閑話 ジェラルディーン やはり気になる動向
もう、どうして隠れるのよ。
本当に面倒な種族ね。
ちょっと、国を作る種族変えようかしら。
それなら、ぎりぎり…。
爆笑されるわね。
絶対に駄目よ。
それだけは駄目よ。
ん?
2人がまた海底に行った。
魚人が攻めている感じでは無いね。
もー!
気になるじゃない。
こういう時は蒸気風呂ね。
とりあえずドワーフの事は忘れましょう。
ああ、本当に気持ちいいわ。
竜の姿でも問題ないのがいいわね。
シャルも気が利くわ。
離れたと思ったら何人か連れて海底に戻ったわね。
魚人ではないだろうし何をしているのかしら。
連れて行った人を国に招待するのはいつも通りね。
もう少し待ちましょう。
お姉様は気が長いの。
・・・・。
夜ね。
土地神りんご酒が飲みたいわ。
あの子たちが社に帰ったから行ってみましょうか。
人型の方がいいわね。
転移。
「こんばんは。また、娘たちが遊びに来たみたいだけど何をしていたのかしら?」
「これは、ジェラルディーン様。お久しぶりです。お2人とも娘なのですね」
今日はポセイドンがいないのね。
娘の事を説明もしていないのか…。
いなくてもいいわね。
「久しぶり。アムピトリーテーは大変な目に遭ったのでしょ?今は楽しんでる?」
「はい。お陰様で、ご令嬢の御力で楽しい毎日です。私のせいでセイレーンが酷い目に遭ってしまいました。夫が私を庇ったばかりに魚人に絶滅寸前まで追い詰められてしまいました」
魚人は人魚を売っただけでなくセイレーンまで売ったの?
確実に誰かが裏にいるわね。
そもそも魚人が自ら地上に行くかしら?
今は国を作っているらしいけど人間や獣人を奴隷にしていると噂になっている。
海底に住んでいる魚人なら地上の種族の大半には勝てるでしょうね。
でも、お金目当てで別の種族を襲う理由が分からない。
奴隷を使うならお金なんて必要ない。
武力を使ってもお金は必要ない。
何にお金を使ったのかしら?
「娘たちも凄い事をしてるわね。海底に空気送り込んで砂浜を作るとか頭おかしいわよ」
「ええ。物凄い想像力ですね。保護できる場所で他の種族に迷惑が掛からないように考えたのでしょう。普通は思い付いてもできないのですが、流石ですね」
セイレーンの絶滅は防げたわね。
2人の保護下に入ったみたいだし。
ここなら確実に大丈夫だわ。
「最強だからね。私より強いから。魚人も黒幕も確実に殲滅対象になったわ。気にしなくてもいいわよ。ここに攻めて来ても出会っても殲滅よ」
「それほどの強さですか。では、この結界は魚人では破るのは不可能ですね。安心です」
「古代種ドラゴンでも私しか破れないわ。例え裏に古代種ドラゴンがいても全く問題にならない。確実に殺されるわよ。私に出会って死ぬか、世界を周って人助けをしている2人に出会って死ぬかの2択よ。出会わない事を祈るしかないわね」
「何故あれほど人助けをするのですか?立派な国を持っているのに」
「ああ、シャルのお母さんの影響よ。シャルは真祖だけど人間に育てられているの。その母親が教えたのでしょう。凄い人間だと思うわよ。真祖に自分の血を20年近く与え続けたのだから。ヴィーネは私が産んだ子だけどシャルの魔力で孵化しているの。だからあの子も、シャルの影響と、シャルの母親の影響を強く受けているわ。どちらにしろ、2人とも私の娘のようなものなのよ」
「凄い人間もいるのですね。私が出会った人間は私の血を飲めば不老不死になれると思っていましたよ。人魚が1人も欠けずに助かったのは何度も血を飲もうとした為でしょう。無意味な事です。血を飲んで影響を受けるのは吸血鬼だけでしょうし、そもそも私たちが不老不死ではないですからね」
吸血鬼か…。
太陽を偶然克服した吸血鬼が血を集める為に魚人を利用した?
関係ないか。
例え真祖がもう1人いたとしてもシャルには勝てない。
2人相手では勝負にすらならないから気にする必要はないわね。
「馬鹿な話があったものね。ところで、ポセイドンは何故いないのかしら?次は守るとか意気込んでいた気がしたけど」
「お店が大繁盛なんです。ですから、商品を獲りに行かせています。美味しいものが溢れていますし、土地神りんご酒も平等に買う権利があるのです。確実にあのお酒を飲めるのは素晴らしいですね。あと娘が多いので、お小遣いが大変なのですよ。お菓子の味を覚えてしまって」
完全に尻に敷かれているわね。
一生懸命に働いていると考えれば立派かな?
だけど、海王よね。
ああ、私も竜王だったわ。
威厳なんて関係ないわね。
「あの国は飛び抜けているわ。様々な種族を招待しているからね。その度に発展していく。あの国だけ空に浮かせた方がいいくらいよ。色々とおかしいからね。まず、あの2人が守っている時点でおかしいから。1人でも竜王並の力があるんだから、そんな国にどこが勝てるのかって話よ」
「種族は多いのですが奴隷は1人もいませんし命令もしていないようですね。不思議な国です。確かに無敵ですよね。私たちは安心ですが、他国からしたら知らずに竜王の尾を踏む可能性がある訳ですからね。考えたらおかしいですね」
本当よ。
竜王の尻尾は、さぞ美味しいでしょうね。
美味しそうに見えるもの。
ああ、思い出すとむかつくわー!
「そうそう、お祭りの話は聞いた?ポセイドンも参加したいって言っていたから話していると思うけど、参加するでしょ?一緒に飲みましょうよ」
「聞いていますよ。何でも国に滞在する人、全員に回復魔法をかけてから始まるのですよね。大人は夜かららしいですから、楽しみですね」
「シャル、そんな事してるの?だから、土地神様とか言われるのよ。どうせ全ての怪我や病気を治してるんでしょ?本当にお人好しよ。他国の神官は1000万ギルを要求して大した治療していないのに、あの子の回復魔法は桁違いでしょうからね」
「ええ。剥がされた鱗すら治ったのは驚きました。一瞬で海底に召喚されたと思ったら全員無傷ですからね。土地神様も納得です。あの国ではお2人とも神様扱いされていますよ。私もそれでいいと思いますし、それだけの事をしていますからね」
「色々大変だったと思うけど元気そうで良かったわ。お祭り楽しみにしているわね。またねー。転移」
私に恨みを持っている奴が裏で何かしている可能性が一番高いわね。
絶滅を私の責任にして竜王の地位でも欲しいのかしら。
誰でもいいわ。
例え兄姉でもね。
そいつは、やってはいけない事をした。
私の娘たちに殺されるか、私が殺してあげるわ。
優しいジェラ姉さん。
最強の親子。
どちらに殺されるのでしょう?(殺されるの決定?)




