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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第2章 多種族国家シェリル

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毒親

私には理解ができない。

被害者である人たちが同じ目に遭わないように努力する。


当然であり普通の行動だと思っていた。


子供たちの成長を見て授業をお願いしに来る。

自分たちも強くなる事で被害に遭わないようにする為だと思っていた。


当然子供たちを守る為に強くなると思っていた。


でも、実際は違う。

少し強くなったら止めてしまう。

訓練しているつもりで勘違いな行動をしている。


ハイエルフの国は被害者ばかりであり可哀想だと思ったから作った。

隣に作ったのも街の人たちと交流してもらう為だった。


街の人たちに悪い事をしちゃったよ。


長老は2000年以上生きているから相手を見下す癖があると思っていた。

でも、ジェラ姉ちゃんの被害に遭っても強くなろうとしないのは分からなかった。


自分が強者になったつもりで指導する立場になった。

そして、長老は訓練を止めた。


種族で見ないようにしてきたけど、ハイエルフがあそこまで短命種を見下すとは思わなかった。

シェリル国の森に住むディルクがお願いに来た時、長老は人間の街を通ったっ事を偉いと感じた。

ディルクが長老にどうお願いし、それを長老がどう受け止めるか見ていたのが切っ掛けでもあるけど、お祭りの時や種族別のお店でもハイエルフの感情は酷い物だった。


ドリュアスのお店ができてからハイエルフの差別主義が露骨に出た。

そして、ハイエルフという種族は駄目だと判断した。

どこかで勝手に暮らしていればいいと思った。


ドワーフを招待したのも街の人たちが魔石を加工したいと考えたから。

自分たちで魔石を探し加工し魔法を入れる所までできれば最高だと思った。

しかし、ドワーフは自己中心的で自分たちの事しか考えていない人ばかりだった。


研究にしても、自分の研究結果を披露する事しか考えていない。

街を良くしようと研究する人は誰もいなかった。


ドワーフも種族で傲慢だと判断した。

お酒の取り合いで私が腕を治療してあげたが、それでもお酒を取り合う。

街の人たちは独占を考えないので、この種族は和を乱すと感じた。

ハイエルフと一緒で、お願いされたら元の場所に戻すつもりだった。


アムピトリーテーは私が魚人を殲滅したと報告した時に悔しいという感情を出した。

自分で決着をつけたかったのかもしれないが、それは嘘だと思った。

決着を本当につけたいなら地上で訓練するべきだった。

魚人が地上にいる事を知っていたのだから。


海中での娘たちの動きを見て勝てると判断しただけ。

自分で勝つつもりは無いのだと思う。


セイレーンは完全に私たちに縋っている。

強くなるつもりなんて無いと分かった。

何の為に授業をしたのか分からなくなる。

絶滅寸前まで追い詰められたのに努力しない理由が分からない。


ただ、あそこまで追い詰められたら縋ってしまうのかもしれない。

街に残るならいい環境にしてあげよう。


そして、種族同士が仲良くなるように、お店を考えた。

でも、お金儲けしか考えていないようだった。

まるで意味がないね。


他種族と取引はしても、お金の為としか考えない。

人間や獣人は加害者である事が多いが、他種族も人数が増えたら同じ事をしそうだと思った。


種族の見極めが甘過ぎたのと人助けにこだわり過ぎた。

我慢せずに即座に元に戻すべきだった。


我慢するのは止めよう。

「ヴィーネ。海底の結界を解除しよう。そして人魚のお店はいらない。セイレーンは街で過ごすか元の場所に戻す。人魚も海底に戻す。問題ないよね?」

「全く問題ないよ。私は母さんのお手伝いをしていただけ」


社の外に出る。

召喚魔法(サモンマジック)

人魚全員とセイレーン全員を呼んだ。


「やあ、アムピトリーテーにユリウス。話があるんだ。人魚のお店はいらない。そしてユリウス、セイレーンはこの街で過ごすか、元の場所に戻るか今判断して。海底の結界は、私の魔法の無駄遣いだよ。答えが出せない場合は強制的に元の場所に戻すからね。人魚も同様だよ」

「セイレーンは街で暮らします。お願いします」

「私は海に戻りますが、娘たちはどうするか決めさせてあげて下さい」


セイレーンは即答か。

やはり街に残ってでも縋りたいのかな。

仕事は頑張っているし問題はないか。


それにしても、人魚の母親なのに娘と離れたがるのは何で?

実は娘たちがいらないのかな?

娘たちに嫌われているのかな?


