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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第1章 シェリル

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妖精との交流

多種族国家シェリルか。

世界中にお母さんの名前を伝えるには、この方がいいね。


国を大きくしてたくさんの人を助けようと思うと、食糧生産の仕事をしてくれる人が多く必要になる。

他国ではそういう仕事も奴隷にさせていると思うけど、ここでは絶対にしないよ。

そんな事をするくらいなら、このまま発展していけばいいと思う。


社で色々考えていると、小さなお客さんが来た。

気配はずっと感じていたし、悪意はないから放置していたけど、ついに会いに来てくれたみたい。


少し社の扉が開いているから、こっそり入って来たんだね。

小さい羽の生えたエルフの女性みたい。

綺麗な羽だね。


「初めまして。妖精のユッタです。シャーロット様にお願いがあって来ました」

「街に隠れていたね。まだ、仲間が隠れているでしょ?それで、お願いは何かな?」


「やはり、見付かっていましたか。妖精を保護して欲しいのです。駄目ですか?」

「このまま、街にいれば保護するけど何か違う話なのかな?」


「はい。シャーロット様が奴隷を助けているのを見ましたので、助けて欲しいのです。私たちは観賞用として捕まえられて、籠に閉じ込められているのです。その仲間を助けて欲しいのです」

「とても酷い話じゃないか。まず、街中にいる仲間を皆集めて欲しいな。その後、誰を助ければいいのか教えて欲しいんだけど、それでは駄目かな?」


多分、ユッタの記憶を覗くだけじゃ皆を助けられないし、誰を助けたいのか分かりにくい。

皆をここに集めていない人を助ける方が簡単なんだ。


「そうですね。誰を助ければいいのか皆を集めないと分かりませんね。すぐに呼んできます」

「うん、待ってるねー」


10分くらい待ったらユッタが皆を連れて来た。

35人隠れていたみたい。

みんな綺麗だね。

羽が輝いている。


羽の色が違うのは、得意な魔法の違いかな?

それとも個性かな?


でも、捕まえて籠に入れるとか酷過ぎるよ。

何故そんな事が出来るのか私には分からない。


同じ人で、大きさや見た目が違うだけじゃない。

会話も出来るのに悲鳴を聞いても何も感じないのかな。

ほんと嫌な事が最近多いね。


「お待たせしました。街にいる皆を集めて来ました。そして、助けて欲しいのは、この中にいない仲間全員です。可能でしょうか?」

「皆の記憶を覗いていいのであれば可能だけど、その後どうするの?」


「この街に住まわせて下さい。皆で仕事しますので」

「仕事は好きにしていいけど、何を食べているの?」


「蜜や果物です。甘いものが大好きです。リンゴ飴が食べたいのです」

「リンゴ飴が食べたい気持ちは凄い分かる。得意な仕事は何かな?」


なるほど。

この街に住むしか無いね。

リンゴ飴が食べたいなら仕方が無いよ。


「植物を育てる事です。他種族の方の食べ物を育てる事が出来ると思います」

「分かったよ。じゃあ、畑を用意しよう。ハイエルフとは会った事ある?」


「はい。ハイエルフが街に来たので会う事にしました。私たちも森に住みたいです」

「なるほどね。家は必要かな?」


ハイエルフが街に来たから信用してくれたのかな?

