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土地神様は吸血鬼  作者: 大介
第2章 多種族国家シェリル

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セイレーンの特別授業

私とヴィーネが社でゴロゴロしている時に、珍しいお客さんが来た。

「シャーロット様。セイレーンに授業をして欲しいのです。お願いします」


「母さんの特別授業は人気だね」

「皆不安なんだよ。自分で戦う力が欲しいんじゃないかな?」


ヴィーネと話した後、社から飛び出してセイレーンの族長ユリウスと話す。

「強くなりたいのでしょ?気持ちは良く分かるからね。いいよ」

「ありがとうございます。よろしくお願いします」


「このまま移動すればいいのかな?」

「はい。アムピトリーテー様も聞きたいと言っていましたが、大丈夫ですか?」


境遇は同じだからね。

やっぱり不安なんだよ。


「勿論いいよ。ただし、絶対に秘密だからね」

「はい。勿論秘密にします」


「じゃあ、移動するね。転移魔法(テレポート)


砂浜で授業をしよう。

アムピトリーテーもいるね。


魔力量は…。

みんな大丈夫だね。


「では、授業を始めるよ。まず、肝心な事を説明するよ。人には必ず無属性の魔力があります。どんな魔法を使えようとも体の中にある魔力は無属性。そして、自然界にも無属性の魔力が溢れている。じゃあ、魔法以外で無属性の魔力があると何ができるかだけど、身体能力を強化できるん。ただし、条件があるんだ。それが、種族特性。人魚は陸上にいる時に足に魔力を集めるのは危険、セイレーンも同様だよ。じゃあ、実際に身体能力を強化してみよう。ユリウスこっちに来て」

「分かりました」


ユリウスの魔力を薄く全身に延ばす。

やはり、足への魔力の延びが悪いね。


陸上で足に魔力を延ばすのは危険だ。


「やっぱり、陸上で魔力を足に延ばすのは危険だね。砂浜から足を海水に付けて尾にして」

「分かりました」


もう一度ユリウスの魔力を延ばす。

今度は尾にも魔力が素直に延びる。


「今、体全体に魔力を延ばした状態だよ。じんわり温かいでしょ?」

「はい。体の中から温かい水が全身に染み渡るような感覚です」


「泳いでみて。陸上に上がる前にもう一度私の所に来てね。尾に魔力を集めた状態で足に変化すると、何が起きるか分からないからさ」

「分かりました。ちょっと泳いでみますね」


物凄く速いねー。

やっぱり、泳ぐのが得意な種族が本気出すと凄い事になりそう。


海中で鬼ごっこも面白そうだね。

人魚100人とヴィーネ誘ってやってみようかな。


滅茶苦茶な鬼ごっこになって楽しそう。

障害物を作らないと駄目だね。


「とんでもない速さで泳げます。自分の体ではないみたいです」

「身体強化した状態だね。じゃあ、元に戻す前に魔力を頭に集めてみよう。世界が違う景色に見えるでしょ?」


「こんな景色があったのですね。皆の体にある魔力と、海に満ちている魔力が分かります」

「じゃあ、戻すね。疲れちゃうからね。これが身体強化だよ。さて、魔法が使える人はいるかな?」


「私は魔法も使えます。風と土です」

「セイレーンは使える魔法の属性が分かったりするのかな?」


「いいえ。親の使える属性を引き継いで産まれる事が多いので分かっただけです」

「そっか。じゃあ、2つの魔石をあげるよ。透明の魔石に何も考えずに魔力を送ってみて」


「はい。あ!薄い茶色になりました」

「そう。こうやって自分が使える魔力を知る事ができる。もう1つの魔石は魔力を抜く魔法が入っているから抜いてみて」


「はい。透明に戻るのですね」

「これで、皆がどんな魔法が使えるかが分かるよ。さらに、魔法を使える人が種族にいるのなら、私がした事ができる。仲間の魔力を延ばしてあげる事ができるんだ。実際にやってみよう」


