力する事を期待したんだけどね。長老は戦士を集めると言って、短命種の人間を見下し続けた。若者が人間の街に入り私たちにお願いした事を偉いと判断する醜悪さ。ハイエルフを飛ばすのはその時点で決定したけど、人間より強いと思っているから、テストしたらあっさり負けたよ。世界樹の精霊や、妖精に見放されている事に気付いてもいない。ドワーフは戦いが始まったら、自分たちだけの身を守る為に洞窟への出入り口を塞いだ。更に種族全体が傲慢過ぎた。叔母さんも国を作るの止めていいよ。笑う気すら起きない。人魚の母親は、母さんが魚人を殲滅した時に悔しいという感情を出した。母さんが死ぬ気で編み出した技を教えてもらったのに、大した努力もせず、少し強くなっただけで訓練するのを止めた。テストは負けると思ってやったんだよ。その人は戦わずに逃げたけど、子供たちが頑張っていたから母親の記憶消去で許したんだ。でも、母さんが許さなかった。そいつに説教した直後だったんだよ。子供の強さに頼るような事はするな、子供を守るのが親だとね。そしたら、娘たちを置いて逃げた。母さんが視界にも入れたくない程、酷い母親だったという事だよ。ポセイドンも醜悪だよ。人魚の子供たちが売られたって言ったから、母さんがポセイドンの記憶を覗いたんだよ。そしたら、娘ならまた産んでもらえばいいと考えてた。だから、魚人に娘なら好きなだけ連れて行ってもいいから、妻だけは離せと叫んだんだよ。母さんが殺すと思ったけど、無暗な殺しだと考えたのか、海の王だから生かしたのかは分からない。ただ、結界に近付いたら殺すとは脅しているよ」

「そうか。じゃあ、ドワーフの国は中止だ。別の種族でも探す」


「いいと思うよ。どいつもこいつも馬鹿過ぎる。ハイエルフとドワーフは種族全体が駄目だと判断した。人魚の子供たちは余りにも可哀想だから、結界を残し馬鹿2人だけ入れないようにした。母さんも落ち着いているし、街も落ち着いたよ。だから、お祭りに来ないでよ。じゃあねー」


妻が人質で手が出せなかったんじゃないのか。

そもそも、妻だけ助けるつもりで娘を魚人に売ったのか。


結局、妻も攫われたただのゴミくずだな。


「妻は敵前逃亡して娘を置いて逃げる。なるほど、娘は二度捨てられているな。お似合いの夫婦だ」

「何ともしようが無いですよね?」


はぁ?

お前は私に何を期待しているんだ?


ああ、苛々する。


「お前たちを殺して欲しいのか?それとも、苦しんで死にたいのか?」

「そ、そんな事を望んでいる訳では…。ただ、このままでは娘に会えません」


「お前、私が真実を知らないと思っているのか?魚人に娘を売ったのに会いたいのか?」

「極限状態で感情的になっていただけです。必ず時間が解決してくれます!」


醜悪にも程があるぞ。

よく殺さずに飛ばしたな。


一応、親だからか?


「流石に不愉快だ。呪術(トゥルー・オア・デス)、呪いをかけた。今から一生、嘘を吐いたら死ぬぞ。娘を魚人に売ったんだろ?当然だが沈黙も死ぬぞ」

「は、はい。妻を助けようと売りました」


「娘に会いたい理由は何だ?」

「娘たちは私より強くなっていましたが方法を教えてくれませんでした。それを聞き出す為です」


シャルの授業は相当に効果があるようだな。

だが、こいつは魔力が見えるはずだが…。

ああ、娘が速すぎて見えないのかもな。


闇魔法(メモリー・オブ・デス)、お前に子供はいないよな?」

「はい。いません」


「ジェラルディーン様。夫に何故そこまでするのですか?」

闇魔法(メモリー・オブ・デス)、お前には夫も子供もいないじゃないか」


「いません。横にいる男性は誰ですか?」

「お前の事が好きで付け回す変態だ。早く逃げろ!殺すのも馬鹿らしい」


「分かりました!では、失礼します」


「な、何故、そのような酷い事を…」

「誤解を解けばいいだろ?必ず時間が解決してくれるさ。じゃあな。転移(テレポート)


馬鹿共は海底で一生追い駆け合っていろ。

お前たち、元夫婦にはお似合いだよ。

殺されないだけましだろ?


嘘を吐いて馬鹿がすぐに死ぬかもしれないけどな。

今後、海の王なら娘が名乗れば良さそうだし問題ない。


ここまで恩知らずばかりだと殺したくなる。

無暗な殺しだけはしないように、我慢しているシャルに免じて一度だけ見逃してやるよ。

かなり我慢したジェラ姉さんでした。

泳ぐのが遅いポセイドンに誤解を解ける日は来るのでしょうか?

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