漫才 「小説を書こう」
ゲラゲラコンテスト応募作品になります。
初漫才台本ですがお楽しみ頂ければ幸いですー
2人「はい、どーもー」
ツッコミ「今回は小説家になろうというサイトで、漫才とコントのネタ大賞を開催してるんですよ」
ボケ「大方開催者がネタ切れしたので、小説家になろうにすくってる有象無象共からネタを吸い上げようって魂胆がミエミエですね」
ツッコミ「お前いきなり大会ディスってるんじゃねーよ!」
ボケ「え? いやだって募集要項見ても賞金書いてないし、受賞作品分布する権利は開催者側だしタダ取りする気マンマンちゃいますかね?」
ツッコミ「お前いい加減にしないと、読まれる前に落とされるぞ。それくらいにしときなさい」
ボケ「まぁ、それでもお金はほしいですよね」
ツッコミ「そりゃまぁ欲しいねぇ」
ボケ「お金と言えば、この小説化になろうでも小説が書籍化されて印税をガッポガッポ稼いでる素人がいますやん?」
ツッコミ「そこは作者と言いなさい。まぁそこまで稼いでる作者さんは一握りって聞きますけどね」
ボケ「だから僕もあやかりたくて、小説を書いてみたんですよ」
ツッコミ「ほぉ」
ボケ「今から朗読するんで、ダメなところあったら指摘してほしいんですよ」
ツッコミ「いいですけど、僕は辛口ですからね? 批評で心が折れても責任持ちませんよ?」
ボケ「じゃあいきます。タイトル『走れ勇者』」
ツッコミ「んん?」
ボケ「『勇者は激怒した。』」
ツッコミ「いや、待って! それダメでしょ」
ボケ「……一行目から指摘するとか辛すぎませんかね?」
ツッコミ「いや、そういう問題じゃなくて」
ボケ「ああ、じゃあツカミが弱すぎるんですかね? やっぱり最初はお前を転がさないと」
ツッコミ「何で俺を転がすんや!? そこは死体やろ! いや、それも違うから! そのフレーズは有名小説のパクリでしょ!?」
ボケ「一行だけなら偶然だから。それに次の文は違うから大丈夫」
ツッコミ「そうなの? じゃあ次は?」
ボケ「『名前はまだない。どこで生まれたかとんと見当もつかぬ』」
ツッコミ「それもダメだから! 別の有名小説のパクリでしょ!」
ボケ「4小節までなら大丈夫だから。次こそはオリジナルだから大丈夫!」
ツッコミ「それデマらしいけどな? まぁいい、次は?」
ボケ「『だが僕には前世の記憶がある。僕はあの時、信号を無視したトラックにはねられて確かに死んだのだ』」
ツッコミ「異世界転生した勇者かぁ~。またベタだねぇー」
ボケ「はやりを抑えるのは、人気小説になるための基本だと思いましてね」
ツッコミ「まぁ、もう使い古されて目新しさもないけどな。で、次は?」
ボケ「『転生したので、メロスには異世界の政治がわからぬ』」
ツッコミ「ちょっと待って! なんで名前があるの!? まだないんじゃなかったの!?」
ボケ「前世の名前です」
ツッコミ「この勇者の前世メロスなの!? メロスがトラックにはねられて死んだの!?」
ボケ「似た名前の人ならたくさんいるでしょう? 他人のそらにですよ」
ツッコミ「それでもその名前使うのは問題しかないけどな!」
ボケ「続けますよ。『かの邪智暴虐の魔王を除くべく、メロスは聖剣セリヌンティウスを手に取り、旅に出た』」
ツッコミ「親友が剣に転生してるぅ!? 親友もトラックにはねられちゃったんですか!?」
ボケ「名前が聖剣ぽかったので拝借しました。」
ツッコミ「拝借とかそれは絶対やっちゃダメなやつだから!」
ボケ「その後は聖剣セリヌンティウスが人間になって友情を深め、魔王の娘と恋に落ちて義理の妹との三角関係になり、魔王を操ってた黒幕の邪神と一対一の壮絶な戦闘を繰り広げまして――」
ツッコミ「ちょっと?」
ボケ「合計巻数は100巻を超え、その間にアニメ化映画化実写化スピンオフもあります。そうなれば重版出来、商売繁盛、将来安泰、印税生活、有給休暇――」
ツッコミ「最後の方適当に言ってるだけやないか!? それより、小説も将来のビジョンも風呂敷広げすぎだろ、終わらせられるんかこんなの?」
ボケ「いや、もう最後は決まってるんですよ」
ツッコミ「神と戦って最後どう締めるんや? ゆうてみろ!」
ボケ「『メロス、君は、まっぱだかじゃないか。早くこの広げ切った風呂敷を着るがいい。』」
ツッコミ「誰がメロスか!? そんな風呂敷着れへんわ!」
ボケ「『君は、ひどく赤面した』」
ツッコミ「これは激怒や! 結局最後までパクリかい、いい加減にせぇ!」
2人「どうも、ありがとうございました~」
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