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出会う

もうつながってないしめちゃくちゃ。

同じ毎日を繰り返していたある日のこと。

ベニトは家の奥にある、出窓の前に小さな机を置いて、木を削り小さな人形を

作っていた。

ベリルは、薬草を煮詰めて、傷薬を作っている。

そんな時間を、戸を叩く音が、途切れさせた。

ベニトが誰だろうと思い、戸を開けると、森番をしてくれている狩人が立っていた。

腕には、小さな女の子を抱えている。女の子がきょとんとした顔で、ベニトと狩人の顔を

見比べていた。

よく見ると、顔は涙で濡れ、服は汚れ、髪の毛は傷んでほつれていた。


「あんた、その子は……?」


ベニトは狩人に問いかけると、彼は、重い口を開いた。

狩人は、金色の目を女の子に向けながら答える。


「母親が死んで、家の中で1人でいた。おれが連れ出した」


「え?」


ベニトが驚いて、思わず声を上げる。


「正確には、おれの奥さん……チャクラが近所の家の様子がおかしいと、話を聞いて見に行ったら

息絶えた母親の側に居たそうだ。

男の子1人でもてんやわんやで、育て上げる責任も取れないのに

思わず連れてきてしまったと嘆いていたよ」


女の子の壮絶な経緯に言葉が浮かばないベニトに、狩人は淡々と続けた。


「おれは、その時あんたの顔が浮かんだ。だから連れてきた」


そういって、狩人は、女の子をベニトに押し付けて、背を向けた。


「あんたなら、きっと育ててくれる。そう思った」


そして、と彼はつなげる。


「その子を俺が押し付けたお詫びと言っては、よくないかもしれない。

だが、なんかあったらいつでも言ってくれ。俺も、奥さんも絶対に手助けする

おれの名前は、ソルフェ」


彼は、そう名乗ると、そっと出ていった。

ソルフェが連れてきた女の子の名前がわかるものはないのかと

腕に抱いている女の子の服を床に下ろして、よく確認していると

服に『スピネル』と、歪んでいるけれど、丁寧に、刺繍されていた。


「スピネル?」


ベニトが試しに呼んでみると、女の子は「はいっ」と、可愛らしい声で返事をした。

黒髪はほつれて、痛み、少しやせていますが、スピネルは元気そうだった。

そんなスピネルを見て、ベリルはそばに寄ってきて

彼女の頭をやさしく頭を撫でる。


「この子の服を洗濯しちゃいましょう。今日は、私の古い服でいいわよね」


そういって、ベリルは古いけれども、清潔に洗濯をしてある少し小さめの服を

引き出しから出して、着せた。


「ああ、着られてよかった。ワンピースみたいになっちゃったけど、かわいいね」


スピネルは、不思議そうにベリルの古着を見ている。

ベニトは、わしゃわしゃとスピネルの頭を撫でて、かわいいぞ。と言ってやった。


「くすぐったい!」


きゃははっと、スピネルは高い笑い声をあげた。

スピネルは、推定だが、年齢が4歳ほど。

元気そうな彼女に、2人は安心したように、顔を見合わせて、微笑みあった。

その日から、3人の生活が始まった。

成長してないことがうかがえますね。すいません

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