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儀式後

 儀式も無事終わり時刻はお昼前位になっていた。


「さて、これから観光と言いたいところだけど、時間的に飯の後に観光でいいかな?お二人さん。」


 おじさんは現在の時間をかんがみて昼食後に観光するように提案してきた。


「ん~?それでもいいんだけど・・・中央広場で市やってるんでしょ?屋台とか出てると思うからさ、市を見ながら屋台で買い食いでよくない?」


 ヒロは、早く観光したいのと効率良くしたいという考えでおじさんに意見していた。


「ははは、ヒロにはかなわんなユーリがそれでいいなら俺はかまわんよ。どうだい?ユーリ。」


「私も、いいよ~市も楽しみだし晩御飯までに宿に戻ればいいんでしょ?おじさん。」


 ユーリは、もう今日一日観光に費やすんだと息巻いていた。



 ****


 教会を出て、俺たちは中央広場へと向かっている最中に市で最初に見たいところをユーリに聞いたが、答えてくれた代わりに俺にも聞いてきた。


「ん~小物とか見たいかなぁ。ヒロは行きたいところないの?」

「俺か?俺は冒険者ギルドに行って冒険者登録しておきたいかな。登録だけして村戻っても大丈夫だしね。」


「む~、また村から出ること考えてる~・・・てか、市じゃないし。まぁ、今は置いといて村戻ったら家族会議だからね。」


「わかってるよ。ちゃんと話して皆が納得してから出てくよ。それと、新しい銃作るのに素材もほしいんだよな。」


「じゃぁ、とりあえず市向かおう。」


「そうだな。そうするか」


 結局行き当たりばったりで行動する二人。五分ほども歩いてると、前方に、冒険者ギルドらしき建物を見つける。


「とりあえず、あそこ行って見よう。多分冒険者ギルドだと思うし、登録だけしてくるよ。」


「待ってよ〜。私も行くから、あっ私も登録しようかな。そうすれば、王都に来た時お金かからないしね。」


「まぁ、そういう人もいる・・・か?」


 思い立ったが吉日のごとくさっさと中に入っていくユーリだった。


「お~い、市で昼飯にするんでなかったのか?って、もういねーし・・・。仕方ない付いてくか、腹減ってんだけどなぁ。」


 暴走気味の二人に溜息をしつつも、保護者がわりなので二人を追いかけて冒険者ギルドにはいるのであった。



 ****


 建物の中に入った二人は、何処で受付すればいいのか周りをキョロキョロと見ていると職員らしき人に声をかけられた。


「こんにちは、ギルドは初めてですか?」


「あっ、はい。今日は、冒険者登録をしたくて来ました。何処で受付すればいいですか?」


「そうでしたか。では、こちらの用紙に名前と出身地と特技を記入してあちらのカウンターまでお持ちください・・・確認ですが、お二人とも登録で間違いないですか?」


「はい。二人ですけど何かまずいことでもありました?」


「いえ、そうではなくて。お二人ともなら、パーティー登録も同時にしておくと手間が省けるのでお勧めですよ。それとも、別々に活動するのですか?」


「いえ、特に決めてないですけど・・・どうする?四六時中一緒に活動しなきゃならないってわけじゃないけどさ。パーティー組んどく?」


「もちろん。組むに決まってるでしょ。ヒロ一人だと心配だわ。」


「だ、そうです。」


「ふふっ、かしこまりました。では、こちらの用紙にも記入してください。全て記入しましたらカウンターまでお願いしますね。」

 冒険者登録の用紙二枚とパーティー編成の用紙一枚を渡されると職員さんは仕事に戻っていった。



「よし、書けた。記入漏れは・・・ないな。パーティー編成のほうも・・・大丈夫だな。ユーリは書けたか?」


「終わったよー。記入漏れも無し!!それじゃ、出しに行こー。」


「なんだ、随分ご機嫌だな。嬉しいことでもあったか?」


「ふふ〜、内緒。さっ、早く出しに行こ。」


「なんだか、俺よりやる気だな。」


 二人は用紙を出しにカウンターに向かった。


「冒険者登録受付はこちらですよ。」


 先程の職員のお姉さんが手招きして待っててくれた。


「用紙を確認しますね・・・はい、大丈夫です。では、証明書を発行しますのでこちらの器に血を1滴たらしてください。紛失した際にご本人以外が悪用できないようになります。」


 こうして、お姉さんに言われるまま器に血を1滴たらして渡すとプレートらしき物を差し込んだ装置に血を含ましていく。


「はい、出来ました。こちらが冒険者用プレート・・・通称ギルドカードになります。初めてのプレートになりますので、Fランクのグレーになります。ランクが上がるにつれて受注できる仕事も増えてきます。また、プレートの色も変わりますので頑張ってランクを上げてくださいね。ランクはFから始まって、E・D・C・B・A・Sとなります。Cランクからは昇格試験もありますのでご注意ください。あとは・・・あっ、そうそう。ノルマ等はありませんよ。それと、活動拠点はどちらになさいますか?」


「えっ?どういうことですか?」


「昔は、あそこの依頼ボードから受付まで依頼書を持ってくるスタイルだったんですが、遠方にお住まいの方は王都に引っ越してきて仕事をしていたんですが、地方の村や都市から働き手が王都に集中しすぎて過疎化が止まらないと・・・それに、モンスター被害にあっている村とかに迅速に動けないことからも地方にお住まいの方にはギルドのほうで毎日その日の依頼をこちらの板に送信していて、それで、受付が出来るようになったんですよ。まぁ、Dランクにあがるまでは王都付近の依頼になるので、それまでは王都にある冒険者用の寮に住んでもらうのですが・・・要するにDランクからはどこにいても依頼を受けることが出来るということですね。ただ、採取系の依頼はギルドまで来ていただかないとならない欠点もまだ残っているんですが、そこはギルドがどうにかパッドに転送機能をつけられないか開発中ですので、それまでは不便ですが使われている冒険者は多いですよ。それに、苦情もすくなくなりましたしね。あっ、すいません。このことはDランクになってから説明する規則でした。申し訳ないんですけど、今のは忘れてください。一応、質問されたら答えていいことにはなっているんですが出身地を確認するとついこちらからきいてしまって・・・」


「あぁ、大丈夫ですよ。それも、お姉さんの優しさからくるものですからね。そのままのお姉さんでいいんでないですか?」


「ありがとうございます。それでは説明は以上ですが質問はありますか?」


「今のところは、何もないですね。なにかあれば聞きに来ますよ、お姉さん。」


「わかりました。では、お疲れ様でした。お連れ様はあちらでお待ちになってますよ。」


「あぁっ!?おじさんのことすっかり忘れてた。つか、お昼御飯食べてないから思い出したら急にお腹すいてきちゃった。おじさん!!お昼食べに市に早く行こう。」


 ユーリは慌てておじさんを引っ張ってギルドを後にした。


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