皆が信用してくれる事はいい事だね。


「ハイエルフの人たちと一緒に住む事に慣れていますし、受け入れてくれると思います」

「分かったよ。まずは、救出だね。今から皆の記憶を覗かせてもらうけどいいかな?」


「勿論です。私たちは100人以上いたのです。どんどん捕まって減ってしまいました」

「本当に酷いな。すぐに助けてあげるからね」


私は35人の記憶を覗き、ここにいない妖精の位置をどんどん把握していく。

エルフの子供たちを助けた時もそうだけど、妖精が捕まっている位置もほとんど一緒だよ。

奴隷を使う人は、他種族も攫うし妖精も捕まえているんだ。

本当に滅ぼしたくなってくるよ。


位置が分かるだけに強く思う。


「把握できたのは85人だけど、どうかな?それで、皆かな?」

「はい。私の部族の妖精は皆揃えば119人になります。丁度です。全員を助けて頂けますか?」


「勿論だよ。召喚魔法(サモンマジック)。皆揃ったかな?」

凄い部屋の中が色鮮やかになったね。

でも、皆が涙を浮かべているから酷い環境にいたんだね。

助かって良かったよ。


「えっと…。皆揃いました。ありがとうございます!」

「「ありがとうございます!」」

「怖かったよ…」

「助かったの?」


皆で喜びあっているね。

この光景は何度見てもいいよ。

本当はこの光景が生み出されないようにしたいけどね。


「じゃあ、皆でハイエルフの森に行くよ。転移魔法(テレポート)


今日も泳いでいるね。

どれだけ好きなんだろう。


多分だけど…。

泳ぎ終わって満足そうにしているハイエルフの女性に声をかけた。

「長老に話があるんだけど、呼んできてくれるかな?」


本当に排他的なのかな?

凄い楽しんでいる人ばっかりだよ。

いい光景だけどイメージと違って笑えるよ。


「あ、はい。すぐに呼んできますね」


すぐに来てくれたね。

長老と言っても若いからね。

もしかしたら、こっそり泳いでたりして。


「どうしましたかな、シャーロット様」

「妖精を助けたんだけど一緒に住めるの?妖精が言うから連れて来たんだ」

「長老様ですか。私は妖精女王のユッタです。一緒に住んで頂けませんか?」


え?

女王なの?

自己紹介の時に言ってよ。


みんな自由過ぎるよー。


世界で一番自由なあいつがそろそろ来そう。

100年に一度来るんだよね。

やだやだ。


また「勝負しようぜ?」とか言うんだよ。


来たらその時考えよう。

私は考えるのを止めた。


「私たちと妖精が一緒に生活するのに、何も問題はありませんので大丈夫ですよ」

「長老様、ありがとうございます。皆もお礼を言いなさい」

「「ありがとうございます!」」


「街と森の間の空いている土地で、仕事をするって事でいいのかな?」

「はい。何か育てて欲しい植物があればそれを育てます」


マリアンネを呼ぶか。

最近呼び過ぎている気がする。

実は内心怒ってないかな…。

怖いからマリアンネの感情は見ないようにしようかな。


念話(テレパシー)

「マリアンネ。いつもごめん。至急、森まで来て」

「かしこまりました」


「街の責任者を呼んだから。ちょっと待っててね」


あ、走ってきたよ。

街長って忙しい気がするけど大丈夫かな。


「何かありましたか?周りに飛んでいるのは妖精じゃないですか?」

「流石マリアンネ!詳しいね。お願いされたから妖精を助けたんだ。この子が女王のユッタだよ」

「初めまして。妖精女王のユッタです」


「はい。ええ、街長辞めたいです」

「絶対駄目ー。言うと思ったよ。今回マリアンネにお願いするのは難しい事じゃないから安心して。妖精が森と街の間の土地を、畑として利用して作物を育ててくれる事になったの。それで、作って欲しい作物と、作った作物を買い取ってあげて欲しいんだよ」


機嫌が直ったかな?

街長の仕事だよね?