分からないね。


「それはできないよ。だって、君の娘たちでしょ?子供100人を預かる余裕はこの街に無いんだ」

「君たちの事は十分助けたよね?魚人は殲滅したよ。もう、敵はいない。海で好きに生きればいいと思うよ」

「分かりました…。海底に戻して下さい」


「シャーロット様、待って下さい。私たちに親はいません。親に二度捨てられました。何でもします。学校に通わせて下さい。お願いします!」

「「お願いします!」」


娘たちは親がいないと言う。

二度目とは?


「今回のテストで捨てられたのは分かるけど、その前は?」

「父は母を守る為に私たち全員を魚人に売ったのです。結局は母を助ける事もできなかったようですが、私たちはまた捨てられたくありません。地上で暮らします。ここにいさせて下さい。お願いします」


自分の子供を売った?

人間にも奴隷商人に売った親がいる。


この子たちも犠牲者か。

親はいないんだから。


でも、孤児院に余裕はないんだよね。


「君たちの食事は?何を食べているの?」

「私たちは特に何も食べていません」


「ヴィーネ。人魚って何も食べなくても生きていけるの?」

「海にいる時間があれば大丈夫じゃないかな。ハイエルフが森からもエネルギーをもらっているように、人魚は海からもエネルギーをもらっているから」


それなら、海底で住んでもらう方がいいね。

この子たちの邪魔になる大人を排除しよう。


「じゃあ、君たちが学校に通っている間は月3000ギルお小遣いをあげる。特別だから皆には内緒だよ。そして、夜は海に帰ってもらうよ。あの結界から邪魔なおじさんを排除してもいいんだよね?」

「本当にありがとうございます。排除して下さい。知らない人が私たちの家にいるのですから」


「100人とも同じ意見かな?」

「「はい!」」


100人とも親はいないと思っている。

両親は娘たちに捨てられたね。


ポセイドンは何で泣いていたのかな?

妻が戻って来たからかな?


「計画を変更するよ。人魚のお店は閉店するけど、出入り口としてそのまま残そう。セイレーンも利用していいよ。最後に言いたい事があるなら連れてくけど、どうする?」

「ありません。魚人に売られて悲惨な体験をしたと伝えて下さい」

「そっか。そこまで酷いおじさんだったのか」


「じゃあ、行こう。転移魔法(テレポート)


ポセイドンの城に移動した。

「やあ、ポセイドン。君とアムピトリーテーは邪魔だね」

「な、なにを言っておるのですか?シャーロット様」

「娘たちからの伝言だよ。魚人に売られて悲惨な体験をしただって。最低だね」


「う、売った訳では…」

念力(サイコキネシス)

ポセイドンの記憶を覗き、妻と娘が魚人に捕まった場所を探す。


「ああ、これは酷過ぎるよ。君は、娘ならまた産んでもらえばいいと考えているね。だから、好きなだけ連れて行ってもいいから、妻だけは離せと叫んでいるね。最悪だよ。娘たちを君たちの元に返さなくて良かった。ヴィーネ、アムピトリーテーの記憶を消して」

「はーい。闇魔法(メモリー・オブ・デス)


「夫婦二人で仲良く暮らしなよ。海の王ならどこでも王様だよね。君の記憶は消さない。一生反省して生きればいいと思うよ。ああ、娘はまた産めばいいから反省も無いね。ここに戻ろうとしたら殺すから。じゃあね。転移魔法(テレポート)


ポセイドンとアムピトリーテーを離れた海に転送した。

魔石の結界を書き換える。

これで2人は入れない。


娘たちから結界を攻撃していると聞いたら殺すから。


「最低な親もいるね。良かったよ。娘たちが声を上げるほど酷かったんだね。親といるのが幸せだと思うけど、売られたり、捨てられたら話は別だよ」

「母さん、今日もいい事をしたね。お風呂に入って寝よう。転移魔法(テレポート)


直接お風呂に移動したね。

慣れてきたよ。

一応、皆に話しておこう。


念話テレパシー

街の住民に声を掛ける。

「皆、色々と我慢させてごめんね。人魚のお店は閉店したけど、人魚の娘たちとセイレーンの出入り口だから悪戯したら駄目だよ。またねー」


お風呂にゆっくり入り、一緒に布団に入る。

「封印されたように寝よう。おやすみー」

「分かったよ。封印されたように眠るよ。おやすみー」


嫌な時期が続いたけど勉強になった。

娘の前で下を向いている訳にはいかないから頑張るよ。

我慢のし過ぎは体に良く無いですね。

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