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背伸びrouge  作者: 雪那
プロローグ
1/1

見えない鎖


もうこの世界に何もいらないと思った。


日に日に増えていく彼氏の束縛。笑顔で私を苦しめては、今日も「可愛い」と囁く。


私は彼の薬のようで、自分に、そして彼氏に呆れる。


いつでも私を縛り付けては、私の自由をなくす。鳥を鳥籠に閉じ込めていじめるみたいに。


見えない鎖で私を縛って彼は楽しむ。


嗚呼、もううんざりだ。先の見えない日々には。



誰でもいいから私を助けて。「タスケテ」そう嘆いても、誰にも聞こえない。


今日も狂った彼は、私の首に手を伸ばす。


「本当、君は天使だ」



汚れて汚い私を天使だと言わないで。


誰かこの、重苦しいループから、私を攫って。





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