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アニーと雅良(1)


なんだこれなんだこれなんだこれ


腹から触手がでている


バリッバリッ


ムシャムシャ


バリッゴリッ


グシャグシャ


その触手の先に口があり、獣を噛みちぎって砕いて


そして飲み込んでいる


飲み込んだ塊が自分の体の中に入っていく感覚もある



なんだこれなんだこれなんだこれ



《悪ぃ、腹減っちまってよォ》


「!?」


自分の左手にいつの間にか口が出来ていて、喋りかけてきた


声は女の人の声


「なっ………。えっ!??」


《んだよだらしねえオスだなおい》


「な、なんなんだお前!!」


ガシッ!!


右手で腹の触手を掴む


「何してんだよ!!俺の体からでろよちくしょう!」


ギュウウゥゥゥ


触手を強く握りしめる


ヌルッとしている思ったが違った


ザラザラとした感触


そして、暖かい


硬い


強く握りしめても、ビクともしない


《アハハ!!力も無いのかよ!!》


「だ、誰なんだお前は!!」


《アタシか?アンタに食われた寄生虫だよ》


「き、寄生虫?」


《そうさ、アタシはただあの鯖を宿主にしていただけの寄生虫。アンタの頭の中を覗かせて貰って、アタシは知識を得たのさ》


「何を言ってるだ…?俺のいた世界にお前のような寄生虫なんかいない!ありえない。」


《そうだなぁ、アンタの頭の中の知識だとアタシの名前はアニサキスって名前みたいだな》


「アニサキス!?そんな馬鹿な、ありえないだろ」


《たしかに前のとこでのアタシは所詮小さな小さな生き物でしかない。だがアンタに食われたあとアタシはなんとか生き残る為に、アンタの胃の中で穴を掘らせて身を潜ませてもらった》


「たしかに、生きたままアニサキスが体内に入ると生き残るためにもがいて腹痛が続くとか聞いたことが……そういうことか。だが、今のこの現状はありえない」


《そう、だがアンタがこの世界に来た時アタシに変化が起きた。気づいたらこうだ》


「いや1番大事なとこ、はしょんなよ!」


《そうは言ってもアタシにも何故こんなことになったのかはわかんねえ。アタシのこの人格とか性格とかもアンタの頭の中から得て構築したもんだ》


「何それ怖い」


《つまり、アタシはアンタの身体で人格をもったアニサキスになっちまったってことだ。さらにこの獣と同じような硬質化が出来るし、体を自在に増幅増幅できる》


「何それ怖い」


バリッバリッ

ムシャムシャ

ムシャムシャ

ゴックン


《さて、そろそろ食事も終わりだ。この獣を見てからやけに空腹に襲われてな。》


「空腹…か。すごい勢いで食べたみたいだが、明らかに俺の体より大きかったもんが中に入っていったのに、どこに行っちまったんだ?」


《さぁナ、なんかこのなんて言うんだろう。あの小娘の言った魔力?に変換されてる気がする》


「魔力…か。この世界の事もっとよく知らないと自分の事も何もわからないままだな」


バリッバリッ

ムシャムシャ

ゴックン


《御馳走様でした》


「そういうの、ちゃんと言うんだな」


《元はアンタの人格だからな》


「そう…か」


アニサキスは獣を全て喰らい尽くした


《うし、んじゃひっこめるわ》


「え、ちょ!」


グニョニョニョニョ


触手が腹の中へと戻っていく


「いや、出てけよ!」


《それは駄目だ。アタシは宿主が居ないと死んでしまう。それになんか魔力的なもんが絡み合ってアンタから引きはがせそうにない》


「まじかよ…」


「とりあえず、危機は去った…。て事にしておくか」


《なんか眠くなってきた》


「まてまて、まだ聞きたいことは沢山ある」


《んだよ、ちょっとだけだぞ》


「まずだ、そうだな最初は…お前のことはなんて呼べばいい」


《んだよ細けえな、好きに呼べばいいだろ。アニサキスなんだからアニキとかでいいじゃねえか》


「いや、それはねえよ。お前女だし」


《確かにアタシはメスだが。なんだアンタ、アタシに惚れたのか?》


「んなわけあるかい!!そうだなー、じゃあアニーで」


《安直だな》


「うるせい!」



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