「はい。エリーザ、こっちに来て」

「分かりました。お願いします」


自然と手に動かそうとするね。

魔法使いは皆同じなのかも。


「ユリウスはエリーザの魔力を動かしていたけど、手に移動させようとしていたね。でも、一度でも体で魔力が動いたのを感じる事ができたら、次からは自分で魔力を動かす事が楽になるから練習だね。それともう1つ。魔法を使えないと思っている人も魔法を使えるか分かるよ。透明の魔石を持たせて、手から魔力を出せるか試せばいいんだよ。属性も分かるし簡単でしょ?皆で協力すれば、すぐに魔法が使えるかも分かるし属性も分かるし身体強化もできるようになる。そして、身体強化を自分ですると、陸上では足に魔力が延びにくいと感じるはずだよ。それを無理に延ばすと足が破裂するからね。治してあげるけど、かなり痛いよ。ちゃんと注意したからね。さて、基本はこんな所だよ。あとは、自分たちで訓練だね。手だけに魔力を集めたらどんな事ができるとかね。種族によって違うから説明はできないんだ。授業はこんな所かな。質問はある?」

「何故こんな事を知っているのですか?」


正直に話すとドン引きされそうだよね。

まあ、嘘を吐くよりはいいかな。


「自分の腕を破裂させながら適正な魔力量まで減らしていったんだよ。そして、腕に魔力を延ばした状態の運動能力を確認したんだ。次は足、腕で魔力量は大体把握できていたけど、やっぱり破裂するよね。そうやって、自分の体に魔力を延ばしていって、最後は頭だね。これは死ぬかもしれないから、かなり慎重にやったよ。ぎりぎりまで魔力を抜いて手と足に延ばした後、ほんの少しずつ頭に魔力を集めて行ったんだ。そしたら、私が見える景色に近いものが見えたから、そこで止めた。そして、その時の全身に使っている魔力量を把握した訳だよ。これなら人に使えると分かったんだ。だから、人に教えたんだよ。人に教える為に考えた技だからね。土地神様とか言われていたけど、私の国では無いからね。あくまでも国を守るのは街の人であって欲しかったんだよ。残念ながら、強くなる事と戦える事を勘違いする人ばっかりで、失敗しちゃったんだ。だから、大人に教える事は止めた。弱い者虐めできちゃうからね。子供たちに教えているのは未来があるからだね。今はヴィーネが国長になっているけど、いずれは国を守るのも人に任せたいと思っているよ。この技術を使えば絶対に負けないから。私たち親子はのんびりしながら、相当の危機が迫ったら助けるくらいがいいなって思ってるんだ。秘密にして欲しいのは色々と理由があるけど、奴隷を使う国なら人体実験とかしちゃうよね。それに、人を殺す事にも適しているから知らない方がいいんだよ」


やっぱりドン引きしちゃった?

皆静かになっちゃったよ。


気持ちは分かるよ。

全身を自分で破裂させるような馬鹿は私くらいだってね。


あー、ジェラ姉ちゃんの姉もだね。

つまり、異常者だよ。


「他に質問は無いかな?子供たちの事は心配しないでね。怪我する事がないように順序立てして教えているからさ。街での魔力操作は禁止にしているし、隠れて変な練習してそうだったら私が駆けつけるから。危ない事はちゃんと教えているからね」


腕がぴりぴり痺れるとかの表現が良かったかな?

子供たちの安全は問題ないと理解してくれたかな?


みんな完全にドン引きだよ。

異常者だと思われたよ。


とりあえず逃げよう。


「質問は無さそうだね。訓練頑張ってね。分からない事があったら聞いてね。またねー。転移魔法(テレポート)


社に帰ってヴィーネに愚痴ろう。

「ヴィーネ、母さんは異常者だと思われちゃったよ。皆ドン引きだよ」

「何を話してきたの?」


「身体強化を何で知ってるか聞かれたから、知っている理由を話したんだよ」

「ああ、ドン引きだよ。異常者確定だよ。どうせ、痛いから止めた方がいいよとか言った後でしょ?もう、頭おかしいと思われちゃったよ。引き籠った方がいいんじゃない?」


「だよね。封印されているかの如く寝るよ。ヴィーネも寝るでしょ?」

「寝るの?私も封印されているかの如く寝てもいいよ。じゃあ寝よう!」


布団を敷いて、一緒に入る。

「じゃあ、おやすみー」

「おやすみー」

ヴィーネは一緒に寝ていたいだけです。

一番幸せな時間ですからね。


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