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引率依頼(依頼スタート)

遅くなり申し訳ありません。

言い訳ですが、単なるマイペースでやっているのです。

あと、話のストックは作ってないので不定期投稿になります。

 ここは、王都から少し離れた森の中。今回の依頼は、薬草採取なので森の入口でも十分完了できるのだが、魔物との遭遇があまりないので入口からほど遠くない位置まで中に入ってきた。


「さて、三人はどうしてるかな?ユーリは珠代を見てくれ、俺は残りを見るから。」


「りょーかい。珠代ちゃんは・・・っと、いたいた。(うんうん、ちゃんと言われたとおりに木の根元を探してるね。えらいえらい・・・がちょっと、採取に集中しすぎてるね。魔物が近づいているのに気づいてるかな?)」


 珠代の200メートル後方からユーリは覗いていたので、魔物が近づいていることに気づいて杖を構えた。


「えっと、ギザギザが薬草だから・・・これは丸みがあるから毒草か。とりあえず、採取しとくかな?」


(ガサッ)


 珠代は、音がしたような気がして後ろを振り向いた。その時、近くまで来ていた魔物:角兎ホーンラビットが飛び出してきた。


「ん?なんか音がしたような・・・きゃぁ、びっくりした。」

 珠代は、飛び出してきたホーンラビットにびっくりして、尻もちをつきながらも腰にあるショートソードで撃退に成功した。


「あぁ~あ、お尻汚れちゃった。まぁいっか、それより、毒草を踏み潰した方がまずいよね。・・・まぁ、薬草じゃないからいいことにしよう。さて、薬草薬草っと。」


 尻もちをついたときに毒草をお尻で踏み潰したが、なかったことにして薬草採取を再開する珠代だった。


「(まぁ、ホーンラビットに気づくが遅れたけど何とか倒せたから良いとして・・・ダメにした毒草はなかったことにしたのね。いい判断だわ、でも証拠がお尻にあるのは気が付いて・・・ないわね。今度は、周りを警戒しながら薬草を探してるようね。採取に関しては合格でいいわね。ほかの新人はどうなったかしら?ヒロが見てるはずなんだけど。)」


 珠代の行動にひとまず合格と思い安心したユーリはヒロが見ている二人がどうなったのか気になった。



 ***ヒロサイド***


「(さて、まずは何も持たずに来た狼牙のほうが心配だから先に見ておくか。琥珀は・・・【弾丸作成:サテライト】これを空に打ち上げて監視するか。)」


(ドムッ)


 低い音を出して空にサテライトを打ち上げたヒロは、琥珀の監視を左目で見ながら狼牙の後方500メートルからスコープ越しに見ていた。



「けっ、薬草なんて他の奴が取ってるだろうによ。俺は魔物を倒したいんだよ。」


 狼牙は足元の草場を蹴り上げながら悪態をついている。そして、(おもむろ)にしゃがんでは雑草を取ってバックに入れている。もちろん、周囲の警戒なんかしてもいない。


「(あれじゃぁ、冒険者じゃなくて村一番のジャイ〇ンと同じじゃないか・・・あれは資格剥奪で確定だな。狼牙はもういいや、琥珀の方を直接見た方がまだいいな。サテライトの対象を琥珀から狼牙に変更・・・よし、琥珀の方に行こう。)」


 狼牙の後方から見ていたヒロは、サテライトで狼牙を見つつ琥珀を直接見ることにした。事実上の見切りであった。



 一方、琥珀は慎重に薬草と毒草を根元の少し上から採取しつつもびくびくと周囲を見ていた。


「うぅ、採取系ならいいんですけど・・・魔物が来たら怖いですよ~。右、良し!左、良し!前、良し!後ろ、良・・・し・・・?!じゃないです。なんか来てますよ?木の陰に隠れなきゃ。」


 後ろを振り向いた瞬間、遠くにゴブリンがいるのを見つけて慌てた琥珀は近くの木陰に隠れたが琥珀の巨体を隠すほどの木陰はなく、正に『頭隠して尻隠さず』状態であった。


「(おいおい、薬草の取り方も周囲の警戒も合格なのに魔物にビビるようじゃ冒険者として終わってるだろうが・・・あれは、慣れるまで時間がかかりそうだな。今回の新米は曲者揃いでめんどいな。)仕方ない、入口に集合させるか。」


 ヒロは暗澹とした気分で入口に戻り、集合の火玉ファイヤーボールを打ち上げた。ほどなくして皆が集まったので、休憩後に王都に戻ることを伝えユーリについてくるように言った。


「ユーリ、珠代はどうだった?」


 ユーリに珠代の行動と注意点等を報告してもらい。ヒロは、二人のことを話して三人の所に戻った。


「よし、休憩はいいかな?そろそろ王都に戻ろうか・・・その前に今日の判定と今後の対策を伝える。まず、珠代は集中しすぎるようだね。ホーンラビットに気が付かないほどに薬草採取に集中していたとユーリから報告をもらったよ。ユーリが後方から見ていることも気づいてなかったんでないかな?今後は、周りの警戒も同時に出来るようになれば大丈夫だと思うよ。次は・・・琥珀にしようかな?まず最初に、ビビりすぎだよ。ビビりすぎて周囲の警戒は出来てたし薬草も根元の上から取っていたので良かったと思ったんだが、遠くに見えたゴブリンに怯えて木陰に隠れちゃダメだろ。てか、あの距離なら魔法でも届かないし・・・そもそもゴブリンが気が付いてないよ。そこを直せば大丈夫!!まぁ、じっくり慣れていこう。で、最後に狼牙なんだが・・・お前は冒険者やめろ!!依頼をろくに出来ない時点で終わってるよ。薬草とかも確認せずにその辺の雑草を採取してどうすんだ?それで、周囲の警戒もしていないではお話にならないから今すぐに冒険者やめろ!!冒険者をなめるな。狼牙はすぐに死ぬことになるから、忠告として言っている。今後、狼牙に研修はつかないと思ってくれ以上!!・・・じゃぁ、帰ろうか。」


 伝えたいことを言ったヒロは、王都に帰ろうと馬車に向かおうとしたところで狼牙に呼び止められた。


「・・・ちょっと待てや!!ずっと底辺にいるお前らに俺らの評価が

 間違ってないと言い切れるのか!?そこまで、言うんなら勝負せえや。コテンパンにしてやる、覚悟せえや。」


 完全ぶち切れ状態の狼牙はヒロに殴りかかっていったが、それを見越していたヒロは余裕しゃくしゃくに紙一重で避けると足をかけて狼牙を転ばして首筋にナイフを当てた。


「はい、これで狼牙は死んだね。卑怯だと言うのなら、お門違いもい

 いところだね。時に命のやり取りをするのが冒険者だ。狼牙はもう少し先輩を敬うことを覚えようね。さて、今度こそ帰ろうか。」


「なんで、そんなに出来るのに低ランクにいるんだ?おかしいだろ。」


 狼牙はぶつぶつと独り言を言っているが、ヒロは聞き逃さなかった。


「ふむ、その辺の理由は馬車の中でしようか?来るときにしたと思ってたけど・・・してなかった?」


 ヒロはさっさと馬車に乗ってしまった。


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