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Realita reboot 第一幕  作者: 北江あきひろ
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11月10日-4



「おーーーい! 真都ーーっ!!!」


「………!?」


 ようやく見つけられたことに少し安心しながら駆け寄ると、その僕の声に

真都が振り向いた。でも僕らを見たその表情に、驚いたような、焦ったような…

色がさっと浮かんだ。


「な…、アンタら…こんなとこで何してんねん?!」

「何って……真都を連れ戻しに来たんだよ! ほら、ここから早く離れよう!!」


 そうだ。こんなとこにはもう一秒だっていたくない。とっさに僕は真都の手を

掴もうとした。無理矢理にでも引っ張ってしまえば…なんとかなるはずだ!


 でも、伸ばした手は、あっさりと真都に避けられてしまった。


「………くっ……!」


 …まずい、まずい、まずい………っ!!


 …もうすぐそこまで、その得体の知れないヤツが来ているのを感じるのに!



「真都さん! やっぱり今から打ち上げ行こうよ! ご飯食べて……そんで…

そんでその後…カラオケとかゲーセンとか……行こうよ!」



 絵依子の言葉に真都が目を丸くして、そして……くすっ、と笑った。


「…カラオケはまた今度な。絵依子ちゃん。ウチは……今からやらなアカン

事があんねん」


 くるり、と真都が踵を返し、道路の先……向かいの交差点をじっと見据えた。



 …そこからそいつは現れる。ここまで来れば、僕にだって分かる。それほど

異常な「力」を、まだ見ぬビルの向こう側から、びりびりと突き刺すほどに

感じるのだ。



「ちょっとミャオっち! あなた…自分がなに言ってるのか…判ってるの!?」


 ゆっくりと近づいてくるそいつを、僕以上に明確に感知しているはずのかなえ

さんが、これ以上ない、というぐらいに切羽詰った声で真都に詰め寄った。



「勝てる訳……うぅん、戦える訳…ないでしょう!! 判んないの!? アレは

もう会士じゃ……人間でさえ無いのよ!?」

「…勝つとか負けるとかは、大した問題やおまへんのや。これがウチらの仕事…

使命なんや…!」


 そう言うと同時に真都が大きく腕を空に掲げると、しゃりん、とその手に

握られた錫杖が、甲高い金属音を響かせた。


「………っ!!」


 まるでその音が合図だったかのように、ビルの間、そして屋上に、一斉に黒い

人影が現れたのが見えた!


「あれは……朧露宗の…!?」


 かなえさんが驚いたような声を出した。それは僕にしても同じだった。

 ざっと見渡しただけでも、軽く100人ぐらいはいる。いったいいつの間に…。



「『護法印結界』!! 外縁部隊はそのまま「排」の陣を維持!! アリんこ一匹

通すんやないで!!」


『諒解!!』



「邀撃隊もそのまま! 直掩の隊は「封」の陣!! ガッチリ気ぃ締めて掛かりや!!」


『諒解!!!』



 お坊さんたちの声が夜の街に凛と木霊した。真都の指示に従って、まるで飛ぶように

してビルとビルの間を駆け抜けていく。


 そして。




 …とうとうそいつが…姿を現した。



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