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引率依頼(準備)

 雑貨屋


「らっしゃい・・・なんだ、ヒロたちか。今日は引率か?」


「おっちゃん、こんにちわ。そうなんですよ、ギルドから指名依頼なんですよ。ずっと、ランク上がってないのに指名ってどんだけ人手不足なんですかね?」


「ユーリちゃん、そんなことはないだろう。それだけ、ギルドに貢献していて信用しているから指名されるんだよ。で、今日は何を買うんだ?」


 雑貨屋のおっちゃんは入ってきたメンバーをみて、必要なものを聞いた。


「そうですね。研修中なので、俺からは何も言いませんよ。新米3人が自分で考えて必要なものを購入するのも経験ですから、アドバイスを聞かれたら答える感じでお願いしますね。では、各々今回の依頼に必要だと思うアイテムを買ってみよう。アドバイスは受け付けるけど、何が必要かを聞くのはなしだ。」


 必要だと思うアイテムを買うのも依頼にあったもの出ないとただの荷物になってしまうし、必要なものを買わなければ困ることになる。よって、準備段階である程度の依頼に対しての知識がないと無駄が出るので、最初に基礎として教えているヒロである。


「あん?!ただの薬草採取でアイテムなんかいらねーよ。バックの容量が減るだろうが。おい、お前らもアイテムなんかいらねーからとっとと薬草取りに行くぞ。」


「(ふむ。狼牙は薬草採取を簡単な依頼だと思ってなめてるなぁ。確かに簡単な依頼だが、アイテム無しは勇敢を通り越して無謀なんだが・・・まぁ、すぐに思い知るだろう。)狼牙、アイテム無しで行くのは構わないけどそれを仲間に強要するのは感心しないな。それぞれが思い思いに準備してほしいな。」


「ちっ、めんどくせーな。」


 俺に注意された狼牙は悪態をつきながらその辺のベンチに座った。


「(逆に、琥珀はいらないものまで買い込んでいるな。後々には必要だが薬草採取にそこまで大げさにすると容量が足りなくなるんだけどな。)」


「ん~、おじさんこの剥ぎ取り用のナイフが欲しいんだけど・・・切れ味とかは、どうなの?ちゃんとキレイに切れる?」


「そっちのナイフは見本で切れないぞ。これがちゃんとキレイに切れるナイフだ。たまに、聞かないでそのまま買っていくやつがいるけどな。」


「(ほう、珠代は剥ぎ取り用のナイフとポーションを3個か・・・惜しいな。後は、スライム用の瓶があれば良かったのにな。)さて、皆準備はいいかな?」


「うん。大丈夫だよ、ヒロ先輩。」


「早くしろよ、先輩!!」


「はい。準備出来ました、ヒロ先輩。」


 三人三様の準備ができ、あとは出発のみとなったところで今更ヒロが思い出したように、三人に伝え走り去っていった。


「あっ、すまん。俺が忘れ物してきたから、ユーリと先に行っててくれ。じゃぁ、ユーリ後頼むな?」


「わかったよ。早く追いついてきてね。先輩がそれじゃぁ威厳がないぞ~・・・さて、じゃぁ行こうか三人共。ごめんね、ヒロってば時たまやらかすんだよね。」


 ユーリは新米三人を連れて先に門へと向かった。


「・・・どうやら、行ったようだね。おじさんから見てあの三人はどうだった?」


 ヒロは雑貨屋に戻っておじさんに新米の評価を聞くために戻ったのだ。


「そうさな。狼の子はダメだな、ありゃ最初に痛い目にあっとかないと死ぬな。逆に、虎の子は考えすぎて荷物が多すぎだったしあれも別の意味で痛い目にあうな。この二人はヒロたちがいるうちに考えを直さないとそのうちにお荷物扱いされてしまうな。その辺はどう考えてんだ、ヒロは?あと猫の嬢ちゃんはきちんと商品を聞いて相談しながら準備してたからあの子は良いんでないか?」


「うん。大体俺と同じ評価だね。でも、珠代はそつなくこなしてたけどそういう子が慣れてくると油断してってのがあるから研修中に痛い目にあってもらいたいなぁ。まぁ、ダントツで珠代の評価が高いけどね。さてさて、この先はどうなることやら・・・じゃぁ、もう行くね。またよろしくね。」


「・・・ひでぇな、ヒロは。結局全員に痛い目にあわせるんじゃないか。」


 店を出ってたヒロに向かって店長はつぶやいたが既にヒロはいなかった。



 ****


「お待たせ。いやぁ、悪かったね待てしてしまって。さてこの門から出ていくと依頼が本格的に始まるんだけど・・・覚悟はできてる?って聞くまでもない表情だね。では、行こうか」


 ヒロは、門で待ってたユーリ達に謝罪しつつ、冒険者の第一歩の覚悟を聞いたが必要ないほどにやる気に満ちている三人を見て安心した。

「ところで、先輩?どの辺りに薬草があるんですか?そしてどれが薬草になるんですか?」


 慎重派の琥珀が、ヒロに質問したが見渡す限りの森と雑草なので全くわからない琥珀であった。


「そうだな、大抵は木の根元に生えているギザギザした草が薬草で・・・このように少し丸みを帯びてるのが毒草だ・・・と言っても毒草と薬草ときれいな水を混ぜ合わせると解毒剤になるから、毒草の依頼も一緒に受けると効率は良かったな。冒険者を長くしていたいなら、第一に生きながらえることで次に効率的に依頼を受けるといいぞ。同時受注は可能だからな。」


「さて、各々依頼スタートだ。」

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