「街長らしい仕事で安心しました。小麦を育てて欲しいです。種は後で用意しますね。収穫も妖精がしてくれるのですか?」

「はい。作物を育てて収穫するのは得意ですので私達がやります。ただ、重い荷物を運べないので、収穫した小麦を運ぶ人だけは用意して欲しいです」


「それでしたら、その時に収穫した小麦のお金を支払うようにしますね」

「はい。私たちはそのお金で、果物や甘いお菓子を買いたいです。よろしくお願いします」

「住民に伝えておいた方がいいね。いきなり、妖精が買い物にきたら驚いちゃうから」


「そうですね。私も噂でしか聞いた事がない存在でしたから」


住民に念話(テレパシー)しなきゃ。

「この国に新しい仲間が増えました。妖精です。小さくて可愛いからって悪戯したら罰を受ける事になるからね。ハイエルフの森と街との間で小麦を育ててくれるから、邪魔したら駄目だよ。それと、妖精がお菓子や果物を買いに行く事があるから驚かないでね」


時空魔法(ゲート)で社から10万ギルを取り出す。

「ユッタ、このお金を使って。みんな小さいから、これだけお金があれば十分だと思う。あとは、働いて稼いでね」

「ありがとうございます。早速買いに行きます」


妖精は小さいから、これでお腹いっぱい甘いものが食べれるね。

果物屋とお菓子屋が大変な事になりそうだけど頑張って欲しいな。


「マリアンネ。今度のお祭りはリンゴ飴増産しておいて。妖精がみんな買うから」

「リンゴ飴を売っているおじさんが過労で倒れますよ。とりあえず、多めに用意しておくように伝えます」

「ありがとうございます。私たちはリンゴ飴がどうしても食べたいのです。1個で5人分はありますから、多分大丈夫だと思います」


フフフ。

リンゴ飴の良さが種族を越えて分かってきたようだね。


りんごの木をここに植えようかな。

いや、植えるべきだね。


私のために。


「今からりんごの木をここに植えるから。ユッタ、それも様子見て」

「分かりました。果物の木ですから大丈夫です」


「シャーロット様。りんごの木をどうやって植えるのですか?」

「んー、ちょっと待ってね。転移魔法(テレポート)


リンゴ飴を売っているおじさんのお店に移動する。

「おじさん。りんごの種かりんご売ってるかな?」

「古くなって売れないりんごがありますから、好きなだけ持って行っていいですよ」


「ありがとう。じゃあ、1個もらうね。お祭りのリンゴ飴、凄い売れると思うから頑張ってね」

「妖精が好きなのですか?できる限り頑張りますよ」


「ハイエルフも妖精も好きだと思うけど、よろしくね。転移魔法(テレポート)


「ただいまー。古くなったりんごを貰ってきたよ」

「種を取り出すのですか?」


「とりあえず、種をばらまこう」


リンゴを空中に投げて、土魔法(ストーンバレット)で粉砕した。


「魔法で砕くのですか。嫌な予感がしますけど…」

「よし!りんごの種よ、成長しろー!」


気合を込めて、種が木になりりんごが実る想像を一生懸命した。

お風呂の横にりんごの木がたくさん成長したよ。


「もう、意味不明ですよ。何ですかこの景色は。街長辞めたいなー」

「20本くらい育つように想像したけど、上手くいったね。このりんごは食べたり売ったり好きにしてね。あと3か月くらいでお祭りだから、その時は残しておいてよ」

「流石です、シャーロット様。ハイエルフも妖精もりんごは大好きですよ」

「シャーロット様って超規格外ですね。私たちは心の底から安心して生活できます」


「私の話は無視ですか。街長ですよ?」

「聞いてるよ。子供の為にりんごを持って帰って一緒に食べてよ」


「そうですね。りんごを少し貰って行きますね」

「マリアンネ疲れてる?元気にしてあげようか?」


「止めて下さい!私は元気いっぱいです。りんごを貰って今日は帰りますね」

「元気いっぱいなんだ。じゃあ、街長続けれるね。良かったよ。これで、皆が幸せだよね」

マリアンネが疲れている理由は別にあります。

シャーロットの責任ではありません。

辞めたいと言うのが口癖になってます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読み始めだが面白いです [気になる点] 誘拐された種族はサモンで呼び出せるのに村人(マリアンネ等)はテレパシーで呼び付けて慌てて駆け付ける感じが少し違和感を感じます。テレパシーで説明してサ…
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